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韓国芸術の国際的な影響力


  • 韓国芸術の国際的な影響力
今月の19日と20日、世界的な交響楽団ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がソウルに来る。特に我らが若いピアニストチョ・ソンジンがラベルのピアノ協奏曲を共演し、作曲家チン・ウンスク(陳銀淑)の曲「Choros Chordon(弦の踊り)」が演奏されるというニュースにクラシック愛好家はもちろん音楽をよく知らない一般人までも大きな誇りを感じているようだ。世界的な名声を誇る交響楽団はその交響楽団を保有している国と国民の自慢になる。世界的な音楽家、さらにアーティストはまた同様に自慢になる。このように、芸術は人間の感情を美しくし、生活を豊かにする本質的な役割だけを果たすのではない。国の力と国民の誇りを引き上げる役割も果たす。さらに経済発展にも寄与する、一石多鳥の親孝行の役割まで果たしてくれる。

韓国には能力を持つ芸術家が相当に多いほうだ。しかし、前途有望な若い芸術家たちが国際コンクールや国際展示会でデビューした後にほとんどステージの後方に消える切ない姿を見てきた。韓国の芸術教育環境と厳しい国際競争の中で国際舞台の登竜門を通過したのは本当に奇跡のようなことだ。しかし、それはすぐに将来の成功を保証するものではない。すぐに国際芸術市場で力のない国の民となった悲しみを経験をすることになる。芸術界だけではないが特に国際芸術市場は目に見えない激しい戦場だ。ユダヤ系と欧州系が圧倒的主導権を握っており、ここで韓国の芸術家が生き残るのは本当に卵で岩を打つことと変わらない。運良く世界的な企画会社とつながって命脈を続けているといっても過言ではないだろう。

韓国の大衆音楽(K-POP)、放送ドラマ、映画、ゲームやキャラクターなど韓国の文化産業市場は成長を続けている。昨年だけでも100兆ウォンを超える市場規模となった。韓流商品は現在アジアを越えてヨーロッパ、南米・アメリカなどに進出している。最近、中国の限韓令により困難を経験しているが、むしろ市場の多様化を介してより成長の勢いを増したようでもある。しかし、文化産業の苗床とも言える芸術界はまだ空腹で冷たい風が吹いている。状況に余裕がないため国際競争力を話すことすらきまりが悪い。

韓国の芸術が国際競争力を育てることは非常に難しいことだ。あえて方法を言うなら、芸術の現場で専門的な芸術経営システムを拡大することから始めなければならないようだ。いくら良い芸術家が排出されたとしても国際市場で活動できない場合、おだ花で終わるようなものだ。

韓流をリードしている韓国大衆音楽など文化産業分野で見られるように芸術の市場も芸術家の養成から公演展示企画、広報、マーケティング、作品や付加商品の販売など、総合的な体制を整えて産業面からアプローチするなら、時間はかかるかもしれないが希望は十分にあると考える。国内企画会社の国際市場への進出が現在としては難しいため、まず国際芸術市場の配給と流通を主導する外国の大型パートナーとの協業戦略という次善の策を講じるのも一つの方法だ。

しかし、私たちの芸術が真に充実した国際競争力を備えるためにはなんといっても全国民が芸術を愛し観覧する文化が形成されるべきだ。

国民が芸術を大切にしなければ、国際競争力どころか生存すら難しいのが芸術界の現実だ。国民一人一人が本を読んで公演・展示を観覧することが日常になって芸術界の下部インフラがしっかりとすれば自然と芸術の市場は拡大して国際競争力も備えることができる。

もちろん幼い頃から芸術に親しむ教育制度だったり、社会の雰囲気も新たに起こるといい。だから、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の訪韓、そして韓国奏者の共演と韓国作曲家の楽曲演奏のニュースが数年ぶりに登場するサプライズイベントではなく、日常的な文化イベントとして鎮座する時代がきたら良いと思う。
  • パク・ヤンウ 中央大 芸術大学院 教授
  • 入力 2017-11-10 15:57:04




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