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韓バイオ各社、「コロナ治療剤」開発競争に火が付く


  • 韓バイオ各社、「コロナ治療剤」開発競争に火が付く
  • 国家別「コロナ19」ワクチン・治療剤開発現況


国内製薬とバイオ企業が「コロナ19」の治療薬・ワクチンの開発競争に相次いで参入し、誰が一番最初に結果を出すかに関心が集まっている。競合他社よりも一日も早く治療・ワクチンを出したいという善意の競争が激しくなり、最高経営責任者(CEO)が直接、毎日の進捗状況を点検するほどい研究者を激励している。

ジェネクシン(Genexine)は6日、コロナ19予防のためのDNAワクチンである「GX-19」を霊長類(サル)に投与して、ウイルスを無力化させる中和抗体が生成されることを確認したと明らかにした。体内でウイルスを無力化させる中和能力を持つ抗体が作られたことを確認しただけに、コロナ19ワクチンの開発可能性が高まった。

DNAワクチンは病気を引き起こすウイルスの主要な遺伝子を分離して培養する過程を経ないため、簡単にすばやくワクチンを作ることができる強みがある。ジェネクシンのソン・ヨンチョル会長はこの日、記者との電話通話で「今月第3週に臨床第1相の試験計画書を食品医薬品安全処に提出し、早ければ6月初めから60人を対象に臨床に入るつもり」だと語った。実験動物を活用してコロナ19ワクチン候補物質の毒性の有無をさぐる臨床は、既存の臨床データがあることから事実上は免除されることが分かった。ソン会長は「既存の子宮頸がんワクチンと同じプラットフォームを使用するだけに、薬物の毒性を判断する前臨床データをコロナ19ワクチンに適用することができる」とし、「6月初めに人体臨床に入ったら、その後は2・3相のスケジュールによっては世界で最も早くワクチンを出すこともできるだろう」と主張した。

このようにジェネクシンが6月に臨床に入ると、7月の臨床開始を目標に掲げたセルトリオン(Celltrion)よりも先を行くものと思われる。セルトリオンはこれまで、世界有数の製薬会社よりも治療剤の開発で最も先行した状態だと自己評価してきた。先月、セルトリオンはコロナ19患者から得た300サンプルの1次抗体候補群を対象に1・2次検証を実施し、コロナ19ウイルスを無力化させる強力な中和能力を示した14サンプルなど、計38サンプルの抗体をコロナ19治療抗体候補群として最終的に確定した。コロナ19ウイルスを無力化させる機能が優れた抗体を確保すると、治療剤の開発を前倒しにできる。

セルトリオンはこれらの最終抗体候補群で細胞株の開発を完了すると、マウスと霊長類を対象に動物臨床を行った後、7月中旬に人体臨床に突入する予定だ。特にセルトリオンは開発中のコロナ19抗体治療剤をワクチンとしても使用できるかどうか、6月の前臨床段階で確認する方針だ。業界によると、セルトリオンの徐廷珍(ソ・ヂョンヂン)会長は7月の臨床進入のために、コロナ19治療剤の業務にのみ集中していることが分かった。コロナ19治療剤の進行状況について毎日報告を受けながら、開発時点を早めるためにオールインした状態だという伝言だ。

他の適応症で既に販売許可を受けた薬をコロナ19治療剤として活用する「薬物再創出」方式が最も速い臨床段階にあるのは、富光(プグァン)薬品の国産11号新薬「レボビル(Levovir)」だ。当初はB型肝炎の治療薬として出てきたレボビルに対し、食品医薬品安全処は国内で初めてコロナ19治療薬として臨床第2相試験を承認した。プグァン薬品は8月に臨床結果を発表する予定だ。

ヒューベットバイオ(HuVet bio)とオプティファーム(OPTIPHARM)、韓国生命工学研究院(生命研)などで構成されたコンソーシアムもジェネクシンのように、コロナ19ワクチンとして動物対象での中和抗体の生成を確認した。ヒューベットバイオとオプティファームは6日、マウスとモルモットやミニブタなどのさまざま動物群で、中和抗体が最大で128倍以上に形成されていることを確認したと明らかにした。ヒューベットバイオのチョン・ヒョンファ代表は「ウイルスに感染した後に完全に回復した人の平均中和抗体は80倍の水準であるだけに、128倍ならコロナ19ウイルスを十分に防御することができる」と強調した。

ヒューベットバイオが開発しているワクチンは、ジェネクシンが開発するDNAワクチンではなく、ウイルスの一部を人工的に大量に合成して活用するサブユニット方式で、生命研から技術を移転された。サブユニット方式はウイルスや細菌などを活用した既存の弱毒化ワクチンとは異なり、タンパク質を活用して安全性が高い。

共同研究に参与した高麗大学薬学部のソン・デソプ教授は、「3月中旬にワクチン候補物質を導入した後、1カ月半ぶりに中和抗体の生成を確認した」とし、「特に中型動物である豚にも中和抗体が形成されたことで、向後の霊長類対象の臨床試験も成功する可能性が高まった」と強調した。コンソーシアムは追加の動物実験を経て、年内に臨床試験を完了する計画だ。

DNAワクチンよりも時間はかかるが、安全で実績のある方法でワクチン開発を進めるという計画だ。ソン教授は「世界的にDNAワクチンが人体に使われるワクチンとして商用化された事例はない」とし、「製造は簡単だが、実際の臨床で効果を確認して使用されることは容易ではない」と説明した。同氏によると、唯一で許可を受けたDNAワクチンは馬に使用された「西ナイルウイルスワクチン」で、許可直後にワクチンを打った馬が非ワクチン群よりも多く死んだことで許可が取り消された。

市場調査機関のグローバルデータによると、4月末現在で国内メーカーが開発しているコロナ19ワクチンと治療薬は17種に達した。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者/キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-05-06 17:43:00




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