二人は研究所の同僚からオフィスを飾る美術作品を頼まれて、横になっている女性のヌード写真一枚をコンピュータにスキャンして画像を再構成した。オリジナルの写真はベル研究所の同僚エンジニアのマックス・マシューズ(Max Mathews)が撮影した振付師のデボラ・ヘイ(Deborah Hay)の姿だった。この作品は1960年代にニューヨークで活動した芸術家とエンジニアの協業体「E.A.T(Experiments in Art and Technology)」の記者会見で発表された。1966年にアーティストのロバート・ローゼンバーグ(Robert Rauschenberg)とロバート・ホイットマン(Robert Whitman)、ベル研究所のエンジニアであるビリー・クリュバー(Billy Klüver)とフレッド・バルトハウアー(Fred Waldhauer)を主軸に設立された非営利団体だ。この団体の作品33点とアーカイブ100点あまりを展示した「芸術と技術の実験(E.A.T):また別の始まり」展が9月16日まで開かれる。