「すぐに検査していたなら」…兄と母を失った遺族の怒り


「兄が熱を出したときにコロナ検査さえしていれば、こんな状況にまでならなかったでしょう」。

キム某(59)さんは29日、聯合ニュースとの通話で「悲劇を防ぐ機会を逃した」と悔しさを爆発させた。聯合ニュースによると、大邱市のハンサラン療養病院に入院していたキムさんの兄A(65)さんは去る16日に死亡した。同じ病院にいたキムさんの母親B(88)さんもまた、「新型コロナウイルス感染症(コロナ19)」の確定判定を受けて大邱医療院に移送された後の26日に死亡した。Aさんには発熱症状があったが、コロナ19の検査をしないままで埋葬したことから確認する方途のない状況だ。ハンサラン療養病院ではこれまで、109人に達する患者と従業員がコロナ19に感染した事実が確認された。

遺族らの説明を総合すると、Aさんは今月上旬に発熱などの異常症状を見せた。妹のキムさんは「去る7日に病院の関係者から熱が出て嘔吐をするという電話連絡を受けた」とし、「もしかしたらコロナではないかと尋ねたが、コロナではなく尿路系の炎症のようだと回答を聞いた」と話した。

Aさんは病状が好転するかに見えたが、去る16日に死亡した。病院が明らかにした死因は出血性ショックと急性出血性胃炎だった。キムさんをはじめとする家族8人はAさんが危険だという連絡を受け、病院で臨終を見守ったという。病院側はコロナ19事態以後は面会を統制したが、臨終室への訪問は許可した。遺族は「臨終の日にもコロナ検査をするべきではないかと尋ねたが、病院の関係者はここはコロナ清浄地域だと言った」とした。

この病院の集団感染ニュースが出てきたのは、遺族が去る16~17日に質素な葬儀を行った後の18日だった。この病院の看護師1人が16日にコロナ19の確定判定を受けた後、保健当局が全数調査を行った結果、70人の集団感染の事実が明らかになったのだ。保健当局の基礎疫学調査によると、この病院の感染者のうち複数の人に今月10日以降には疑いの症状があった。病院側がコロナ19の発症を疑っていない間に、内部ではウイルスが伝播されていたわけだ。

病院で臨終を見守った家族はあたふたと隔離された。葬儀に来た親戚にも急いでニュースが伝えられた。泣き面に蜂で、ハンサラン療養病院にいた母親が確定判定を受けたというニュースがキムさんの家族に伝えられた。病院を訪問した兄弟のうちの1人が陽性判定を受けた。

母親のBさんは26日にこの世を去った。 5人の娘と息子は自己隔離中で、母親の火葬場に行けなかった。Aさんのもう一人の妹は、「兄の具合が悪かったとき、病院でコロナを疑わなかったことがとても気に障る」とし、「早く対処をしてたいら、兄も母も亡くなることはなかっただろう」と述べた。家族はAさんもコロナ19に感染した可能性が高いとみる、すでにAさんは死亡し、確認する方途はないと言った。

ハンサラン療養病院の関係者は「(Aさんは)10日に高熱の症状を見せたことから胸部X線撮影と血液検査などをしたが、疑わしい症状はなかった」とし、「ふだんの基礎疾患と症状が似ていて、それに合わせた治療をしたところ次の日からは熱が出なくなり、コロナの感染を疑わなかった」と述べた。この関係者はまた、「当時(コロナ19検体検査が必要だと)判断をして、すぐに措置しなかったことはとても申しわけないと思っている」と付け加えた。

しかし「私どもの病院はコロナ清浄地域という言葉を口にしたことはない。そんな言葉は大韓民国のどの病院で言えるでしょうか」と釈明した。
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  • 入力 2020-03-29 16:54:38