チョン・ドヨン、「才気溢れる新人監督と仕事がしたい」


女優チョン・ドヨン(45)は才気溌剌とした新人監督との作業を求めていた。やはり今も満足を知らない演技者だ。

世界3大映画祭のひとつであるカンヌの女王となり、すでに4回目のカンヌからの招待を受けたのだから作品性のある作品だけを選んでいるのではないかという視線もある。しかし強く反旗を掲げる。むしろ明るく、愉快なコメディ気運があふれる作品を望む。新人監督のラブコールも歓迎だ。「新人監督たちの才気溢れる作品が最近は多い」と好感を示した。しかし、まだチョン・ドヨンを満足させるシナリオを持って挑戦した監督はいないようだ。

「やはり皆さんにすると私が先輩でもあり、『カンヌにも行ってきて、作品性のある映画だけ好きなのではないか』と考えられるようです。まったくそんなことはないのに(笑)」

チョン・ドヨンは「人々が私を気難しく怖く見ることもあります。けれどキム・ナムギルやコン・ユのような俳優たちは私のキャラクターが面白いと言ってくれます」とし、「キム・ナムギルの場合、自分と『必ずコメディをやりましょう』と言うんです」と笑った。本人が「反転のある女性」という説明と共にだ。

新人監督たちと仕事をしたいと言ったが、映画『無頼漢』の公開前の公式広報の場で、オ・スンウク監督が「チョン・ドヨンからたくさん怒られた」と公開されて大衆の関心を受けた。15年ぶりに再び映画界に戻ってきた監督を怒ったとは、誤解されるだけの発言だった。もちろん、言葉通りに誤解だった。

「現場で監督が毎回、『これが私の人生最後の撮影だ』とか『いつまた私が映画を撮影できるだろうか?』と仰るんです。だから何か言い返したのですが、怒られたと表現していたんです。実際にはそんなことを仰ることが胸が苦しかったんです。今回カンヌの招待を受けたというニュースを聞いたときに監督へ『次の映画を撮影できるようになりましたよ!』とお祝いの連絡を差し上げました(笑)」

事実、オ・スンウク監督はチョン・ドヨンに多く頼った。真実を隠した刑事ジェゴン(キム・ナムギル扮)と、嘘だと信じたい殺人者の恋人ヘギョン(チョン・ドヨン扮)、二人の男女の避けることのできない感情を描いた映画『無頼漢』は寝かせていたシナリオが再誕生した映画でもあり、制作遅延も続いた。俳優イ・ジョンジェが男性主人公としてキャスティングされたが、映画撮影中に負傷して降板した。チョン・ドヨンもスケジュールにより伸ばしに伸ばして確定させたが、イ・ジョンジェが降板することになり、そのまま待機せねばならなかった。

オ監督の最初のシナリオにはヘギョンのキャラクターも注目度が高くない。チョン・ドヨンの言葉を借りれば、「キム・ヘギョンは乾いた女として描かれていた」という。女性の感情とスタイルについて、チョン・ドヨンが意見を言い、監督と話し合ってヘギョンは息をすることになった。男の映画としてのみ見ることもできる作品がバランスを合わせることになった。

チョン・ドヨンは「キャラクターを立体化させ、理解させたい欲心がありました」と積極的に自身の意見を明かした理由を話した。また、「男性的な映画の中にある恋愛要素がとても魅力的でした」とし、「その中でヘギョンが人々とどうやってぶつかり、生き残ったのかを重点的に見せたかった」と強調した。シナリオ初稿に比べて見なくてもチョン・ドヨンが欲心を出して立体化させたキャラクターがスクリーンの中にしっかり生きているだろうと予想できた。

チョン・ドヨンはキム・ナムギルとの呼吸にも満足した。実際、最初の頃は疑った。キム・ナムギルが現場で過度に冗談を言うような姿であったためだ。しかし、撮影に入り、演技をすれば変わった。

「ジェゴン役がキム・ナムギルという俳優が演技すれば新しいキャラクターになるようでした。男の中の男のようなジェゴンが子供または少年のような姿で、保護本能をくすぐる姿などで立体的で多様化されたと思います。そんな多様な魅力に影響を受けて、ヘギョンが恋に落ちたのではないかと思います(笑)」

『無頼漢』の中の二人は互いを想いあっているようだが、簡単には答えを与えてくれない。最後のシーンでもその答えを知ることは容易ではない。しかし、チョン・ドヨンは「二人の気持ちは明らかに愛だと感じた」と断言した。ただ、二人が疎通する方法を知らなかっただけだ。チョン・ドヨンは男チョン・ジェゴンを「とても馬鹿みたい。不足した男のようだった」と残念がった。もちろん映画的には満足している。観客たちがいくつかのポイントを感じて満足したら、という願いだ。

今年、カンヌ映画祭にて「ある視点」部門で招待を受け、チョン・ドヨンのカンヌ訪問はすでに4回目。今回もカンヌをしっかり楽しむことができずに帰ってきた。昨年、審査委員として訪問した際、ラーメンだけを食べて審査をせねばならず、「ホテルに帰ってきて、こんな風に人を酷使してもいいのか」と泣いたという。

今年も忙しかった。通しでは4~5時間程度しか眠れず、ルームサービスとマネージャーが韓国から持ってきた食事を食べねばならなかった。幸いにも「韓国の記者たちとカンヌの海辺でインタビューし、一度砂浜を踏んだ」と楽しんだ。質素だ。まだ真剣なジャンルの映画が数本公開を控えているが、しばらくしたら愉快で素朴な作品の中のチョン・ドヨンに出会えるかもしれない。
  • スタートゥデイ チン・ヒョンチョル記者/写真=カン・ヨングク記者
  • 入力 2015-05-28 08:01:02