トップ > テクノロジー > IT・科学 > 遺伝子組み換え作物は科学が産んだ悪魔か贈り物か
国内で研究開発中の遺伝子組み換え（GM）作物の安全性審査が、早ければ来年初めに開始される。これらの作物は安全性審査を通過すると、韓国でもGM作物の育種技術を持つことになる。技術を持つことになると、遠くない未来に商業化の手順を経て、国内でこれらの作物を栽培することもできる。現在、国内で開発中のGM作物の中でも開発終盤に至ったGM作物は、糖尿病・心臓病などの病気予防に効果がある稲2種と、ウイルスに強い唐辛子、除草剤に強い芝などの総6種だ。このほかに農業用遺伝子組み換え生物（GMO）の場合、総17種作物で180種以上にのぼる。
まだ研究の初期段階だが、これからの気象異変に対応するために、寒さや暑さのなかでよく育つ稲や大豆などのGM作物の研究も進められている。塩分濃度の高い干拓地でよく育つ稲もまた開発が盛んだ。GM作物の育種技術を保有することになると、食料自給率が20％前半に過ぎないわが国が食糧主権を確保することになる。しかし、一部にはGM作物が持っている潜在的な危険性に重きを置いて、開発に反対する視線も存在する。GM作物はバイオテクノロジーを利用して、元来の遺伝子を人為的に操作した作物で、1990年代後半から実用化された。遺伝子操作でビタミンなどの栄養成分を追加して栄養不足を解消したり、病気・災害に強い作物を作って生産性を向上させたりする。しかし長期間の栽培時に、生態系に撹乱をもたらしうるという憂慮が提起されうる。人が服用する場合に、人体に害がないという点もまだ明確に明らかにされていない。
いま国内で実際に生産されて流通している作物はないが、わが国は「GM作物の最大消費国」のうちの一つだ。わが国は数年前から年間約900万トン規模の飼料・食品、加工用GM大豆とトウモロコシなどを輸入してきている。食品医薬品安全処によると、昨年の時点で輸入された食品用トウモロコシは180万トンで、このうち半分以上の52％がGMトウモロコシだった。わが国のトウモロコシの自給率が0.9％である点を勘案すれば、現在国内で流通しているトウモロコシ原料食品の半分以上にGM作物が入っているわけだ。
来年初に予定された国内開発のGM作物の安全性審査に対し、農村振興庁のパク・スチョルGM作物実用化事業団長は、技術力確保の次元で必ず必要だと強調した。すでに全世界的に安全性審査を通過したGM作物は350種以上、しかし、いまだわが国のGM作物は安全性審査を受けたことがない。パク団長は、「いつかGM作物が必要な時期が来たときに、わが国に技術がなければすべてのGM作物を輸入に依存しなければならない状況が発生しうる」とし、「今回の安全性審査は、わが国のGM作物の商用化技術を確保するための最初のステップになるだろう」と語った。
GM作物の安全性評価は環境リスク・生態系の破壊・有毒検査などを含めて、11項目の60あまりの検査で行われる。総合評価にかかる期間は約2年から3年程度とみられる。しかし、まだ市民団体と一部の科学者はGM作物に対する抵抗感を示す。人為的に遺伝子操作を行ったので、人体にどのような影響を与えるかわからないという漠然とした不安感が存在するからだ。
国内団体は、GM作物を明確に表記していない関連食品に対して不安な姿を見せ、欧州連合（EU）のようにGM作物の成分が入ったすべての食品に、GMOという表記をしなければならないと主張している。現在、国内基準によると変形した遺伝子DNAやタンパク質が残っている加工食品に限ってGMOと表記することになっている。食薬処側は、「仮にGM作物で食用油を作ると、GM作物から脂肪だけを抽出するために変形した遺伝子は残っていないし、タンパク質も加熱すると変性してDNAが消えることになる」とし、「この場合、GMO表記をしないことになっている」と説明した。これに対して「経実連（経済正義実践市民連合）」などをはじめとする国内団体は、依然として「GMO作物に対して政府が隠すほど、消費者は市販されているもやしと豆腐・豆乳製品などの疑い不安がるしかない」という否定的な見解を固守している。
