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コリアナウ > スポーツ > 窮地に追い込まれた韓国野球、9日台湾戦に負ければ「降格」…2017WBC
昨シーズン、韓国プロ野球は歴代最多の833万9577人の観衆を記録した。国内のプロスポーツで初めて観客800万を突破し、最高のスポーツコンテンツとして浮上した。シーズンが終わっても好材料は続いた。FA(自由契約選手)市場に出てきた中堅選手13人が総703億ウォンで契約し、3年連続でFA総額700億ウォンを突破した。チェ・ヒョンウがKIAタイガーズのユニフォームに着替えて初めて100億ウォンを記録し、ロッテに戻ってきたイ・テホは150億ウォンで記録を塗り替えた。しかし、膨らんだ期待は2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開始とともにしぼんでしまった。初めて国内で行われたWBCの試合で、弱体と評価を受けたイスラエルに1対2で敗れ、オランダには0対5の完封負けを喫した。
▶ 最初のボタンからかけ間違った
今回の代表チームは発足当時から「歴代最弱体」という声を聞いた。韓国で活躍して米プロ野球メジャーリーグ(MLB)に渡ったパク・ピョンホ(ミネソタ・ツインズ)、キム・ヒョンス(オリオールズ)などの主要打者が不参加だからだ。キム・インシク監督はイ・デホ、チェ・ヒョンウ、キム・テギュン(ハンファイーグルス)などの国内派巨砲を信頼したが、ついにバットは活躍しなかったし、「国民監督」という名声に傷を残してしまった。キム監督は8日、訓練で「これが国家代表監督の最後だ。ところがこうなってあまりにも胸が痛い」と残念がった。
選手たちも2008年の北京オリンピック全勝優勝の時のように、必死な気持ちを見せてくれなかった。大きな期待を受けたカン・ジョンホ(ピッツバーグ・パイレーツ)は飲酒運転で実刑宣告まで受けて離脱し、長兄の役割を引き受けたイム・チャンヨン(KIAタイガーズ)は、沖縄合宿で無免許運転で恥をかいた。大会が始まった後は、国歌演奏中に民間人でありながら挙手敬礼をしたキム・テギュンと、後れをとっている渦中にもかかわらずダッグアウトで笑う選手らの姿が中継画面にとらえられてファンたちの叱咤を受けた。
むしろユダヤ人という同質感で固く団結したイスラエル選手たち、チームのために慣れていないポジションを受け入れたオランダの選手たちが韓国よりも強く動機付与されたようすだった。
▶ 世界野球への適応も失敗
実力の面でも韓国野球は今回のWBCを通じて多くの課題をかかえこんだ。
これまで数年のあいだ「打高投低」傾向が顕著になった韓国プロ野球は、昨シーズンのリーグ平均打率が0.290に達し、3割台の打者も40人を輩出した。しかし、これは打者の技量が優れているのではなく、世界基準よりも狭いストライクゾーンのおかげだという事実がWBCで立証された。韓国よりも高いコースの球も外側の球もストライクと認めるMLB基準を適用したWBCで、韓国の打者は容易にバットを振りまわせず、19イニングでわずか1点を出すにとどまった。
投手たちも危機を経験している。選手層の薄い国内でこそようやく通用しているが、リュ・ヒョンジン(LAドジャース)とキム・グァンヒョン(SKワイバーンズ)を輩出した北京世代以降で投手資源が縮小した。現場では基本的な能力である球速で、150㎞どころか140㎞を越える有望投手を見つけることも難しくなったという声が出てくるほどだ。
▶ 台湾に負けると「降格」
現在の代表チームの雰囲気では、9日の台湾戦勝利も約束できない状況だ。しかし「有終の美」という名分を離れて、実利的な理由からも台湾戦の勝利が必要だ。
2006年と2009年に16カ国を招待し大会を闘ったWBCは、2013年から参加国を28カ国に増やした。
前大会1~12位までは本戦直行権を与え、残りの16カ国は4組に分けて予選を行った後に1位チームだけに出場権を与える方式だ。 2013年大会で1回戦敗退をすることはしたが、グループ3位で12位以内に入った韓国は、出場権を確保して今回の大会を闘うことができた。
しかし、もし台湾との試合でも負けてA組最下位に終われば、2021年に予定された第5回WBCのときは予選に「降格」される屈辱を経なければならない。プライドもプライドだが、2020年から予選スケジュールから乗り出すとなると、リーグ日程にも支障をきたすことがありうる。