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尹錫悦大統領、韓米首脳会談で同盟再建に乗り出す


4日後に迫った 尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とジョー・バイデン大統領の21日の韓米首脳会談のポイントが、同盟の言語を通じて段差を合わせる方向で調整されている。大統領室は今回の首脳会談の最も重要な意味を「韓米同盟を元の軌道に復帰させる基盤を作ること」と明らかにした。

最大のアジェンダは、対北朝鮮戦略に関するメッセージだ。特に北朝鮮の7回目の核実験が差し迫っている状況で米国が核抑止力をどこまで発揮できるかが最大の関心事だ。米国の北朝鮮核戦略は大きく「核態勢の見直し(NPR)」と「ミサイル防衛見直し(MDR)」をもとに、政権が変わるたびに新たに組まれる。3月末、米国防総省が議会に2つの報告書を提出し核心内容が知らされた。北朝鮮だけでなくロシア・中国など核脅威が高まり「米国は米国と同盟、パートナーの根本利益を防御するための極端な状況でのみ核使用を考慮する」という内容だった。尹錫悦政府も候補者時代から核抑止力を強化すると明らかにしており両国の首脳が一致する部分が大きい。バイデン大統領が今回の訪韓の際、非武装地帯(DMZ)を訪問するかどうかも注目される。DMZを訪問するなら韓米連合戦力の対北朝鮮態勢を強調し迂回的な対北朝鮮警告メッセージを発信する可能性が高い。

米国が韓日間の仲裁者の役割をするのかにも関心が集まっている。米国はインド太平洋地域の安定のために韓米日同盟を強調しているうえ、尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相も韓日関係改善に対する意志が強い状態だ。しかし、両国間の歴史問題が首脳の外交行動の足を引っ張っている。

このため、両国いずれも自国に有利な方向にバイデン大統領の介入を期待している。2014年に韓国を訪問したバラク・オバマ米大統領は、朴槿恵(パク・クネ)大統領と首脳会談を行った直後の記者会見で慰安婦問題を「非常にひどい人権侵害だ」と言及し韓国に軍配を上げたことがある。当時はオバマ大統領が日本を先に訪問して韓国を訪問したが、今回バイデン大統領は韓国を先に訪問した後、日本に行くため韓国外交街でもバイデン大統領の支持を得るために、さらに大きな努力を傾けているという。

韓国としては米国が望む反中・反露路線をどこまで合意できるかに注目が集まる。文在寅(ムン・ジェイン)政府は中国の新疆ウイグル地域の人権問題や香港・台湾の民主主義などに対して沈黙し米国の不満が積もっている状態だ。最近は米国が同盟国を糾合してロシアを糾弾しウクライナを支持することに声を高めているが、韓国は初期ロシア制裁に遅れて参加し韓国企業も依然としてロシアで活動しており米国の不満を招いた。ワシントン朝野では文在寅政府が「ロシア」や「プーチン大統領」を糾弾するという単語を正確に使わず国際秩序守護などで遠まわしに表現したことについて指摘してきた。したがって今回の首脳会談共同宣言文に韓国が反中・反露の声をどれだけ出せるかがカギとなっている。

経済安保と関連しては韓国のインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)支持が共同宣言文に含まれる予定だ。しかし、経済分野は両国企業の利害関係が明らかな分野であるため「同盟」という単語は使わずに最上位級の協力を引き出す方針だ。バイデン大統領のサムスン電子平沢(ピョンテク)工場訪問、国内企業家たちとの出会いで、どのようなメッセージを出すかが注目される。

北朝鮮住民の人権問題と人道的支援問題についてどれだけ合意できるかも関心事だ。北朝鮮の新型コロナウイルス感染症の拡散傾向が激しくなり直ちに画期的な支援策が必要な状況であるためだ。パク・ジン外交部長官は17日、国会外交統一委員会全体会議に出席し「21日の韓米首脳会談で北朝鮮の新型コロナウイルス感染症拡散にともなう防疫支援問題が議論される可能性がある」とし、対北朝鮮支援のために制裁免除を受けなければならない品目がある場合、米国と制裁免除協議ができるという意向も示した。尹大統領が先週、北朝鮮が初めて新型コロナウイルス感染症の感染事例を発表した直後から明確な対北朝鮮支援・協力の意思を明らかにしたが、北朝鮮は沈黙と守っている。
  • 毎日経済 | ハン・イェギョン記者/キム・ソンフン記者
  • 入力 2022-05-17 17:51:45




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