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エンタメ > TV・映画 > 「また!?オ・ヘヨン」ソ・ヒョンジン、惨めな女の狂った怒りの収め方
▶ この記事にはドラマ本編の内容の一部が含まれています。
tvN月火ドラマ『また!?オ・ヘヨン』はロマンチックとコメディを行き来しながらも、主人公ソ・ヒョンジンの惨めな姿をこれでもかと描き続け、サイコドラマなのではないかという疑問さえ呼び起こす。自分を愛さないという理由で世界のすべての人々が死ぬことを望んだり、片思いの男性に向かって毒舌を吐くなど、普通の人たちは我慢して無視するようなことを、よどみなく外の世界へと表出する。
このような、少し大げさな設定にも『また!?オ・ヘヨン』シンドロームの勢いが止まらないのは、理性という枠組みを捨てて、一度は本能のままに生きてみたいという、この時代の普通の男女の願いを満たしてくれるからだ。
去る6日、11話でオ・ヘヨン(ソ・ヒョンジン扮)は、自分の結婚を破たんに導いた主犯がパク・ドギョン(エリック扮)であることを知ってショックを受け、もう1人のオ・ヘヨン(チョン・ヘビン扮)を訪ねて行き、いきなり殴って嗚咽した。また、パク・ドギョンには人々が見ている前で自分にひざまずいて許しを乞えと叫んだ。
愛していただけに大きかった裏切りに対するショックと悲しみの深さは理解できるが、何も知らないオ・ヘヨンを殴ったり、変な化粧をして道の真ん中に立って男にひざまずけと大声をあげる状況は理性を重視する社会では、異常な行動でしかない。
このように、突発的な行動をためらわないオ・ヘヨンのとんでもない行動にも、11話の視聴率は9.022%と、10%台に迫った。
ソ・ヒョンジンは、自分の感情に素直である以上に、ストーカーのように見えるほど過激だ。学校などの団体生活では同名の友人に出会うこともある。そして有能な友人に気後れすることもよくあることだ。すべての人がこのような理由で特定の人を恨んだりはしない。
しかし、このドラマを見ていると、社会の一員として生きていくために、本能よりも理性だけを抱いて生きている自分の姿と向き合うことになる。『また!?オ・ヘヨン』が胸の深くに押し込めてきた怒りという感情を一度は外に取り出して見てはどうかと勧めているように感じる。
檻の中に閉じ込められて、本能さえ退化してしまった動物園の中の野生動物のように、私たちは賢明だから怒りを抑えているのではなく、怒りを表出する能力を忘れてしまったのではないかと自問することになる。