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テクノロジー > 健康・医学 > 韓国バイオ企業、20兆のヒュミラ複製薬市場に照準あわせる
超大型ブロックバスター医薬品「ヒュミラ(Humira/成分名アダリムマブ)」の特許が来年、米国市場で期限切れとなる。このためか、すでに世界の製薬業界にはヒュミラ複製薬(バイオシミラー)をめぐって戦雲が漂い始めた。
ヒュミラは米国の製薬会社ABBV(アッヴィ)が2002年に公開した自己免疫治療剤で、全世界で最も多く売れた医薬品の一つにあげられる。こうした薬の特許が、それも世界最大の市場である米国で期限切れになるだけに、ヒュミラ複製薬を製造する世界の製薬業者間の市場争奪戦が熱くなる見通しだ。
30日の製薬業界によるとヒュミラの特許満了を控え、米アムジェン社の「Amgevita(アムジェビタ)」、独ベリンガーインゲルハイムの「Cyltezo(シルテゾ)」、米ファイザーの「Abrilada(アブリラーダ)」などのバイオシミラー製品が次々と米国市場で出荷される予定だ。現時点で少なくとも8製品が出荷を控えている。
韓国ではサムスンバイオエピスとセルトリオンが市場に飛び込んでいく準備をしている。サムスンバイオエピスは来年6月末以降、「ハドリマ(Hadlima)」を米国市場に出荷する計画だ。
ヒュミラは2012年から世界販売1位の座を守っている。昨年のヒュミラの売上げは207億ドル(約25兆2436億ウォン)だ。このうち米国の売上げは、全体の80%を超える173億ドル(約21兆973億ウォン)に達する。グローバルな医薬品市場調査機関であるEvaluate Pharma(エバリュエイトファーマ)によると、ヒュミラは多様なバイオシミラーが出荷されると、2026年の世界売上げは145億ドルに急減すると予想した。バイオシミラー産業に地殻変動が予想される理由だ。
最初に米国市場に出荷されるバイオシミラーはアムジェンの「アムジェビタ」だ。ふつうバイオシミラー市場では最も早く発売した製品が、市場シェアを高めるところに有利だと評価される。「アムジェビタ」は来年1月末を出荷予定日とする。続いてサムスンバイオエピスの「ハドリマ」が来年6月末、「シルテゾ」「アブリラーダ」「 Yusimry(ユシムリー)」が来年7月1日の出荷を準備している。Alvotech(アルボテック)社も最近アッヴィとの特許合意を終え、来年7月1日の出荷を準備している。この中でサムスンバイオエピスは今後の米国バイオシミラー市場がさらに拡大すると見て、米国市場攻略のためにパートナー企業と協力を強化している。
サムスンバイオエピスは2018年10月、欧州でヒュミラのバイオシミラー(ヨーロッパ製品名「イムラルディ」)を出荷し、協力社のバイオジェンを通じて販売中だ。「イムラルディ」の売上げは2020年に前年比で17.6%増え、昨年も7.9%増加した。
セルトリオンはヒュミラのバイオシミラーである「ユープライマ」に対し、年内に米国の許可を受けることを目標に規制当局と協議を進めている。早いうちに許可手続きを終えて、市場発売戦略を整えるという計画だ。 「ユーフライマ(Yuflyma)」は高濃度製剤ヒュミラバイオシミラーだ。既存のヒュミラバイオシミラー製品が低濃度で開発されたことに比べ、「ユーフライマ」は低濃度製品との比較で注射液を半分に減らし、痛みを誘発することがあるクエン酸塩(クエン酸塩)を除去した高濃度製剤として差別化した。