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韓国新名所…「ホカホカ」の「銭湯カフェ」


■ 真冬の寒さを溶かす「風呂屋カフェ」

体感気温マイナス20度。狂ったのでしょうかね…こんな日に取材旅行にとつぜん出てきた私が間違っています。不平を言うやいなや、いっしょに取材に出たネイバー旅行+チームのチャン・ジュヨン記者が私の手を握って引っ張ります。風呂屋だって?なんと頭のいい奴だ。デスクにはこっそり、あつあつの湯に入りましょう。キィと音を立ててドアを開けると、なんと!きっちり0.1秒で驚きの声を上げます。

なんということでしょう?外面はトンネ(町内)の銭湯ですが、中はカフェだなんて。この日の思い出のトンネ風呂屋3ヶ所は、私に「アッアッアッ」という声とともに、口をぽかんとあけさせることになりました。今週は秘密の室内「逆転の発想」旅行です。あ、ちょっと。これらの銭湯にひと風呂浴びに行くと大変なことになりますよ。

1.アヒョン洞のトンネ風呂屋「杏花湯(ヘンファタン)」

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  • ②アヒョン洞「芸術風呂・杏花湯」のコーヒーセット。



ぴょんと飛び上がるほどだ。地下鉄エオゲ駅の1番出口。アパート団地の中にのびた路地に沿って200メートルほど歩いていくと、赤い煙突に黄色い看板を掲げた風呂の建物が目に入る。麻浦区アヒョン洞の「杏花湯(ヘンファタン)」。ヘンファは杏(あんず)の花だ。かつてアヒョン洞一帯にはアンズが多かったことから付いた名前だ。チムジルバンやスパに押されて、いまや消える直前の古い風呂屋の建物だ。

ところが入った瞬間、ぴったり0.1秒でアッという声が出る。逆転発想の風呂屋。外観は1958年にオープンしたそのままだ。では中を覗いてみよう。半世紀の歴史のトンネ風呂屋(?)らしく、戸を開けると脱衣室…あれ?脱衣室じゃない。よく見るとカフェだ。つまりカフェに模様替えした脱衣室だ。とうぜんカフェにあるべきテーブルがない。代わりに昔の風呂の真ん中にでんとおかれていた床几台、そして背もたれのない椅子がある。メニューは?あきれる…浴室に散らばっていたタオルに書かれている。やっと注文完了。次にサービング段階に入ればさらに呆れはてる。コーヒーとパンが浴室に転がっている「桶」に入って出てくる。カフェの話はここまで。次は展示・公演空間だ。

これはもっとひねくれている。湯船のあったところとボイラー室、風呂屋の主人が住んでいた家などがすべて展示・公演空間として使用されているからだ。テーマも自由奔放そのもの。ある時はパントマイム、ある時は演劇。観客参加型のアート展示もよく行われる。毎回、すべての世代に合ったコンテンツだ。とうぜんSNSでは「認証ショット」のホットプレース。評価も絶賛一色。 「新しいヒッププレース」という感嘆から、「湯船以外にも隠れた空間を見つける楽しさがある」「私が思ってた風呂屋の、隠された話を見るようにおもしろい」という後記までさまざまだ。この空間を作った文化芸術コンテンツ企画会社「祝祭惑星」のソ・サンヒョク代表が人気の秘訣を解く。 「『応答せよ1988』の香水のようなもの。いつも何気なく前を通った昔の風呂屋が、いまや容易には見られない思い出の場所に化けたからではないか」と。

2.梨泰院(イテウォン)のトンネ風呂屋「オンヌセジャメ」

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  • ①梨泰院の風呂屋カフェとして有名な「オンヌセジャメ」。
    皿の左側に見えるパンがこの「風呂屋バケットリスト」のモンブラン。



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  • ③イテウォン「オンヌセジャメ」全景。



流行のホットスポット梨泰院にも「トンネ風呂屋」が頑張っている。 「梨泰院銭湯カフェ」と呼ばれる漢南洞「オンヌセジャメ」だ。最近、インスタでオンヌセジャメを知らなければ間諜(スパイ)だ。まずは名前の誤解から解こう。「セジャメ(三人姉妹)」ではない。つまり「on ne sait jamais」。フランス語で「誰も知らないよ」という意味だ。オンヌセジャメは厳密に言えば風呂屋ではない。一般的な店舗を風呂屋の雰囲気が出るように改造したものだ。ああ、しかし行ってみると口をぽかんとさせられる。緑のタイルにつつましく見える直角構造。そのまん中には桶でみんながすくって使う湯船まで、その昔の風呂屋そのままだ。側面は枠無しの窓。オープン型空間なので外からでも中が丸見えで、通りすがりの人々がみな足を止めてカメラのシャッターを押す。そうするうちに惹かれて入ってくる。昔の風呂屋の魅力だ。

