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「ホンスル男女」初放送① 高品格なゴミから鷺梁津チャン・グレまで…青春の自画像

「ホンスル男女」1話 

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  • 「ホンスル男女」初放送① 高品格なゴミから鷺梁津チャン・グレまで…青春の自画像
楽しさと共感という、二兎を捕まえた。tvN月火ドラマ『ホンスル男女』(ホンスル=一人でお酒を飲むこと)は、「高品格のゴミ」ハ・ソクジンと「鷺梁津のチャン・グレ(ドラマ『未生』の主人公)」パク・ハソン、そしてそれぞれの事情を抱えている鷺梁津の講師と公試生(公務員試験受験生)の可笑しくも悲しい現実を描いて、お茶の間の注目をひきつけた。

5日に放送された『ホンスル男女』は、公務員試験予備校界のメジャーリーグと呼ばれる鷺梁津(ノリャンジン)に入城した新米国語講師のパク・ハナ(パク・ハソン扮)と公試生の道を歩み始めたコンミョン(コンミョン扮)を中心に、さまざまな事情を持った人物の話が繰り広げられた。

大学に通っていた時に父親が借金の保証人になったせいで、家計が急に苦しくなり、学費を稼ぐために始めた塾講師のアルバイトが仕事になってしまったパク・ハナは、『未生』のチャン・グレほどに苦しい若者だ。塾の講師を天職だと思ってきたパク・ハナだったが、かろうじて「イン・ソウル」(首都圏)の大学に行った彼女の最終学歴を見て、採用してくれるところはあまり多くない。

20代の青春を捧げた塾が財政上の理由から廃業しながら、失業者になるところだったパク・ハナは、普段から親しかったファン・ジニ(ファンウ・スルヘ扮)の推薦と助けを借りて、公務員予備校界のメジャーリーグと言われる鷺梁津に足を踏み入れることになった。ちょうどファン・ジニが通う予備校の塾長キム・ウォンテ(キム・ウォンテ扮)が1等級スター講師のチン・ジョンソク(ハ・ソクジン扮)をスカウトしながら、過度に多くのお金を使用したため、それによって「安く採用できる講師」を急いで求めていたからだ。

理由が何であれ肯定的な性格のパク・ハナは気合を入れて出勤したが、鷺梁津の予備校での生活はすべてが熾烈な競争の連続だった。自分と親しくても、受講生募集の広報ポスターの前では容赦しない英語講師ファン・ジニや、一人でも多くの受講生を募集するために、様々な声帯模写を研究する行政学の講師ミン・ジンウン(ミン・ジンウン扮)などの合間で初心者国語講師のパク・ハナは顔色をうかがうばかりだ。

予備校講師の中でも最も強力なキャラクターを誇る人物は外見、学歴、実力をすべてを兼ね備えているのに、人格だけは持ち合わせていない1等級のスター講師チン・ジョンソクだ。チン・ジョンソクを呼ぶ呼称もまた「高品格のごみ」の略である「コス」で、天上天下唯我独尊、自分しか知らない究極の自己中キャラクターだ。自分と同じ日に入社したパク・ハナを見ながらも、かろうじてイン・ソウルの大学を卒業した講師だと無視するのが常だ。

パク・ハナとの本当の違いは飲み会の席ではっきりと明らかになった。入社したばかりで会食を拒否することができなかったパク・ハナは塾長の前でソメク(ビールと韓国焼酎を混ぜたもの)を作り、『Pick Me』ダンスを踊るなど、様々な芸を披露する一方、チン・ジョンソクは飲み会を感情の無駄、時間の無駄、お金の無駄だと考えて、これを拒絶して一人だけの飲み会を楽しみに行く。他人が何をしようが、イヤホンから聞こえてくるクラシックと高品格のおつまみ、そして血中アルコール濃度0.08%を超えないラインで楽しむ優雅なホンスルを介して、チン・ジョンソクは小さなヒーリングタイムを持つ。

