「マスクアルリミ」で話題…イ・ドゥヒ「LIKELION」代表


  • 「マスクアルリミ(マスクお知らせ)」アプリで有名になった「LIKELION」社のイ・ドゥヒ代表が、自分のラップトップコンピュータの前でカメラのレンズを見つめている。 キム・ジェフン記者



世の中のすべてのことに情報技術(IT)が適用されるといっても過言ではない時代だ。最近では「コロナ19」が拡散するやいなやロケーション基盤のサービスを土台に、マスクを販売しているところをチェックしてくれるサービスが大きな反響を呼ぶこともあった。このようなことが積もり重なれば、すべての人がコーディング(コンピュータ言語でプログラムを作成すること)を学ばなければならないという声も次第に力を得たりもする。

しかし「コロナ19アルリミサービス」を支援したプログラマのイ・ドゥヒ氏(37)の考えは違う。地下鉄2号線三成駅近くの自宅を改造して作ったプログラミング教育団体「LIKELION」で会ったイ・ドゥヒ氏は、すべての人がコーディング教育を受けなければならないという主張に首を横に振った。イ・ドゥヒ氏はソウル大に在学していた2006年、母校の電算院をハッキングする方式でセキュリティの問題を指摘したり、講義評価サイトを作った「天才ハッカー」として名を得ることができたが、振り返ってみるとけっきょく必要性を感じている人がコンピュータを学べば充分だと主張する。むしろコンピュータのモニタを見るために小部屋にこもる代わりに、周辺と世界を見回してこそより良いサービスを作ることができるという同氏の話を聞いてみると、芸能番組に出演する開発者になり、MERS(マーズ)とコロナ19などの伝染病事態が爆発するたびに、地図サービスを作成して公開していた彼の動きが少しずつ理解でき始めた。

- 最初にコンピュータに興味を持つようになったきっかけは何だろうか?

△ 高校時代に『ディアブロ』にハマッて「ヤジャ時間(夜間自律学習時間)」に没頭して…ゲームはかなりやったけれど、コンピュータにはそれほど大きな興味を感じたわけではない。入試の成功方程式が確固とした私たちの現実で、高校の時はコンピュータを勉強すれば良い大学に行けるかもしれない。コンピュータよりも物理に興味を感じたけれど、数学と物理学の土壌が小さな国だから、基礎科学に専攻を選ぶと飢え死にするというウワサが怖くて、早い時間内に結果を出すことができる工学を選んだ。高3の頃にはそれほど進路を検討しなかったが、浪人暮らしをしながら建築・造船・原子力などの分野をさまざまに悩んだ末に、コンピュータが短期間に多くの試みができる工学分野だとの結論を下した。船を一隻造るには5年ほどかかるけど、簡単なプログラムなら2時間ほどで作れるから。それにまたコンピュータを学んでおけば他の学問との融合にも有利で、飢え死にはしないだろうと考えた。

- ではソウル大学のコンピューター工学に入学したとき、コーディングとハッキングなどがうまかったわけではない?

△ まったくない。大学1・2年生の時は、子供の頃からコンピュータに狂って特別選考で入学してきた友達が単位をかっさらっていた。原子力工学を選択したなら、家に原子炉のある人はいないから成績は似たようなものだったろうけれど、コンピュータはみんな持っているので差が大きかった。僕は下の方にいたが、飯をおごるから課題を写させてくれと言って…そうするうちにひっかかってひどい成績をもらった学生だった。僕の進むべき道ではないようなので経営学部に転科しようとしたが、成績が悪くて失敗した。修学能力試験を再度受けたりもしたけど、みんなすっかり忘れていて、数学だけが40点台だった。コンピュータを勉強したのはしかたなくはじめたわけ。

