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太極戦士を乗せたシン・テヨン号、W杯に向けて着々と


W杯韓国国家代表チームは、最初の評価試合の相手であるホンジュラスに気持ちの良い勝利を収めた。もちろん勝っただけではなく、「ワールドカップ3敗」と落胆していた国民の期待感を引き上げたことも大きな成果だ。

しかし油断は禁物。韓国が2対0の勝利を収めたホンジュラス戦を通じて、代表チームの競技力を過信してはならない。体力配分という次元でホンジュラス戦を休んだキ・ソンヨンは、「召集後の最初の試合をよく戦った」と喜んだ後に「しかし今からが始まりだ。ワールドカップでは優れた選手たちが多い」とし、警戒を解かなかった。ソン・フンミンも「賞賛されるべきだが、ワールドカップはこの程度ではない。さらに努力して発展しなければならない」と淡々と語った。

キ・ソンヨンとソン・フンミンのことば通りに、ホンジュラス戦はしっかりとした戦力で戦わない「テスト段階」だった。シン・テヨン監督は最終メンバー23人の発表を控えて、複数の選手を出場させて実戦テストを行った。キ・ソンヨンとイ・ジェソンなどの主力選手たちは休憩を取った。

ホンジュラスも時差への適応がうまくいかず、しっかりとしたプレーをできなかった。当然、ホンジュラス戦の勝利に酔ってはいけないという警戒の言葉が出てくるワケだ。それでも勝利はいつも気持ちが良い。自信を引き上げ、同時に国民から応援も受けることができる基盤を整えたからだ。

これから韓国代表チームは本格的な「生存競争」と「組織力の底上げ」に突入する。ホンジュラス戦で一回めのテストを経て、6月1日に全州ワールドカップ競技場で開かれるボスニア・ヘルツェゴビナと戦う第二の評価試合を最後に、「最終23人」の名簿が確定される。韓国を離れる前の、最後の評価試合だ。これまで以上に優雅な姿で国民の期待感を引き上げなければならない。

ホンジュラス戦と異なりボスニア・ヘルツェゴビナ戦はテストではなく、本格的な強化試合のシステムで運営される可能性が高い。シン・テヨン監督も「ボスニア・ヘルツェゴビナ戦は出征式でもある。これは仮想のスウェーデンを相手にするゲームだ。ある程度の線まで作っていく」と明らかにした。

ボスニア・ヘルツェゴビナは、2018年ロシアW杯グループリーグ第1戦のスウェーデンを仮想した相手だ。ホンジュラス戦のようにテストをするにはあまりにも惜しい機会だ。とうぜんシン監督はベスト11に近い戦力を稼動するとみられる。いったん休憩を取ったミッドフィルダーのキ・ソンヨンとイ・ジェソンなどが先発に上がってくるようだ。キ・ソンヨンのAマッチ100試合目となる予定だ。

現在の攻撃ラインは、まずは合格点だ。まだ呼吸が完全には合わないが、ソン・フンミンが中距離ゴールをたたき出したし、イ・スンウは闘志あふれるプレーで1アシストを記録した。またファン・フイチャンがムン・ソンミンにアシストを与えて、ムン・ソンミンはデビューゴールを決めた。

シン監督は評価試合の直後、「攻撃陣の全員に最前方の攻撃手の位置にとらわれない、ゼロトップの戦術を展開するように注文して効果を上げた」とし、「詳細については公開していないが、私たちが追求する方向は明らかにある」と述べた。

第二の評価試合はシン・テヨン号の最大の悩みの種である、守備の組織力をテストするために集中するものとみられる。

先に行われたホンジュラス戦で、試験台に上がった新しいフォーバックの組み合わせは不安感をあきらかにした。センターのDFとして初めて呼吸を合わせたキム・ヨングォンとチョン・スンヒョンは無失点に防いだが、呼吸が合わず何度かミスもあった。キム・ファンJTBC解説委員も「守備をテストするにはホンジュラスの攻撃そのものがなめらかではなかった。評価するのは容易ではない」と述べた。

ボスニア・ヘルツェゴビナは韓国よりも国際サッカー連盟(FIFA)のランキングが20段階ほど高い。ワントップまたはスリートップを好むチームで、29日にモンテネグロと行った評価試合では0対0で引き分けた。ボスニア・ヘルツェゴビナはワールドカップ出場に失敗したが、予選10試合でなんと24ゴールを決めた攻撃力は水準級だ。しかし攻撃に比べて脆弱な守備(13失点)に足首をつかまれた。

シン監督は守備ラインから新しいスリーバッグ戦型を試してみることができる。チャン・ヒョンス、オ・バンソク、ユン・ヨンソン、クォン・ギョンウォンらの競技力と、守備の組織力を点検できる機会だ。

現在、オーストリア事前合宿まで同行を事実上約束された選手は13人だ。選手10人あまりがボスニア・ヘルツェゴビナ戦で生存競争を展開しなければならない。このうちイ・スンウとムン・ソンミンはシン監督を満足させた状態だ。また熾烈な守備競争でコ・ヨハンが一歩先んじたと分析される。サプライズ選抜された守備のオ・バンソクも、終盤に強まったホンジュラスの攻撃をじっくりとセーブして存在感を表わした。

シン監督はボスニア・ヘルツェゴビナまでに選手を分析した後、脱落者3人を決定することになる。そして6月2日、ロシア行きの飛行機に搭乗する最終エントリー23人を発表した後の3日にキャンプオーストリアへ出発する。「ロシアW杯16強への挑戦」に向けた大長征の第一歩だ。
  • 毎日経済_チョ・ヒョソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-05-29 19:14:40




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