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ニューヨークで第2の『母をお願い』熱風吹くか

申京淑『どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って』英語版刊行/LAタイムズやハフィントン・ポストなど、米国のマスコミは連日好評 

  • ニューヨークで第2の『母をお願い』熱風吹くか
「申京淑(シン・ギョンスク)は『母をお願い』と同様に、また再び感情の深いところに触れる文学的なスタイルで、喪失と記憶で鋳造した小説を完成させた」。

米国のLAタイムズの書評欄に5月30日、刊行を控えた申京淑の第二の英語小説『どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って(I'll Be Right There)』の書評が大きく掲載された。ピュリッツァー賞を受賞したジャーナリストであり小説家のHe'ctor Tobarはこの小説を、「技巧のある慰安(Artful Solace)の小説」と評した。「申京淑風」が再び吹くのか、期待させる好意的なレビューだ。

『母をお願い』で世界的な作家に成長した申京淑(51)が、いま一度英米圏の読者の胸を打つ。彼女の7作めの長編小説『どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って』が3日、ニューヨークの出版社アザープレス(Other Press)から翻訳出版された。

『どこかで…』は最も美しく輝く時間であり、心の冷えびえとさせる痛みを経験する時期でもある青春を描いた成長小説であり、恋愛小説だ。別れた恋人から8年ぶりにかかってきた電話で始まるこの物語は、キャンパスでの初めての出会から始まった過ぎ去った愛と痛みの時間をたどっていく。1980年代の催涙弾のにおいが立ち込めたソウルを背景に、この時代の悲しみをそっくりそのまま盛りこんだ。

この小説は中国・ポーランド・イタリア・台湾・スペイン・ノルウェーに次いで、7番目に英語版として出版された。翻訳は梨花女子大学通訳翻訳大学院のキム・ソラ教授が当たった。翻訳者は韓国語の語感を生かすために苦心した。例えば人の名前を呼ぶときに「~ちゃん」と呼称することを、英語でそのまま翻訳した。このような表現は英語には存在しないが、小説の中の人物間の親密度を表す装置をそのまま活かす必要があったという説明だ。

出版を控えて配本された仮製本を通じて、英米圏の専門書評誌に載ったプレビューでもすでに好評が続いている。伝統を誇るKirkus Reviewsの書評は、「申京淑の明瞭ながらも暗示的な叙述の声は(英語読者に)慣れないながらも同時になじみ深い、感動的な話を静かに伝える」と紹介した。

『どこかで…』を「今年必ず読むべき小説30選」に挙げたフィントン・ポスト(Huffington Post)は、「小説に登場する人物は、東洋と西洋の文学界で共感を十分に引き起こすよう描写された」と評した。小説に豊富に引用されるリルケ、ロラン・バルト、ランボーなどにより、韓国語圏をこえる普遍性を獲得したと読み取ったわけだ。

発刊を記念して2日にニューヨークに出国した申京淑氏は、コリア・ソサエティー、ニューヨーク韓国文化院などで読者との出会いを持つ予定だ。『母をお願い』熱風は、ニューヨークタイムズの書評欄の好意的なレビューが導火線となった。今週末ころに掲載される予定のニューヨーク・タイムズとガーディアンなど、英米圏メディアの反応が注目される。
  • 毎日経済_キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-04 17:05:39




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