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「ウォンテッド」甲ではない乙のためのドラマ、重みあるメッセージ伝える


  • 「ウォンテッド」甲ではない乙のためのドラマ、重みあるメッセージ伝える
『ウォンテッド』が思いもしなかった、どっしりとしたストレートを飛ばした。拉致、誘拐、生放送リアリティショーなどお茶の間には多少粗野な素材を扱った点から、序盤から尋常ではない問題作であるという予想は存在したが、これほど現実的で残酷だとは思わなかったという反応が大半だ。そしてこの残忍な物語の中心には甲ではない、乙が立っているためにより身に沁みる。

SBS水木ドラマ『ウォンテッド』はトップ女優チョン・ヘイン(キム・アジュン扮)の息子ヒョヌ(パク・ミンス扮)が誘拐されたことから始まる。ヒョヌを連れて行った犯人はチョン・ヘインに毎日寄る10時、自身のミッション通りに生放送リアリティショーを進行することを、絶対に視聴率20%を超えることを要求した。守ることができない時にはヒョヌの安全が保障されないという状況。結局ヘインと警察、放送チームは毎日犯人の要求通りにミッションを遂行し、生放送を進行した。

ハン・ジワン作家は一連の過程を細かく力強いストーリーにした。ここにナ・スヒョン(イ・ジェギュン扮)、イ・ジウン(シム・ウヌ扮)などの共犯を設定して視聴者の推理本能を刺激した。視聴者たちに誰が犯人なのか推理する面白さを提供したのだ。「犯人探し」がこのドラマのすべてではなかった。『ウォンテッド』はより大きな絵を描いていた。酷いほどに残忍な現実をそのまま反映した。

3日に放送された13話では犯人チェ・ジュング(イ・ムンシク扮)がなぜヒョヌを誘拐し、このような犯罪を犯すことになったのか明らかになった。過去、チェ・ジュングの妊娠中だった妻が有害性のある加湿器殺菌剤を使用、ついには命まで失った。PDであったチェ・ジュングは放送を通じて事実を明かそうとしたが、いくつかの外圧により失敗した。チェ・ジュングだけでなく、事件を調査していた刑事まで命を失った。共犯であるナ・スヒョンとイ・ジウンがチェ・ジュングの手を取ったことも、結局は同じ苦痛と悲しみを体験していたためだ。

『ウォンテッド』は破格的な素材を掲げながら果敢なドラマだという評価を得た。それと同じくらいに「私には起きない出来事」という感情もまた視聴者の間に存在した。しかし最近までも深刻な社会的問題、イシューとして注目を集めた「加湿器殺菌剤」を作品の前面に打ち出し、果敢に描き出したことで視聴者が感じた衝撃はより大きかった。

甲ではない乙のためのドラマ、さらには作品の中の作家ヨン・ウシン(パク・ヒョジュ扮)のように自分が被害者であることも気づかずにいた数多くの見えない被害者のためのドラマが『ウォンテッド』だ。『ウォンテッド』が犯人探しに集中した他のドラマとは格の違うとされる根拠がここにある。

3話を残した『ウォンテッド』がこの世に存在する乙たちにどのようなメッセージを告げるのか。果敢なだけに思われていたが、どっしりとして詰まったドラマ『ウォンテッド』の残り3話に関心が集まる理由だ。
  • スタートゥデイ イシューチーム / 写真提供=SBS
  • 入力 2016-08-04 14:28:14




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