コーヒーの値も良心的だ。 4000ウォン台。昔の風呂屋で卵焼きを食べたように、ここで必ず味わうべきはケーキだ。「李盛堂(イソンダン)」のアンパンと同じくらい有名なのがオリジナル「モンブラン」。風呂屋で温かいコーヒーを飲んで、あまいモンブランを食べるという雰囲気で連日満員だ。 SNSには一日と置かず「#風呂屋カフェ」というハッシュタグと訪問後記が連なる。この雰囲気を文章で表現したコメント。「知らない人と湯につかってコーヒーを飲む気持ち」。それはどんなものかって?申しわけありませんが、秘密。直接行って感じてみてください。

3.春川のトンネ風呂屋「焼き肉を味わうブロッコリー」

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  • ④春川「焼き肉を味わうブロッコリー」。あんま湯にかまどがさもおいしそうに入っている。



ほんとうだ。話にならない。ぽかんとするだけだ。 「シャワーを浴びて入ってください」。その昔の古い風呂屋にあった、昔の注意書きまでそのまま張り付けてある。ないのは湯船の中にほかほかとあふれる湯。湯がカラになったその場所に、肉を焼く丸いかまどが置かれている。椅子もよく見ると青いプラスチック。つまり風呂屋ではなくコギチプ(焼肉屋)だ。焼肉屋らしく「ルーム」もある。静かに仲間内で焼き肉を楽しむことができるルーム、それが「玉サウナ」であり「黄土サウナ」だ。タオル一枚を巻き付けて汗を流したトンネ風呂屋、その砂時計たった一つだけが置かれていた空間が「ルーム」というわけだ。こういうわけだから、素晴らしいとしか…。

オンラインでまず有名になってモバイルで広まった後、人気集めに乗り出した春川の銭湯焼肉屋「焼き肉を味わうブロッコリー」。雰囲気そのままに、ここでは比較的最近に建てられた風呂屋を、そのまま焼肉屋として使っている。 「冷水風呂」から「マッサージ湯」「あんま湯」まで、ざぶざぶとあふれていた「湯」の代わりにテーブルと簡易椅子がぎっしりと並んでいる。これで大当たりになった。風呂屋で誰が肉を焼いて食べるのかという予想とは異なり、風呂屋で肉を焼いて食べる旅行族が集まり始めたのだ。とうぜん最近のSNSでは「春川で必見」1位に選ばれる認証ショットスポットとして浮かんだ。短いコメントを一つ。 「風呂屋なのでちょっと気になったけど、むしろタイル張りの床なのできれいに掃除されてるみたい」。

■ 「逆転の発想」風呂屋のリスト

1. ソウル市鍾路区桂洞「中央湯(チュンアンタン)」

築50年を超えた鍾路区桂洞(ケドン)の「中央湯」。 2016年にメガネブランド「ジェントルモンスター」店に変わった後、テバク(大当たり)となった。どれくらいトレンディなのかというと、旅行者が必ず立ち寄る名所になったほど。当時、弘大入口・新沙洞・ノンヒョン洞に店舗を持っていたジェントルモンスターは、第4の店舗として感性的イメージを持った空間を探していたところ、中央湯がなくなるという知らせで店をここに設けたという。

2. 全羅北道群山「永和沐浴湯(ヨンファモギョクタン)」

全羅北道群山市、近代歴史博物館前の築48年の「永和沐浴湯」。 2015年に「イダン美術館(YIDANG ART HOUSE)」に変貌したところだ。キュレーターのキム・ブシク氏は「群山の永和洞(ヨンファドン)はさいきん近代歴史文化的として再照明され、年間約3万人が訪れるほどのホットスポットになった」とし、「風呂屋が美術館に変わったのが不思議だと、わざわざ訪ねてくる人もかなり多い」と言うほどだ。

3. 釜山市甘川文化村「健康湯(コンガンタン)」

壁画村として有名な甘川洞(カムチョンドン)には「健康湯」がある。あ、「テミリ(垢すり)に行く」などというと大変なことになる。健康湯がカフェとギャラリーに変わったのが2012年8月だから。風呂屋がカフェやギャラリーに姿を変えた後、甘川文化村の名所として定着した。とうぜんSNSで最高のホットスポットとしてあげられる。
  • 毎日経済_シン・イクス旅行・レジャー専門記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-02-03 05:19:56




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