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韓国「マスク大乱」…一枚700ウォンから2万ウォンまで


  • 韓国「マスク大乱」…一枚700ウォンから2万ウォンまで
  • オンラインモールからキャプチャ


「700ウォンから2万ウォンまで」。最近、「新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎)」事態で時ならぬ品薄状態が生じているマスク(KF94)の1枚あたりの販売価格だ。

マスクは健康を守り、感染拡大を防ぐために誰もが備えるべき必需品になった。しかし売る所ごとにマスクの価格が千差万別であり、少しでも安いマスクは「品切れ」札が付いて、手に入れることも難しい状況だ。消費者の不満が高まっている中で、歪曲した流通構造の「素顔」がそのまま表れている。

4日、オンラインショッピングモール「11番街」が午前11時に国内の中小企業「ブルーインダス」製KF94マスク20万枚を売り出した。できるだけ多くの消費者が購入できるように、ひとつのIDごとに2箱(100枚)だけを購入できるようにして販売数量を制限したが、この製品は大型が2分で、子供用の小型まで全製品が5分ですべて売れた。秘訣は価格だった。 50枚セット1箱で3万4900ウォン、1枚あたり698ウォンという低価格のためにあっというまに売り切れた。 11番街は売り手と買い手を接続するインターネット仲介業者(オープンマーケット)だ。しかし今回販売したマスクは、11番街が流通段階をはぶいて生産工場から「直接買い入れ」方法で調達した。

11番街の関係者は、「流通マージンがなく、工場から直接購入して消費者に供給した」と説明した。これまで消費者に知られていなかったマスクの卸売価格が公開されたわけだ。工場出荷価格あるいは卸売価格は、一枚に700ウォンほどに過ぎないが、小売市場では2500ウォンで3000ウォン、さらに一部のオンラインショップでは一枚が2万ウォンで取引されて消費者の怒りを買っている。

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  • マスクの流通段階


この日、毎日経済新聞が現在販売されているマスクの流通段階別の価格を確認した結果、KF94マスク1枚あたりの製造工場の出庫価格は新型コロナ発症前は200~300ウォン水準だった。しかし中国にマスクを供給しようとする中国の卸売業者と、短期差益を狙って参入した国内投機勢力のせいで出荷価格がゆらぎ、最終的に消費者価格は最高2万ウォンにまで、出荷価格との比較で100倍ほどにも跳ね上がったことがわかった。実際にほとんどの大型オフライン流通企業が供給しているマスクの小売価格は1枚あたり700~800ウォン水準で、新型コロナ感染症の発症前と大きな変わりはない。これら企業は生産工場からの直接買い入れ方式を維持している。

ただし業態別の、あるいはマスクのブランド別の価格は少しずつ差がある。コンビニCUは同じKF94製品でも2000ウォン・2500ウォン・2900ウォンまでの3種類に分けて売っており、イーマートの場合は大企業製品であるクリネックス製は3枚で5600ウォン(1枚あたり1866ウォン)、中小企業製品のコーディ製は1枚あたり790ウォンで販売している。工場出庫価格に物流費と人件費や店頭家賃などを考慮すると「暴利」ではないというのが流通業界の主張だ。

流通業界では新型コロナウイルス感染症の拡散にともなってマスクの流通秩序が崩れた理由として、個人販売者が暴利のためにオープンマーケットに参入していると見ている。流通段階を取り除く価格競争力を高めたオンライン直接取引市場が、一部の投機勢力のために秩序が崩れている。

あるオープンマーケットの関係者は、「オープンマーケットに出店したセラーは自分で価格を策定する」とし、「売り手がいくら低くしたり高い価格を設定しても、本社が特定の価格を強制することはできない」と説明した。実際に1枚あたり1万・2万ウォンというとんでもない価格が上がってきたところは、すべてオンラインモールのオープンマーケットだ。一般的な場合であれば、とんでもない価格を付けられた製品は消費者から選択を受けない。

しかし問題は、既存の価格水準で出てきた製品はすぐに完売する「品薄状態」が続き、消費者は高価にもかかわらず泣く泣く製品を購入するしかないということだ。新型コロナ感染症による消費者の不安心理を最大限に悪用し、価格を大幅に上げて暴利をむさぼるという現象だ。

問題は製造工場からマスクを直購入する大型流通企業でさえ、さらに高い買い入れ額を提示する投機勢力の介入のせいで、物量を確保することがますます難しくなっているということだ。実際、先月31日にKF94マスクの販売放送を行って2分で完売させたGSショップは、現在は追加の物量を入手することが難しく、次の放送スケジュールを決められずにいる。

これまでなんとか維持されていた出庫価格さえも揺れる雰囲気だ。あるオンラインモールの関係者は、「中間取引が大挙して割り込んで、供給価格を1枚あたり最高800ウォンにまで上げた工場も出てきた」と説明した。

マスク暴利に対する非難世論が激しくなると、オープンマーケットはあたふたと内部の取り締まりに乗り出した。個人セラーに直接「いくらで売ってほしい」と指示することはできないが、一方的に売り手が注文をキャンセルした場合は注文前後の価格を比較し、その差が大きければ暴利を取ろうとする意図があったと見て、ウェブページ内の検索結果からその製品を除外するという式だ。

あるオンラインモールの関係者は、「マスク10個入り製品の価格を20万ウォン台に上げた一部のセラーを、検索でヒットしないように措置した」と語った。マスク生産者らは国内のマスク生産量を考慮した時、投機勢力さえなければ価格が非常に高騰する理由はないという立場だ。

ウィテクコーポレーションのイ・シンジェ代表は、「需要はあふれて供給は不足するため、ある程度のマスク価格の上昇は避けられない」とし、「しかし価格をあまりにも上げて利益を得ようとする流通業者がいる」と語る。同氏は「現在、利用可能な時間と人員の両方を投入して、マスクの生産量を増やすようにしている」とし、「すべてのマスクメーカーが大乱に乗じて金を稼ごうとはしない」と語った。

同氏はまた、「原材料メーカーも同じだが、現在の私を含めて全従業員が昼夜を問わず、24時間働いている」とし、「マスクメーカーも現在の市場を安定化して、物量を供給するために力を入れている」と付け加えた。
  • 毎日経済_キム・ギヂョン記者/キム・テソン記者/イ・チョ・ンファ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-02-04 20:05:30




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