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弘大前に行けば出会える特別な書店


そこに行けば特別な書店がある。弘大前だからと、バーやクラブやレストランだけではない。あわただしい弘大の中心部から少し離れると、延南洞(ヨンナムドン)と東橋洞(トンギョドン)のような周辺部では、異色の書店が愛書家たちをとらえる。

大型書店では出会えない特別な独立出版物、童話、アート・デザインなどの専門書を選んで売ることもある。本屋の所有者が人並みはずれた目で可愛らしく飾った姿に、本を見物していると「斧の柄が腐る」こともわからないだろう。

▲ 町内の本屋の誇らしげな成功「サンクスブックス」
  • 弘大前に行けば出会える特別な書店
  • ①サンクスブックス

「弘大前と似合う本で構成したキュレーション書店です」。

2011年3月にオープンした「サンクスブックス」(ソウル麻浦区チャンダリ路28)はいつのまにか弘大前のインディーズ書店を代表する兄貴格になった。イ・ギソプ代表は、「なぜ弘大という空間に、書店のひとつも無いのか」という疑問から、トンネ(町内)本屋を直接開くことを考えるようになったと言う。グラフィックデザイナーが直接作った空間だけに、黄色のきれいなロゴや書店内の椅子、本棚一つにまで染みこんだデザイン感覚がこを特別に仕立て上げた。きれいな書店ができたといううわさが広まり、客が寄り始めた。最初は出版社から本の供給を受けることも難しかったが、今はそんな身分も逆転した。街路樹キルと三清洞(サムチョンドン)に支店も開いた。

この書店は毎月テーマを決めて展示を企画しているが、5月のテーマは絵本作家Darren Farrellだ。書店のテーブルには作家の童話の本とハガキなど、ちょっとした小物が展示されていた。

サンクスブックスにはベストセラーがない。イ・ギソプ代表と従業員が直接選別した特別な本がメイン書架に置かれる。代わりに、入口の右側に置かれたソファー・テーブルには「今週の本」が置かれている。サンクスブックスのスタッフが順番に選定する本。ホームページには今週の本を紹介する文も載せている。人文科学・小説・エッセイ・旅行などをまんべんなく売っているが、最も大きな空間が割かれているのはデザイン・芸術コーナーだ。アルバムとデザイン小物も、さらにはここでは花まで売る。イ・ギソプ代表は「サンクスブックスは仕事帰りに立ち寄って気軽に本を見てお茶を飲むスペース」とし、「本だけではなく、本を選ぶ楽しさを売る書店」と、自分たちの哲学を語る。

▲ 弘大インディーズ書店の元祖「ユアマインド」
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  • ②ユアマインド

東橋洞の線路の横、小さな建物の5階にある「ユアマインド」(ソウル麻浦区臥牛山路35キル7)に上がるには、エレベーターもない。代わりに、この最上階の書店にはぱっと開けた景色と猫が3匹が待っている。イロさんは5年前にオープンしたユアマインドは書店の名前であり、出版社の名前だ。自分が作りたい本を自分で作り、売るところを探したが、彼は小さな部屋でオンライン書店を直接開いた。

4年前、この建物の最上階に引っ越して来て以来、SNSを通じて粘り強く読者と疎通して常連も生じ始めた。●西村の「ガガーリン」「ザ・ブック・ソサエティー」と同様に出発したが、少なくとも弘大では元祖インディーズ書店と言える。

この書店の看板選手は小規模の独立出版物だ。写真集・イラストブック・海外の雑誌も多様に入ってくる。大手出版社の本は難しいが、いまやユアマインドが選んだ本を「信じ」で買う骨髄のファンも多い。

イロさんは、「一貫したコンセプトがないというのが私たちのコンセプト」とする。50部~100部だけ作る本は、大型書店では関心を得られないが、ここでは堂々と顔を見せる。彼は、「希少な本が多いという点と、弘大の喧騒から逃れることができるという点を読者が好む」と語った。

身軽さを生かして、一風変わった企画展も行う。昨年は「手のひらの本の集い」という企画展を開催した。文庫本よりも小さいサイズで、30チームがそれぞれ20部限定版の本を作って売ったが、反応が熱かった。

1年に1回開く「アンリミテッドエディション」イベントには、独立した出版社が50~60チーム参加する。それぞれの本を広報するための最少型のブックフェアだが、昨年は二日間で3000人が訪れた。イロさんは、「弘大近くに似たような哲学を共有している書店ができたので、互いに応援し競争もする緩い連帯感が生じて力になる」と語った。

▲ これより小さいところがない路地書店
  • 弘大前に行けば出会える特別な書店
  • ③本屋ピノキオ

今度は小さいさでは他に負けない書店だ。「ユアマインド」から道ひとつわたれば現れる「ハローインディブックス」は本当に手のひらサイズの書店だ。ゲストが3~4人入ればいっぱいになるくらいのスペースは、独立出版物と絵葉書で満ちている。この小さなスペースで本を売って、一方では出版物や作品を展示したりもする。小さく古本を売るスペースも目に入る。読者と作家が出会う「サランバン」を夢見るというここは、オーナーのイ・ボラムさんが「こんにちは」と気兼ねなく挨拶をして、親切に本を推薦してくれたりする。延南洞に昨年6月にオープンした「本屋ピノキオ」(ソウル麻浦区東橋路46キル33)は童話本の専門書店だ。500冊あまりの本の中には、他の書店では見ることが難しい米国・英国・カナダ・チェコ・スペインなどから海を越えてきた原書絵本・グラフィックノーブルが多い。全体が黄色の空間から異色で、店内をうめる絵本は童心はもちろん、大人たちの心までとらえる。童話の中から飛び出したような外観のせいか、この本屋は女性読者に人気満点だ。

工房・カフェ・1人美容室、客一人当たりきっちり3杯まで売るウイスキーバー、ビストロなどが一軒の家に集まった、東橋洞の名物として定着した「たまたま店」の1階にも本屋「別冊付録」(ソウル麻浦区東橋路30キル21)が入った。「カフェ東京」の著者であり「秘密基地作り」の翻訳者イム・ユンヂョンさんが主人である書店だけあって、日本書籍のコレクションが目立つ。この他にも御店主の好きな作家ロマン・ガリーの本をはじめ、グラフィック雑誌、近所のアーティストのイラスト作品集などを主に集めた。もちろん、本の選定の基準は「店主好みで」だ。弘大前インディーズ書店の共通点は「昼耕夜読」を勧めるという点。午後遅くに店を開けて、夜遅く店を閉める。「サンクスブックス」は昼12時~午後9時30分、「ハローインディブックス」は午後3~9時、「ユアマインド」は午後2時~9時30分、「ピノキオ本屋」は午後1~9時、「別冊付録」は昼12時~10時が営業時間だ。「ハローインディブックス」は日曜日、「本屋ピノキオ」は日・月曜日を休んで、残りの3つの書店は、月曜日に休む。

  • 弘大前に行けば出会える特別な書店
  • 毎日経済_キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-05-23 15:51:28




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