韓、目前に迫ったコロナとインフルの「ツインデミック」

「ワクチンフォビア」広がる 

  • 23日、ソウル市永登浦区の汝矣島に位置する内科入口に「有料インフルエンザ接種終わりました」という案内文が貼ってある。有料ワクチンは在庫がなくなった反面、無料ワクチンは在庫があるが永登浦区庁の要求でワクチン投与を暫定的に中止したことが分かった。 [イ・スンファン記者]



23日、インフルエンザ予防接種指定医療機関であるソウル市の延世大セブランス病院3階の注射室の待機席。数日前もインフルエンザ予防接種の順番待ちはまばらだったが、この日はひっそりとするほど閑散としていた。ここ一週間、連日でインフルエンザ予防接種の死亡者が続出したことから、不安を感じた接種待機者が足を向けなくなったからだ。

有料ワクチンの接種費用を会社から支援を受ける会社員のなかにも、インフルエンザ接種を気にする事例が増えている。会社員のシン某氏(23)は、「まいにちワクチン接種の死亡者が増えるニュースを見ると、無料でも接種したくない」とし、「少なくとも死亡原因がわかるまでは、接種を先送りする考えだ」と語った。

インフルエンザワクチンの接種後に死亡した事故が全国で相次いで発生したことから、接種を恐れる「ワクチンフォビア(恐怖)」が広がっている。

特に同じ工場で同じ日に作られ、製造番号が同じワクチンを接種した死亡者(全4件、8人)が現れて、市民のワクチンに対する恐怖はより大きくなった。大きくなる恐怖感は「マムカフェ」などのインターネットコミュニティでも容易に確認することができる。 「死亡者が接種したのと同じ種類のワクチンを打つのが不安だ」「ワクチン接種よりもインフルエンザにかかるほうがいい」などのメッセージはよく見られる。インフルエンザワクチンを「殺人ワクチン」と呼んだり、「コロナ19よりも怖い」というメッセージも急速に拡散している雰囲気だ。

このようにワクチンに対する恐怖が深刻になるやいなや、政府は接種を中断するかどうかを比較検討し、一部の地方自治体は相次いで接種中止を宣言している。しかし問題はこのようなワクチンフォビアとこれにともなう接種中断措置でインフルエンザワクチン接種者が減れば、コロナ19とインフルエンザが同時に流行する「ツインデミック(同時流行)」が現実化すれかもしれないという点だ。

コロナ19の拡散傾向がなかなか沈静化しないうちに、インフルエンザまで流行すると医療現場が麻痺するかもしれないという指摘が出ている。このために専門家らは国民の懸念を払拭できるように、できるだけ早い時間内にワクチン接種と死亡のあいだの因果関係を明らかにして、接種に対する恐怖を軽減させることに注力することを政府に注文している。

高麗大学九老病院感染内科のキム・ウジュ教授、は「コロナ19確定者が増えて、気候が寒くなる状況でインフルエンザワクチン接種を中止すると、ツインデミックが到来する可能性がある」とし、長期間の接種中止は危険だと警告した。

キム教授は「同じ製造番号のワクチンを接種した死亡者がいくつかペアであらわれても、製造番号ごとに10万個以上が生産されるので、偶然にそのような状況になることもある」とし、「食品医薬品安全処で回収して品質検査を行う必要はある」と強調した。

翰林大学聖心病院呼吸器アレルギー内科のチョン・ギソク教授も、「接種も重要だが国民の不安が大きいので、原因を3~4日以内に可能な限り迅速に明らかにし、接種を再稼働する必要があると思う」と語った。

感染症の専門家らによると、一集団が特定の感染症の集団免疫を獲得するためには、集団のメンバーの中で50~60%が抗体を保有している必要がある。疾病管理庁によると、国の予防接種事業(無料接種)対象者の接種件数は21日現在(12歳未満1回接種対象のお子様を除く)でまだ50%を超えておらず、現在はインフルエンザの集団免疫を期待することは難しい水準だ。

翰林大学江南聖心病院感染内科のイ・ジェガプ教授は、「インフルエンザワクチンの接種は適切な時期があるので、その適時に進めるべきだ」とし、「国民が不安にならないように因果関係の調査はしているが、調査に時間がかかるために接種と調査を同時にしなければならだと思う」と診断した。

疾病管理庁によると、23日午前0時の時点で「コロナ19」の新規感染者は155人であり、一週間ぶりに3桁に上がってきた。医療界によると、コロナ19の症状はインフルエンザの症状と区別が難しく、コロナ19の防疫に混乱を招くことがあり、この過程で交差感染も起こることがある。一つのウイルスに感染すると、低下した免疫力によって他のウイルスの侵入も容易になる。インフルエンザ関連の死亡者は毎年3000人近く発生している。

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  • 毎日経済_チョン・ジソン記者/チョン・スルギ記者/キム・グミ記者/キム・ヒョンジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-10-23 18:27:36