- それでも学生時代「天才ハッカー」として大きな関心を受けた。

△ 集中して勉強しているときに学校の電算院サイトを見たところ、偶然に抜け穴を発見した。システムを修正して欲しいと3回ほど訪問したけれど、学期が終わろうとするころになっても修正しない。ところが偶然出会った記者の方にこの話をすることになって、それが記事になった。ソウル大のサイトのセキュリティが手薄である例として、キム・テヒの写真も出たわけ。いったん「李某氏」で記事が出るには出たがすぐにサイトが修正されて、この事実が周囲に知られてとつぜんコンピュータの天才だという噂がでてしまった。依然として成績は「底」なのにね。「教授評価サイト」はその後のことだ。 300万ウォンをこえる授業料を出したのに紙の冊子で作られた受講便覧だけで…授業の情報をきちんと知ることができないことにイライラし、総学生会を一種の隠れ蓑にみたてて開発に入った。開発費用として100万ウォンをもらったけれど、サーバー費を考えると無料で開発したようなものだ。学生たちは講義評価をきちんと知ることができるのですごく喜んでくれたが、学校側は負担を感じた。校内でサーバーに向かうトラフィックをブロックしたり、指導教授に呼ばれて厳しく叱責されたりもした。フィルタリングできない評価に、教授たちもかなりストレスを受けたわけ。そのときは僕の作業に感謝する人も多かったが、生きてきて初めてアンチも経験した。僕のやったことや僕を嫌う人々が気になって、一週間ほどはしっかり眠れなかった。

- 周辺に大きな変化を与えながら、コーディングに対する独自の視点も生じたようだが?

△ 世の中とコミュニケーションする方法そのものだと思う。コンピュータをいくら利用してもあまり使わないコードには意味がないが、学部生が書いた基礎的なコードであっても使い道がある場合は良いコードだ。さらには実生活への適用が速い。例えば物理学でいくら良い発見が出てきて既存の理論をひっくり返しても、すぐさま生活に変化はないことが多い。しかしコンピュータはそうではない。講義の評価サイトを作ったときは取るに足りない僕の実力でも天才という声を聞いたし、2万人に影響を与えることができたじゃないか。「三斗の珠もつないでこそ宝」という言葉がぴったり当てはまる分野だった。

- 後に芸能番組に出演し、ゲームMCN会社コンドゥカンパニーも設立するなど、さまざまな活動を展開した。

△ 物理学に興味があったがコンピュータを選んだように、最初はいったん大企業に行くべきだという考えがあった。ところが大企業の面接に行くときに雨が降ったので半ズボンをはいて行ったら、警備のおじさんが半ズボンでは出入りできないと。他の女性職員は半ズボンを着て入るけれど。ちょっともめたあげく、けっきょく面接官がズボンを持って来てくれて面接も終えて合格もしたが、ここが僕の居場所だろうかと疑問を持つようになり、他の活動をすることになった。『The Genius(ザ・ジーニアス )シーズン1』を見たらとても面白くて、要求を受けた後に快く出演することにしたわけだけど、芸能人からさまざまな分野の人々に会って、どのように生きてきたのか聞くのが本当におもしろかった。そこで出会ったプロゲーマーのホン・ジンホ氏と親しくしなって、ゲーマーたちに対するマニア層がすごく厚いわりには産業の規模は比較的小さいと感じてコンドゥカンパニーも作った。人と会って酒を飲んで遊んで消費的な活動をするよりも、プロゲーマーの権益を整えて、産業的にも大きくできる生産的な活動をしたかった。その後、ジンホ氏は放送活動を行い、僕はコーディング教育を行いつつ他の人にまかせて出てきたけれど、機会があればまたやってみようという話もしばしばしている。

- 活動の中で最も魅力的なのがどうしてもコーディング教育をする 「LIKELION」のようだ。MERSの時、そして最近のコロナ19危機の時に「おしゃれライオン」出身者たちが話題になった。

△ いまは授業が有料化もされてオンラインプラットフォームも作っているが、最初はほとんど無料に近い方式だった。コーディングのニーズは引き続き拡大していて、コーディング教育もそれに応じて発展するだろうと考えて始めたが、これを通じてできたサービスが素晴らしくて、当初思ったよりも本格的に長く続けることになった。今回「コロナアルリミ」を作った人たちのコーディングスキルはまだ赤ちゃんレベルだろうけど、彼らが作った地図は1000万~2000万人が見るサービスになった。世の中が望むポイントだけをつかめばいい。技術はその次の作業を助けるだけだ。コンピュータを専攻する人は逆の場合がある。サービスが優先なのに、例えばブロックチェーンのように技術が先に出てきて、その技術をベースにしたサービスを後からくっつけようとするから副作用が生じるわけだ。

