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韓国国籍は逆に不利 国籍放棄者が2倍に増えた理由とは? 新型コロナ影響も


韓国の国籍を放棄する多重国籍者が急増しており、その背景に関心が集まっている。

来る9月の国籍法改正を控えて、今後は韓国国籍からの離脱自体が難しくなるかもしれないという認識が広がり、次々と韓国国籍を放棄しているという分析が説得力を得ている。

6日、韓国の法務部によると昨年の国籍離脱処理件数は4308件に達した。国籍離脱とは米国やカナダなどの多重国籍者が韓国国籍を放棄することだ。

新型コロナウイルスが発生する直前の2019年までは年間の国籍離脱件数は2461件にとどまっていたが、わずか2年間で75%も暴増した。今年も1~2月基準で国籍離脱が112件に達する。2015年の年間国籍離脱件数は934件にとどまっていた。

特に米国国籍を保有する在米同胞が韓国国籍を大挙して放棄している。法務部によると昨年の国籍離脱者のうち77%が米国国籍を保有していた。2017年、ドナルド・トランプ大統領が就任した後、米国政府が多重国籍者に不利益を与えたことが大きな理由として挙げられている。

米国韓人会の関係者は「連邦公務員の任用、政界進出など多様な領域で多重国籍者に対する不利益制裁がある」とし「トランプ大統領の任期中にこのような傾向が深まり、就職のために耐えきれずに韓国国籍を放棄するもの」と説明した。

新型コロナウイルス後、経済事情が悪化した韓国人が米軍入隊を選ぶ事例があるのも原因だという。米軍入隊の場合、韓国国籍を重複して持っていると不利だというものだ。米軍士官学校の学費は全額無料で、米軍に入隊すれば大学の学費補助などの多様な経済的恩恵を受ける。

サイパン韓人会の関係者は「昨年、国籍離脱を申請した在サイパン同胞の事例のほとんどが米軍と士官学校に志願した人だった」と明らかにした。過去には韓国人が米軍に入隊する場合、二重国籍かどうかが尋ねられる水準にとどまっていたが、最近になって二重国籍者は志願が不可能だと案内する部隊が続々と現れていると耳打ちした。

問題は国内の制度も依然として多重国籍者には排他的だということだ。2005年に制定された、いわゆる「ホン・ジュンピョ法」が代表的だ。当時、ハンナラ党だったホン・ジュンピョ議員は遠征出産と兵役忌避を防ぐため国籍法改正案、いわゆる「ホン・ジュンピョ法」を発議して通過させた。

この法案の趣旨は遠征出産で二重国籍を取得して兵役を忌避するのを防ぐためのものだ。すべての多重国籍者は満18歳になる年3月末までに国籍を決定しなければならず、兵役忌避が疑われる場合は韓国国籍を放棄できず兵役義務を果たさなければならない。

これにより、米国で生まれた韓国人二世も満18歳までに国籍離脱をしなければ38歳になるまでなんと20年間も韓国国籍を放棄できない。韓国国籍を放棄して米軍に入隊しようとした在米同胞のAさんは、この法律により国籍離脱を制限されると2020年、憲法裁判所に憲法訴願を提起し、憲法不合致決定を受けた。

国会は憲法の決定に基づき今年9月までに代替立法をしなければならないが、大統領選挙などが重なって延期されている状態だ。在外同胞のあいだで今年改正される国籍法の障壁が既存のものよりも高くなるのではという懸念が広がり、予め韓国国籍を放棄する事例が増えている。

Aさんを弁護したチョン・ハラム弁護士は「在米同胞コミュニティで国籍法が改正されれば国籍離脱が難しくなるという懸念の声が高まっている」とし「それで改正を控えて急いで国籍離脱をする人が多い」と説明した。
  • 毎日経済 キム・ジョンソク記者
  • 入力 2022-04-06 17:37:24




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