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コリアナウ > 社会 > 韓、29日に療養施設で28人死亡…隔離解除で国民請願
伝播力の強い英国発コロナ19変異ウイルスが国内で発見された中で、さらに悪いことに一日の死亡者数が過去最大を記録し、「コロナフォビア」が再び広がっている。死亡者数が急増したのは最近、療養病院など脆弱施設での集団感染が相次ぎ、高齢者・危篤・重症患者が増えている影響で、対策が急がれるという指摘だ。
■ 29日の一日で28人が死亡
29日の中央防疫対策本部によると、前日にコロナ19の確定判定を受けて治療を受けている間に亡くなったり、死後に確定判定を受けた死亡者は計40人と集計されて累積859人を記録した。これは国内でコロナ19の流行が始まった今年1月20日以来で最も多い数字だ。防疫当局は一日の死亡者が急増したことは、連休期間で医療機関への届出が遅れ、集計が一度に行われた影響だという立場だ。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長はこの日のバックブリーフィングで、「死亡した日を見ると、28日に死亡した人が13人で27日に死亡した人が11人、それ以前に死亡した人が16人」だとし、「22日に死亡した患者も今日の統計に集計されて発表されたが、連休期間におそらく届け出が遅れた部分もあるようだ」と説明した。
しかしこのような説明を考慮しても、最近になってコロナ19の死亡者数が急激に増えているのは事実だ。今月初めまでは一日の死亡者は一桁にとどまったが、15日に初めて二桁にのぼった後、10~20人を維持している。今月の累計死亡者は333人で、死亡者全体のうちで3分の1を超える数字が今月中に死亡した。ここ一週間で死亡した感染者だけで137人にのぼる。
死亡者が急増しているのは、療養病院や介護施設など感染症脆弱施設での集団発症が相次ぎ、「高危険群」である60代以上の高齢層の患者が増えたためとみられる。中央防疫対策本部によると、この日の死亡者40人のうちの約70%は療養病院・老人ホームで発生した。通常、確定されてから10日後に危篤・重症患者になり、死亡者は2~3週間後に発生する。
今月に入って発生したコロナ19死亡者のうちで療養病院や老人ホームで亡くなった事例は55人で、今月の死亡者全体333人のうちの16.5%を占めていることが分かった。高流量(high flow)酸素療法や人工呼吸器などの治療が必要な危篤・重症患者も一日ぶりに35人増えて330人と集計された。医療現場では、療養病院の集団感染が広がってコロナ19の感染者が発生した場合、外部と隔離して療養病院で治療にあたる現行の療養病院コホート(同一集団隔離)方針が事態を悪化させているという指摘も出ている。
■ 隔離解除の国民請願
実際に最近、コホート隔離されている療養病院の医療陣が「国民請願」を通じて「患者を救出してほしい」と訴えている事例もあった。ソウル市九老区のミソドゥル療養病院の医療関係者は28日、青瓦台の国民請願掲示板に「コホート隔離されて、日本のクルーズ船のように閉じ込められて死んでいる療養病院の患者を救出してください」というメッセージを載せた。ミソドゥル療養病院は現在、累積で170人が確定しており、看護師9人が感染したところだ。
請願人は「日本のクルーズ船で確定者が発生したが、日本政府の誤った判断でコホート隔離されて712人が感染して13人が死亡したと聞いている。全世界がこれを非難したが、これより度を超えたことが大韓民国で起きている」とし、「使命感で働いていた看護師たちがつらい看病と看護の中で確定者になった」と状況を説明した。
■ 「感染症専門療養病院」の指定を
感染症の専門家らは、療養病院で患者が発生した時に移動して治療できる「感染症専門療養病院」を指定して、集中管理に乗り出してほしいと注文している。キ・モラン国立がんセンター教授は、「療養病院や介護施設などで集団感染が発生した場合、医療スタッフと介護者も確定あるいは密接接触者になり、自己隔離することで人力そのものが減るが、だからといって外部から人材を引き込むことも難しい」とし、「感染症専門療養病院が必要なのはこのためだ」と強調した。
チャ医科大学のチョンビョンヨル医学専門大学院教授も「療養病院などは大学病院レベルの集中治療室を備えたものではなく、事実上は延命する程度の治療が提供される医療機関」だとし、「これらの人々がコロナ19にかかると、集中治療専門病院に移すといっても回復が難しくなることがある」と診断した。