- よしんば社会貢献を離れても「LIKELION」出身のスタートアップが業界で成長しているが。

△ カード推薦サービスの「バンクサラダ」が作られたときに技術パートを担当した学生がLIKELION出身であり、またそれを見ながら別のLIKELION出身の学生がサッカー界で最近ホットな記録管理サービス「bepro(ビプロ)」も作った。LIKELIONにはまず結果を出してみようという文化がある。コーディングの勉強はあまりせずに作りたいものを作り、作りたいものが無ければやらなくても良いという雰囲気だ。例えば外国にも行かないだろうし業務にも必要ない場合は英語の勉強も何もせず、その時間にピアノを学ぶのがもっと気分が良いんじゃないだろうか。コーディングも同じだ。その意味で小学生にコーディングを教える最近の雰囲気は本当に間違っていると思う。問題意識がない状態でコーディングを学んでも、それほど価値はないだろう。小学校でコーディングに関する講演をしてほしいという要請もひんぱんに来るが、そういうことは避けている。その時間に遊んで社会性を育てるのが、将来の生活を豊かにすると思う。 7歳からコンピュータを買ってもらってワードの資格も取りながら、まともに使えない人がどれほど多いか。僕も22歳から本格的にコーディングを始めた。そのうえコンピュータは急速に発展していて、いま学んでみたところでまた別のコンピュータ技術が出てくる。大学の同期が幼い時にApple 2で勉強したと言っていたが、今のスマートフォンはもちろん冷蔵庫の中に入るCPUよりも遅い。いまの子供たちがiPadを楽しみながら大人になって、 「これでどうやって遊んだのだろう」と驚くかもしれない。

- 今後は「LIKELION」を通じて達成したい目標は何だろう?

△ 最終目標はコンピュータを学問的に考えない意識を拡散させたい。大学でコンピュータを教えない社会を作りたい。哲学、人文科学、数学、物理学…このようなことが大学でやるべき研究だ。コンピュータはいくら学んでも5年経過するとリセット、10年経つと役に立たない技術となる。実際に、僕が学校に通う時に学んだ暗号や人工知能などの内容は、現在では使われてもいない。もちろん本当に高いレベルを研究するエンジニアも必要だが、そのような部分は学校ではなくカンファレンスや開発者のコミュニティ、各企業がもっと重要な役割を果たしていると思う。一般的な学生は自分の専攻を別に持って勉強をして、問題を感じたときに解決するためにコーディングを学んでも良い。知識伝達のチャンネルを変えて、世の中に良い影響をさらに広く大きくすることができたらいいね。

- コーディング入門者や専攻者に語りたいことがあれば。

△ コーディングを学ぶよりも、まず周辺を見なければならない。自分が感じた問題をコーディングで解くことができる状況を探して学習を開始すると、他の人が1年かかることをひと月で学べる。「コロナアルリミ」を作った人を見れば徹夜して勉強して身につけ、実際にやってみるとビッグデータに関連した内容を迅速に学ぶ。英語を学ぶとき、外国人のガールフレンドに会えばケンカして愛して…会話するために英語を急速に学ぶことと同じだ。

▲ He is ...

1983年生まれでソウル大学コンピューター工学科に進学し、コンピュータに目を覚ました。ソウル大システムのセキュリティの問題を指摘するためにハッキングを行い、ソウル大の講義評価のホームページ「スヌーカーイブ」を作成して自分の能力を証明した後、博士課程を中退した。『ザジーニアス』に出演して親しくなったプロゲーマーのホン・ジンホ氏とeスポーツMCNのコンドゥカンパニー(現スチールエイト)を設立し、ネオウィズ、クラスティングなどで働いた。現在はコーディングの教育団体であるLIKELIONの運営に注力している。またアイドル出身のジスクさんと恋愛をして『うらやましければ負けることだ』に出演して大衆の関心も受けている。
  • 毎日経済_イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-04-17 19:35:09