トップ > カルチャー > カルチャー > ベルサイユ宮殿の庭に李禹煥(イ・ウファン)のアーチ

ベルサイユ宮殿の庭に李禹煥(イ・ウファン)のアーチ

ヴェルサイユ宮殿に大型インスタレーション作品10点展示/「観覧客たちを作品の前に立ちどまらせたい」 

  • ベルサイユ宮殿の庭に李禹煥(イ・ウファン)のアーチ
  • ベルサイユ宮殿の庭に設置された李禹煥(イ・ウファン)の作品の前で、(左から)この展覧会を企画したパークマン前ポンピドゥーセンター館長、李禹煥、ベルサイユ館長のカトリーヌ・ペガールがポーズを取っている。

フランスのパリから南西に23キロメートル離れたヴェルサイユ宮殿。絶対王政の象徴でありフランスの代表的文化遺産であるここに、韓国人作家で最初であり歴代7番目に大規模な展覧会を開く李禹煥(イ・ウファン、78)に12日、会った。天才庭師ル・ノートルが直接設計した17世紀のバロック庭園が始まる大通りの前でだった。

「この1年間、このように完璧に飾られた人工的な空間で何が可能なのか悩みました。結局、その完璧を超えることが私の仕事でした」。

ジーンズをはいた李禹煥が立った場所の後には、虹模様の新作「関係項―ベルサイユのアーチ」が立っている。高さ12メートル・長さ30メートルの円形のステンレス鉄板がアーチ状に立っており、両端に石が置かれている。李禹煥の作品の中で最大の大きさ。庭に入るにはこの3メートル幅の、虹の道を歩いて通らねばならない。

「10年あまり前、道を歩いていて虹を見たのです。その感じを忘れていましたが、ここに来て虹のアーチを作り、人々が通り過ぎる舞台を作らなければならないと思いました。これによって空と周辺が新たに、完全に別の方法で行開かれるわけですよ」。

ベルサイユ宮殿は2008年からジェフ・クーンズを皮切りに村上隆など、毎年巨匠を一人ずつ選定して現代美術展を開いている。過去と現在の対話を通じて、歴史的空間を新しく解釈しようという次元からだ。作家にとってベルサイユ宮殿の展覧会は最高の栄誉だ。李禹煥は宮殿内に1969年の旧作を連想させる作品1点を設置し、残りの9点は庭のあちこちに「関係項」というタイトルで展示している。作品10点がすべて新作だ。


  • ベルサイユ宮殿の庭に李禹煥(イ・ウファン)のアーチ
  • 「関係項―巨人の杖」

作品に登場する石は数万年前からあった自然を、鉄板は文明化された産業社会を象徴する。

「人々は今日の速い速度化と大量消費に疲れているでしょう。現代美術はいくつもの流れがありますが、すべての観覧客が作品の前に立ち止まり、異なる感じや考えを持つように誘導します。私の名前や作品のタイトルを知らなくても、通り過ぎながら不思議だという感じだけ受けても良いということですよ」。

李禹煥は展示のためにベルサイユ宮殿に50回近く通った。「宮殿を散策するたびに、ル・ノートルがまるでささやくようでしたよ。この完全無欠な庭を別の空間として開いてみてくれと言って」。

運河につながる長い芝生にカーペットのように鉄板を敷いて、翼をひるがえす風を形象化した作業や、小道に置かれた鉄板と石の出会い、北斗七星を形象化した作品などは観覧客を思索と沈黙の世界へと誘う。

「ナムジュン・パイク先生が言いました。展示が小さくても大きくても、作家はその次は無いという式にすべての熱意と誠意、金やアイデアを丸ごとその展示にそっくり傾けるんだと。いま私はそうです。腰も痛く、健康はめちゃくちゃですね」。

海外の専門家は好評を寄せた。リチャード・バイン「アート・イン・アメリカ」編集者は、「素材に対する純粋性と物質性をよく表していると同時に、自然と環境に対する調和のとれた解釈が印象的」だと評した。17日から11月2日まで。
  • 毎日経済_パリ=イ・ヒャンヒ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-15 17:03:16




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア