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「W」、この狂ったドラマの本当の主人公はチョン・デユンPD

「W」初期診断② 

  • 「W」、この狂ったドラマの本当の主人公はチョン・デユンPD
MBCの新しい水木ドラマ『W』の勢いが尋常ではない。3回目に同時間帯1位となり、視聴率10%台を超えた。もちろんイ・ジョンソクとハン・ヒョジュの演技とソン・ジェジョン作家の「狂った筆力」が「興行」を導いた要因であるが、その前に、この「狂ったドラマ」を作った本当の主人公に注目する必要がある。まさにチョン・デユンPDだ。

『W』は、現実の世界の新米女医オ・ヨンジュ(ハン・ヒョジュ扮)が偶然にも人気絶頂のウェブトゥーン(ウェブ漫画)「W」に吸い込まれて、主人公カン・チョル(イ・ジョンソク扮)に会ってロマンスが芽生えて、さまざまな事件が起こるドラマだ。ドラマの主演であるハン・ヒョジュは『W』を介して6年ぶりにテレビドラマに出演することになり、韓流スターのイ・ジョンソクもまた、国内ドラマの舞台は2015年初めの『ピノキオ』以来、約1年6カ月ぶりの復帰だ。

ドラマは『ナイン~9回の時間旅行~』『イニョン王妃の男』など、「タイムスリップ」素材を自在に扱うソン・ジェジョン作家が執筆を引き受けて、洗練されていて斬新なストーリーラインを誇る。「ドラマは作家が左右する」という言葉があるように、『W』はまた、膨大な世界観の確立、現実とウェブトゥーンの間を行き来する緻密な装置などを脚本に盛り込んだソン・ジェジョン作家の力が大きい。

しかし、このドラマを通じて、必ずチョン・デユンPDに注目する必要がある。明らかに『W』は良い作品だが、ウェブトゥーンと現実を出入りして、劇中でカン・チョル(イ・ジョンソク扮)がよく言うように、「脈絡なしに」繰り広げられるエピソードが交差するなど、ややもすると難解といえる要素が多分にある。『W』が放映される前、多くの人が懸念していた理由も「次元移動」という、ドラマではなかなか扱われてこなかった素材が登場するからだ。

このように「ややもすると理解することができない」、複雑なストーリーを視聴者に理解させるのは、どこまでもチョン・デユンPDの役割だった。主人公たちがウェブトゥーンと現実を行き来するシーンのように形状化させることができない抽象的な場面もチョン・デユンPDは映像で再現した。必ず必要な部分では、精一杯ディテールを生かし、迅速な展開が必要な時は果敢にテンポを上げた。

チョン・デユンPDの前作『彼女は綺麗だった』でも、彼の実力はよく表れていた。『彼女は綺麗だった』は、平凡なヒロインと完璧な男主人公のロマンスとあって、大きなインパクトのない、素朴な話で満たされていたが、視聴者に大きな共感と反響を呼んだヒット作になった。その際にもチョンPDは感情線を繊細に生かし、「強弱調節」に精通した演出力を見せて好評を博した。

  • 「W」、この狂ったドラマの本当の主人公はチョン・デユンPD
今回『W』をチョン・デユンPDが引き受けたという知らせが伝わった当時、放送界は『彼女は綺麗だった』があまりにも印象深かったせいで「チョン・デユンPDがスペクタクルさとスリラーの要素が大きいこの作品を上手くこなせるか」と心配する雰囲気もあった。しかし、チョンPDは、アクションシーンの車両の衝突シーンのような、スペクタクルなシーンからカン・チョルとオ・ヨンジュの繊細な感情変化までをすべて描き出して、序盤の心配を見事に破った。

ソン・ジェジョン作家の台本はイ・ジョンソクとハン・ヒョジュを振り向かせた「魔力の作品」だ。しかし、これは誰が映像化するのかによって「一か八か」の勝負となりうる作品がまさに『W』だった。しかし、このシナリオはチョン・デユンPDという適任者の胸に抱かれて素晴らしい結果をもたらした。俳優たちの好演と作家の筆力も大きいが、チョン・デユンPDの演出力も明らかに注目すべき要因だということだ。

『W』は4話目にして、ウェブトゥーンと現実を行き来しながら、主人公カン・チョルを覚醒させる急速な展開を見せた。ロマンス、サスペンス、スリラーなど、多様な魅力が全て描かれた。このドラマに対して多くの視聴者は「狂っている」と表現する。このように「狂ったドラマ」が出てきてうれしいという反応だ。果たして『W』は、視聴者たちの注目を最後まで集中させて、ウェルメイドドラマとして記憶されることになるのか、注目が集まっている。
  • MBNスター ユ・ジヘ記者 / 写真=ドラマポスター、MBNスターDB | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-07-30 10:18:22




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