トップ > カルチャー > 韓国探訪 > 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯

大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯


  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < タクトンチプ通りの入口 >

ここは大邱の路地!白昼はただ普通の住宅街だが、日が暮れるとジキルとハイドのように違う姿になる。何気ない昼と違って、夜この路地に足を踏み入れれば、人々の表情が明るくなる。まもなく路地のあちこちでこんな声が聞こえてくる。「おばさん~ここフライドとヤンニョムのハーフ&ハーフで~」なるほど!ここは家族や恋人、友人同士が三々五々押し寄せるチキン横丁…?ブー!チキン横丁ではない!

  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < 外から見たお店の中 >



▶フライド、調味料、ヌード、醤油、ニンニク、そして…

大邱市新岩洞平和市場の入口。この路地の名前は「タクトンチプ通り」だ。世の中のどこにそんな通りがあるのかと思うだろうが、実際タクトンチプがこの路地の主人公だ。タクトンチプ通りは俗に言う鶏の砂肝で正式名称は「砂嚢(さのう)」だ。

この通りのタクトンチプ料理は、主に揚げ物の形式を取り、衣をつけて150度以上の油で3分ほど揚げる。これが「フライドトンチプ」で、これがニンニクと水飴、唐辛子や粉醤油、唐辛子などの調味料を入れてあえて「ヤンニョムトンチプ」になると他のチキン屋と似たの雰囲気だ。はて、これなら「タクトンチプ通り」と呼ぶには足りない感じがある。衣をつけずに揚げるヌードトンチプ、油で揚げた後醤油を用いた醤油トンチプ、ヤンニョムにニンニクを入れるとニンニクトンチプ、貝の和え物のように各種野菜や調味料と和えて出す野菜トンチプなど、さまざまなメニューを展開し、選んで食べる楽しみがあるのがタクトンチプ横丁だ。

  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < サツマイモと一緒に揚げるタクトンチプ >


  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < 大邱のタクトンチプ屋さんはお客さんでいっぱいだ >



▶路地で味わった異色な味の饗宴

それでは、本格的にタクトンチプ通りを楽しんでみよう。通りに入ると、似たような雰囲気のトンチプ料理屋が20~30店程度ある。席についたら注文の時間だ。トンチプの盛り合わせを注文してみる。期待半分、好奇心半分で待っている間、生ビールを一口飲んでのどを潤しておく。しばらくしてテーブルに運ばれた大きな皿は、香ばしい香りとともに色とりどりで目だけでもおいしそうだ。こんがり揚がったフライドトンチプと甘辛く赤いヤンニョムトンチプ、そして茶色のヌードトンチプが、形態も色もきれいに盛り付けられている。ヌードトンチプはサツマイモと一緒に揚げてあり目を引く。加えてチキン屋が提供するさくっと酸味の効いたカクテキ形の大根とサラダ、醤油と酢を混ぜたソースにタマネギのみじん切りが含まれており、青唐辛子のサムジャンも一緒に出て​​くる。タクトンチプを塩やマスタードソースにつけて食べるとシコシコとした歯ごたえがあり、やや辛めだ。

  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < トンチプの盛り合わせ >



▶大邱市民の遺伝子の中ダルトンジプ

一体このおいしいタクトンチプ料理は誰が考え出したのだろうか?この通りにタクトンチプ料理が初めて登場したのは、1981年とされている。鶏肉を売っていたイ・ミョンスンさんが余っている鶏の砂肝、いわゆるタクトンチプを油で揚げ、最初はサービスで、後に安価で販売を開始した。安くておいしいトンチプ料理が噂になるにつれて客が増えてくると、80年代半ばは6店だけだったお店が、90年代初めに急増してここから「タクトンチプ通り」となった。

歳月が流れ、タクトンチプ通りの風景も大きく変わった。古い壁を壊しガラスを取り付け、古びた木の椅子は赤や黄色に塗り替えて斬新なメニューの開発が続き、くすんだ路地のトンチプは魅力的な通りになった。午後4時頃に香ばしい匂いがし始め、退勤時間にもなれば会社員たちが集まり、その後大学生が夜明けまで不夜城を成す。ここであれこれ話を交わした若者たちは恋人になり、彼らが結婚し子供を産めば、その子供の手を握ってまたこの通りを探す。その子供たちが育って中高生になるとおやつにタクトンチプを買って食べるので、大邱人の遺伝子の中にはタクトンチプの味が記憶されているという店主のしらじらしい言葉が事実のような気がする。興味深い大邱タクトンチプ通りの味紀行だ。

  • 大邱の「タクトンチプ通り」で朝まで乾杯
  • < 若者らが頻繁に訪れるタクトンチプ通り >]



▶ 大邱タクトンチプ通り

東大邱駅から北西にキロメートル。東大邱に沿って右側に歩いていくとファティマ病院が出てくる。ここから左側の七星市場の方向に400メートルほど行くと右側に看板が見える。

住所:大邱市東区新岩洞
定休日:第1・第3日曜日はほとんどが休みだが、店によっては第2、第4番日曜日に休むところもある。
営業時間:午後4時~午前4時

▶ 周辺スポット
大邱薬令市場通り、大邱タワー、八公山自然公園

  • MKスタイル 文・写真=イ・ドンミ(旅行記者)
  • 入力 2017-04-15 09:04:47




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア