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パク・チャヌク監督の新作「別れる決心」、上映後8分間の起立拍手 192か国で販売


  • パク・チャヌク監督の新作「別れる決心」、上映後8分間の起立拍手 192か国で販売
  • フランスのカンヌ・リュミエール大劇場で映画『別れる決心』の上映直後、観客たちがパク・チャヌク監督に向かって起立拍手を送っている。前列左から俳優のパク・ヘイル、パク・チャヌク監督、女優の湯唯(タン・ウェイ)、イ・ミギョンCJ副会長。[キム・ユテ記者]



愛し合った直後の廃墟は普通引き潮が抜けた空席の喪失感で隠喩されたりもした。しかし沿岸に満ち溢れ始めた海水、果てしない満ち潮で構成された満潮も凶夢のように悲劇的になりうるだろうか。「いっぱいになるほど空虚だ」という反語法的絶叫が聞こえる現代版悲劇。今年のカンヌ映画祭競争部門の進出作でありパク・チャヌク監督の11番目の長編映画『別れる決心』の結末の話だ。

新作『別れる決心』がカンヌ映画祭が開催中のフランスのパレ・デ・フェスティバルのリュミエール大劇場で23日(現地時間)、初めて姿を現した。リュミエール劇場1階O列31番席に座って新作『別れる決心』をあらかじめ観覧した。「カンヌ・パク」というニックネームがついて回るパク監督と湯唯、パク・ヘイル俳優が大きな拍手の中で入場した後、劇場の電気が消え完全な暗転を遂げてから話は始まった。

「2時間18分のランニングタイムが「1時間78分」と記憶されることを願う」という前日のパク監督の伝言のように映画は速度と呼吸調節などなく観客の感情を左右した。

岩山の頂上から1人の男性が落ちて即死する。刑事チャン・ヘジュン(パク・ヘイル)は有力な被疑者である亡者の妻ソン・ソレ(湯唯)が取り調べ室でいつもくすくす笑っていた姿が気になる。普段はためらいのない性格だが、ヘジュンは妻の内助にもソレの存在を深く意識する。一方では疑いの目で、もう片方では欲望のレンズをつけながらも結局、ソレの無罪を確信するに至る。ソレは依然として悲しみの気配がなく、その横でヘジュンは「徐々に染まる悲しみもある」としてソレをなだめる。

時間が流れてヘジュンが何か間違ったと確信する頃、2人の関係は破局を迎える。ここまでがおおよそランニングタイム1時間余り。映画は道を外れた恋人の運命を再会させ衝撃的な2回目の幕を準備する。残りの1時間のサスペンスでヘジュンはソレの束縛から抜け出したが、1時間に47回も覚める不眠症に苦しんでいた。ヘジュンが引っ越した場所に突然ソレが登場する。問題は、ソレの新しい夫がまた死亡したということだ。管轄区域で、ある女性が「2人の夫」を失ったという事実、そしてそれが意図であり信号に違いないという事実にヘジュンは沈潜する。そんな中で違う点は今回はソレのアリバイが不確実だという点だ。ヘジュンの判断とは異なりソレにはさらに大きな秘密が隠されていた。2人の関係は完全に崩れるが、もう2人に戻る場所はない。

ベッドシーンがなくても湯唯とパク・ヘイルが積む愛のストーリーは反語と後悔でいっぱいになるほど悲劇的だ。特に映画は最後の10分余りの場面と設定に全力を尽くす気配を見せるが、湯唯が「自ら消える」方法は驚愕しながらも事前に予告されたような幻覚に捕らわれるほど魅力的だ。この地点に海辺が登場しパク・ヘイルが暗くなる海岸でしきりに倒れる姿は不在の恐怖を喚起させる。パク・チャヌク流の「自殺の想像力」は魅惑とタブーという二重性の美学をそのまま盛り込む。

上映が終わって明かりがついたリュミエール劇場では8分間の起立拍手が続いた。外信の反応も熱い。ドイツの配給会社コーチ・フィルムのモーリス・ピーターズは「断然、パク・チャヌクの作品の中で最高だ。細かい層とディテールな感情線が長い余韻を与え、引き続き作品を思い出させる」とし、英米圏配給会社Mubiのケイト・ケインは「もう1つのマスターピース(傑作)が誕生した」と評した。CJグループのイ・ミギョン副会長がパク監督のそばで映画を観覧し賛辞を送り今回のカンヌ映画祭で『Hunt』で監督としてデビューし世界的な注目を集めたイ・ジョンジェ俳優も同席した。

パク監督は上映翌日の午前、グローバル記者会見で「愛は人間が結ぶことができる関係の中で人間が何かを最もよく見せる、人間という種族が何かを最もよく見せること」と話した。特にパク監督の映画の特徴である「暴力と情事」が出てこない点については「何かが出てくれば出てきたことについて尋ねなければならないが、出てこなかったことについて尋ねるのか」として笑った。

女優の湯唯はパク監督の映画に出演を決心した契機について「パク監督を本当に愛するためだ。この席が本当に胸が震える。私を完全に作ってくれる方」と打ち明けた。パク監督はこの言葉を聞いて、「湯唯にそのまま同じ言葉を返したい。反射」と話し笑いを誘った。パク・ヘイルは「パク監督の映画に出演したのが、まだ信じられないほど幸運だと思う。パク監督の絵の中でチャン・ヘジュンという人物の感情を私を通じてどのように見せるべきか悩んだ」と打ち明けた。

映画は好評を得て全世界192か国で販売された。
  • 毎日経済 | カンヌ=キム・ユテ記者
  • 入力 2022-05-24 17:23:13