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7年ミステリー「證道歌字」の運命、来月決まる…文化財指定なるか


  • 7年ミステリー「證道歌字」の運命、来月決まる…文化財指定なるか
7年近く二転三転していた「證道歌字(チュンドカヂャ)」の真偽問題が来月、一段落する。文化財庁は最近、一般公開の検証を経て最終的な調査報告書を作成し、来月13日に動産文化財指定審議を開くと明らかにした。審議には動産文化財委員8人が全員参加する。

文化財庁の関係者は、「来月13日の動産文化財分科委員会では最終的な調査報告書をもとに、證道歌字の文化財指定の価値の如何を判断することになる」とし、「指定・解除・保留のいずれかの決定が出るだろう」と明らかにした。続いて「しかし二ヶ月に一回ずつ開かれる動産文化財分科委員会は審議機関であり、この日の決定の如何にしたがっては今後も数回開催されることもある」と付け加えた。證道歌字が世界最古の金属活字として国家文化財である「宝物」に指定されたり、でなければ「證道歌」を印刷した高麗活字だという証拠が不足して文化財指定が取り消されるとの見通しだ。最悪の場合は真偽の如何ではなく保留決定だ。この場合は「證道歌字ミステリー」は永遠の迷宮に入ることになる。

▶ 論議が長期化した理由

證道歌字は13世紀の高麗時代に出された仏教書籍『南明泉和尚頌證道歌』を印刷する際に用いたという主張が出された金属活字だ。證道歌字が本物であれば、1377年に出版された書籍である『直指心體要節』よりも、少なくとも138年を先立つ金属活字関連の遺物として認められることになる。世界の印刷物の歴史を変える、画期的な出来事になる。

2010年9月、キム・ヂョンチュン多宝星(ダボソン)ギャラリー代表(古美術協会長)側の公開で、はじめて一般に公開された。しかし活字の入手経緯と出処などをめぐって、公開されるやいなや真偽論争につつまれた。これにたいしてキム・ヂョンチュン代表は、韓国地質資源研究院と日本の研究所などに炭素年代測定を依頼して、「95%以上ホンモノ」という結果を得た。 2011年に「證道歌字」の4つの活字の墨の炭素年代を分析した結果、770~1280年という数値が出てきたわけだ。

それにもかかわらず墨の真偽をめぐって議論が続くやいなや、2014年には慶北大学の産学協力団に依頼して炭素年代を測定し、これも「西暦1033年から1155年の間に作られたという結果」を導出した。しかし慶北大産学協力団の研究責任者の役割をナム・グォニ教授(キム・ヂョンチュン代表とともに「證道歌字」を初公開した学者)が引き受けたことが問題とされ、また別の火種を残した。

4回にわたる炭素年代測定でも学界の意見を狭めることができず、けっきょく文化財庁傘下の国立文化財研究所は2015年、キム・ヂョンチュン代表側が所蔵している「證道歌字」101点を約1年のあいだ精密分析を実施した。昨年に調査結果を発表したが、当時も真偽の最終的な結論は出せなかった。

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  • < 「證道歌字」議論日誌 >

▶ 争点の核心は?

争点は2つに圧縮される。鋳造と組版における金属活字(證道歌字)が木版の飜刻本(證道歌)と書体が一致しない点、4回の炭素年代測定結果の追加調査に使用する「墨」が不足している点、などをどのように決着をつけるかだ。問題は木版飜刻本として印刷された證道歌(サムスン出版博物館所蔵・宝物758-1号)は残っているが、金属活字本の原本は、現在は残っていないということだ。言い換えれば、活字と書体の対照には限界があるということだ。

先立って證道歌字の書体を調査した国立科学捜査研究院は、「金属活字(證道歌字)と木版の飜刻本(證道歌)の書体が互いに一致しない」と発表した。調査の結果、木版本の文字と「證道歌字」の類似度が統計的に有意なレベル以下だという分析だ。朝鮮時代の金属活字「壬辰字(イムヂンヂャ)」(1772年製作)と壬辰字で印刷した復刻本を比較対象とした。実際の組版実験も行った。 「證道歌字」を3Dプリンタで複製し、木版本に合わせて組み込んだ。結果は活字のほとんどが「證道歌」を印刷する際に使用したとみなすには非常に大きすぎることが分かった。

とは言え、このような国立科学捜査院の調査方法に疑問を提起する書旨・書体学者も少なくない。匿名を要求した書体専門家は、「国立科学捜査院の調査方式が文化財に適用されたのは今回が初めて」だとし、「先例がないので、正確な比較対象が不在の状況であることから基準がない。結果から適合した意味を抽出することは難しい」と説明した。イ・ワンウ韓国学中央研究院教授は、「個々の活字の類似度の測定結果を見ると、壬辰字の平均値(0.952)よりも高い文字が11文字、1434年の初鋳甲寅字(チョヂュガプインヂャ)(0.933)よりも高い文字は28字になる」とし、「統計的に有意なレベル以下という解釈に同意することは難しい」と語った。

一方、国立文化財研究所は證道歌字が国内で製作されたものと推定される青銅材質の古い金属活字であることだけを確認した。正確な製作時期を断言できなかった。活字から採取できる墨がないためだ。キム・ウンギョン有形文化財課研究員は、「活字から採取できる墨はもう残っていないことから、追加の炭素年代測定は難しい状態」だと説明した。

▶ 未決として残る可能性

證道歌字がわが国の青銅古活字だという事実を立証するだけの証拠はいくつも出てきたが、依然として高麗時代の「證道歌字」だという決定的な証拠は不足だというのが学界の指摘だ。

何よりも文化財指定は、事実上は全会一致制で運営される。 8人のうち一人でも反対の意思を曲げなければ指定は難しいという話だ。

去る20日の懇談会に参加した専門家らは、「意見の相違が繰り返されている」と口をそろえた。キム・ウンミ研究員は「誰も反論できない価値がなければならないので、事実上は全会一致でなければならない」と強調した。キム・ヂョンチュン代表は「今回は真偽に確実に決着をつけなくてはならない。保留と出れば行政審判を請求する」と明らかにした。
  • 毎日経済_イ・ヒャンヒ記者/キム・ヨンヂュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-03-19 18:39:25




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