状況がこのようなことから、安全性評価が完了したとしても、国内でのGM作物が商業目的のために栽培されるまでにかなりの時間がかかるものと見られる。パク団長は、「十分な世論収斂を経る期間とさまざまな評価が追加で必要になるので、GM作物の商業化は10~15年以上かかるだろう」と予想した。
遺伝子組み換え作物は科学が産んだ悪魔か贈り物か
「来年から安全性審査」国内でも180種を開発中…10~15年後実用化、「人体に有害」論争熾烈
まだ研究の初期段階だが、これからの気象異変に対応するために、寒さや暑さのなかでよく育つ稲や大豆などのGM作物の研究も進められている。塩分濃度の高い干拓地でよく育つ稲もまた開発が盛んだ。GM作物の育種技術を保有することになると、食料自給率が20％前半に過ぎないわが国が食糧主権を確保することになる。しかし、一部にはGM作物が持っている潜在的な危険性に重きを置いて、開発に反対する視線も存在する。GM作物はバイオテクノロジーを利用して、元来の遺伝子を人為的に操作した作物で、1990年代後半から実用化された。遺伝子操作でビタミンなどの栄養成分を追加して栄養不足を解消したり、病気・災害に強い作物を作って生産性を向上させたりする。しかし長期間の栽培時に、生態系に撹乱をもたらしうるという憂慮が提起されうる。人が服用する場合に、人体に害がないという点もまだ明確に明らかにされていない。
いま国内で実際に生産されて流通している作物はないが、わが国は「GM作物の最大消費国」のうちの一つだ。わが国は数年前から年間約900万トン規模の飼料・食品、加工用GM大豆とトウモロコシなどを輸入してきている。食品医薬品安全処によると、昨年の時点で輸入された食品用トウモロコシは180万トンで、このうち半分以上の52％がGMトウモロコシだった。わが国のトウモロコシの自給率が0.9％である点を勘案すれば、現在国内で流通しているトウモロコシ原料食品の半分以上にGM作物が入っているわけだ。
来年初に予定された国内開発のGM作物の安全性審査に対し、農村振興庁のパク・スチョルGM作物実用化事業団長は、技術力確保の次元で必ず必要だと強調した。すでに全世界的に安全性審査を通過したGM作物は350種以上、しかし、いまだわが国のGM作物は安全性審査を受けたことがない。パク団長は、「いつかGM作物が必要な時期が来たときに、わが国に技術がなければすべてのGM作物を輸入に依存しなければならない状況が発生しうる」とし、「今回の安全性審査は、わが国のGM作物の商用化技術を確保するための最初のステップになるだろう」と語った。
GM作物の安全性評価は環境リスク・生態系の破壊・有毒検査などを含めて、11項目の60あまりの検査で行われる。総合評価にかかる期間は約2年から3年程度とみられる。しかし、まだ市民団体と一部の科学者はGM作物に対する抵抗感を示す。人為的に遺伝子操作を行ったので、人体にどのような影響を与えるかわからないという漠然とした不安感が存在するからだ。
国内団体は、GM作物を明確に表記していない関連食品に対して不安な姿を見せ、欧州連合（EU）のようにGM作物の成分が入ったすべての食品に、GMOという表記をしなければならないと主張している。現在、国内基準によると変形した遺伝子DNAやタンパク質が残っている加工食品に限ってGMOと表記することになっている。食薬処側は、「仮にGM作物で食用油を作ると、GM作物から脂肪だけを抽出するために変形した遺伝子は残っていないし、タンパク質も加熱すると変性してDNAが消えることになる」とし、「この場合、GMO表記をしないことになっている」と説明した。これに対して「経実連（経済正義実践市民連合）」などをはじめとする国内団体は、依然として「GMO作物に対して政府が隠すほど、消費者は市販されているもやしと豆腐・豆乳製品などの疑い不安がるしかない」という否定的な見解を固守している。
状況がこのようなことから、安全性評価が完了したとしても、国内でのGM作物が商業目的のために栽培されるまでにかなりの時間がかかるものと見られる。パク団長は、「十分な世論収斂を経る期間とさまざまな評価が追加で必要になるので、GM作物の商業化は10~15年以上かかるだろう」と予想した。
- 毎日経済_イ・セボム記者／ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2014-11-03 17:13:52