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鷺梁津の塾講師だけでなく、公務員試験の受験生たちの個性もあふれていた。公試生たちの話は、今まさに鷺梁津に飛び込んだ生まれたてのひよこ公試生コンミョンを中心に展開された。軍除隊後の無職という身分で、1年間を遊んで暮らしたコンミョンは、母親の叱りを受けて仕方なく公務員の準備を開始することになる。そして鷺梁津予備校街で大学同期のギボム(キー扮)とドンミョン(キム・ドンミョン扮)に出会ったコンミョンは、彼らと共に本格的「鷺梁津ライフ」を繰り広げることになる。

鷺梁津の生活について希望を与えてくれた人は、ギボムだった。公試生なら無条件に膝が伸びたジャージを着て、コプバプ(路上で売っている、大き目のコップに入ったご飯、様々なメニューがある)を好んで食べるというのは、メディアが作り出したイメージだと主張しながら、「オムカ」(母親のクレジットカード)で、自分なりの「鷺梁津公試浪人」の生活を楽しむギボムは鷺梁津での楽しさを伝えてくれ、コンミョンの心を浮き立たせる。一方、誰もが認める「鷺梁津公試乞食」のドンミョンの暮らしは「貧相」そのものだ。苦しい家計のせいで、バイトを転々としながら、9級公務員合格を目指し、美しいガールフレンド(ハ・ヨンス扮)とまで距離を取り、公務員試験に邁進するドンミョンだが、いつも合格は考試テル(公務員試験を準備する学生が寝泊りする所)の隣の部屋の話だ。

「高品格のゴミ」から「貧相受験生」ドンミョンまで、引けを取らない個性を誇るキャラクターは笑いを与えると同時に、現実を適切に反映しながら、共感を呼んだ。極限の自己中キャラクターであるチン・ジョンソクであっても、一日中しゃべって苦労した自分に「一杯のお酒」という贈り物をする姿や、飲み会を拒否する姿は、視聴者たちの共感を高めるに十分だった。「この年齢になれば、立派な社会人になっていると思ったのに、不安なのは今でも同じ」と悩んで走るパク・ハナや、少しでも先に行くためにもがく鷺梁津の講師の姿は滑稽ながらも疲れた競争の悲しくもおかしい現実が含まれていた。公試生の哀歓も可もなく不可もなく淡々と描きながら、私たちの時代の苦い自画像を描いた。

このようなキャラクターと現実を演じる俳優たちの演技も素晴らしかった。tvNのバラエティ番組『問題的男』を通じて脳セク男(脳がセクシーな男)として注目を集めたハ・ソクジンは「生意気なスター講師」チン・ジョンソクをまるで自分の服を着たかのように消化し、2年ぶりにテレビ劇場に帰ってきたパク・ハソンは相変わらずコミカルな演技で笑いを誘った。ファンウ・スレ、ミン・ジンウンも味のあるキャラクターを見せた。コンミョンもまたもう一方のドラマの軸を導く俳優としての役割を忠実に実行した。キム・ドンミョンの場合、合格だけを見つめて勉強する「人生の負け組公試生」の典型的な姿を見せてくれて切なさをかもし出した。

意外な演技力を見せてくれた主人公は、アイドルグループSHINeeのキー(KEY)だった。実際に大邱出身として知られているキーは、劇中、ギボムが披露する方言を味わい深く演じ、「カッコ良さ」を放棄したパッツン前髪で真剣なコミック演技を続けた。ミュージカルや演劇の舞台で鍛えられた演技力は、カメラの前でも自然に調和を成し、コンミョン、キム・ドンミョンとの公試生のシナジー効果も期待以上だった。

シチュエーションコメディを見ているような楽しさと適切な現実の反映で共感を高めた『ホンスル男女』は、初放送からお茶の間で存在感を見せて、気持ちの良いスタートを切った。
  • MBNスター クム・ビンナ記者 / 写真=tvN放送画面キャプチャ | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-09-06 09:22:54




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