小さな「女性たち」の反乱、レトロの感動が押し寄せてくる

◆ City Life 第449号…STAR TAP ①/⑤ 

先週末、ソウル江南のある公演会場は、30~40代の中年男性でいっぱいだった。見慣れない光景だと思ったが、ここもそこも若いおじさんたちでいっぱいだった。しかし、公演が始まると状況は急反転した。コンサートが全盛期をなしていた80年代の会場の雰囲気がそのまま蘇るようだった。楽しく流れてくる音楽に既に青年となった彼らは熱狂し、狭い客席をフロアにして、以前のようにはいかない体まで振りながら、我を忘れていた。会場は二時間の間、80年代のディスコを思わせるほどに熱くなった。

この日の公演の主人公は、レトロミュージックで武装した女性3人組グループのバーバーレッツ(The Barberettes)だった​​。 「神秘主義のガールズグループ」として自分を紹介したバーバーレッツはこの日、韓国公演史のもう一つの歴史を作り上げるような「非常な」の兆しを見せてくれた。結成されてから2年目に正規アルバムを発表し、大小の公演の舞台を一つ一つ踏んで行っているバーバーレッツはこの日、「本当に新人なのか」と思うほど、多くの観客を動員し、彼らを熱狂させた。少し言い過ぎかもしれないが、1964年のビートルズの「アメリカ侵攻」が浮かぶ瞬間だった。2014年現在、改めてレトロで武装した彼女たちの音楽は明らかにうまく通じている。

レトロ(Retro)はレトロ主義を志向する、ひとつの流行、ファッションスタイルだ。「回想、回顧、思い出」という意味の英語「Retrospect」の略で、昔の状態に戻ったり、過去のシステム、伝統などを恋しがり、それを真似しようとすることをいう(出典:ウィキペディア)。

最近の歌謡界にはヒーリングを伴ったレトロブームが徐々に吹き込んでいる。アイドル歌手のIUがチョ・ドクベ、サンウルリム(こだま)、キム・ワンソン、キム・グァンソクなどの歌を歌った「花しおり」というリメイクアルバムを発表してレトロブームに火をつけ、10年近くアルバムを発表していなかったイ・スンファン、イ・ソラ、godなどが新しい音楽で歌謡界に復帰、レトロの帰還を知らせた。また、アイドルグループのB2Bさえ「君は感動だ」というレトロサウンドの新曲を発表し、若い音楽ファンにレトロ音楽の魅力を披露している。

これまで、レトロが歌謡界のキーワードであり、トレンドとして登場したのは一度や二度ではない。しかし、最近のレトロブームは単に復活やリメイクを超えて新しい創作で武装するという点で、これまでのレトロと明らかに異なる点を示す。このようにレトロ風を導くバーバーレッツの音楽と活動だけで今の時代のトレンドを規定して説明することは多少無理があるかもしれないが、彼女たちが音楽で指向するところや、活動を見てみると、単純な回帰としてのレトロ以上の水準で、新しい音楽的トレンドに発展する可能性が高いと思われる。これは、過去の一時期、歌謡界にビッグイシューを巻き起こした、女性グループビックママやバブルシスターズのシンドロームとは別の、新しい「スター誕生」を意味する。それだけバーバーレッツが今韓国歌謡界に投げるメッセージは大きいといえる。彼女たちは、バーバーレッツという名前で発表された音楽だけで大衆を圧倒しているが、まるでミュージカル一本を見るような公演は、近いうちに公演界の新しいシンドロームを引き起こすと思われる。

より若くなったレトロ、新しい創作が加味されたレトロに中年ファンはもちろん、10代と20代の若いファンたちの感性までひきつけている。2014年の歌謡界のレトロブームは低迷した社会の雰囲気と相まって、当分のあいだ続くものと見られる。以前のレトロと明確に違う姿を見せてくれている「しっかりと年を取った神秘主義のお姉さんガールズグループ」「時間旅行ガールズグループ」バーバーレッツの急浮上で、セクシーコード中心のアイドルダンス音楽に代わる、人の感性に触れるヒーリング歌謡が大勢を占めるだろうという慎重な見方も出ている。
  • Citylife 第449号(14.10.21付)
  • 入力 2014-10-21 10:18:37