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韓国戦争・分断あつかった詩集が「全米図書賞」最終候補に

チェ・ドンミ『DMZ Colony』 

  • 韓国戦争・分断あつかった詩集が「全米図書賞」最終候補に

韓国で生まれた者が韓国について書いた詩は、世界的に認められるだろうか。米国で最高権威の全米図書賞(National Book Awards)の授賞式が2週間後に迫ったなかで、在米韓国人チェ・ドンミ氏の詩集『DMZ Colony(DMZコロニー)』が詩部門のショートリスト(最終候補)5作品の一つに上がり、受賞するかどうかに関心が集まっている。韓国系作家の詩がショートリストに上がったのは初めてであるうえに、韓国が素材という点でも異例だ。昨年、小説部門で受賞した『Trust Exercise(トラストエクササイズ)』は韓国系アメリカ人のSusan Choi(スーザン・チェ)の作品だが、米国の芸術高校の生徒たちのあいだの愛の話だった。米国ではなく、韓国を扱った『DMZコロニー』のどのような詩が米国の文人たちの心をとららえたのだろうか。

詩集は「SKY TRANSLATION」「WINGS OF RETURN」「THE ORPHANS」「MIRROR WORDS」など8幕(Act)で構成されている。戦争と分断が人間に残した傷痕を多彩な方式でみせる。 1幕はミズーリ州セントルイスのフォレストパークを歩く話者から始まる。この都市は「38線」と同様に、緯度が北緯38度あまりだ。話し手はどこかで「帰ろう...」と言う白い雁の群れの鳴き声を聞く。それらは飛び立つと、空に「DMZで会おう」という文章を描いて飛び去る。

2幕の「WINGS OF RETURN」では40年以上を獄苦に苦しんだ非転向長期囚のアン・ハクソプ氏とのインタビューを土台にした。チェ詩人は去る2016年12月23日、アン夫妻の家を訪問して4時間近く対話を交わした。国家暴力の被害者であるアン氏の考えや感情は、生き生きと詩に昇華される。特に「恐怖」の意味を再専有する方式が異彩を放つ。「恐怖が訪れた(terror came)」というアン氏の話を聞いて、詩人は「テロ」だと書いたが、走り書きで「GH」を「全地球的人類愛」の略であり、「で」を「~に向かって」という意味に変容させて、メモの下に「Toward Global Humanity」と書いておく。

4幕の「THE ORPHANS」は構成が引き立つ。一方にハングルで書かれた手紙の写真があり、向かいはこれを英訳した。 1951年の「咸陽山淸民間人虐殺事件」当時、生き残った子供たちの話だ。詩人は「いまだに抑留されて故郷を懐かしむ、すべての者を称えて生存者を呼名した」と書いた。幼い子供たち特有の筆記体と残酷な内容が対照をなす。

7幕の「MIRROR WORDS」では、各単語が逆の順序で配列されており、逆に読んでこそ解釈することができる。鏡の中の文字が左右対称に現れる現象を模倣したものだ。兵士たち市民を抑圧する写真の横に、このような句が書かれている。

Ruoy Ycnellecxe、Si it Laitram Wal? (閣下、戒厳令でしょうか?)/ Laturb Eripme! (残酷な帝国!)/(中略)/ Ew era evila.(私たちは生きている。)

詩人は「言語は信じるように作るのではなく、服従するようにする、服従を強要すること」だというフランスの哲学者ジル・ドゥルーズの見解に従う。このような変形が新植民地主義に反対する作業(anti-neocolonial mode)であり、抵抗と不服従の意味を含んでいると説明する。

『DMZコロニー』はチェ詩人の「新植民地(neocolony)3部作」の2番目として4月に米国で出版された。 2016年に出たシリーズ最初の本『Hardly War(戦争が起きてすぐ)』で、韓国軍によるベトナムの民間人虐殺を扱った。最後の作品は1980年の光州市民の立場から軍事独裁を批判する内容で、今後の出版予定だ。

このような作品履歴には成長の背景が大きな影響を及ぼした。チェ・ドンミ詩人の父はベトナム戦や韓国戦などを取材した写真記者だ。軍事独裁の実情も撮影して政権の恨みを買った。この本にも父の撮影した写真が複数枚載せられた。迫害を避けて詩人の家族は1972年に香港にわたった。その後はドイツやオーストラリアなどを経て、チェ詩人は現在は米国で活動している。
  • 毎日経済_ソ・ジョンオン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-11-04 18:07:59