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[科学の香り] サンマがクァメギに、青は藍より出でて藍よりも青し

韓国科学技術情報研究院(KISTI) 

  • [科学の香り] サンマがクァメギに、青は藍より出でて藍よりも青し
厚いコートや毛糸のマフラー、毛糸の手袋が恋しい日々はあまり残っていない。いつの間にか冬の終わりにいるのだ。暖かい春が来るのが嬉しくもあるが、もう冬が過ぎたのかという残念な気持ちも大きい。しかし、11月から初春までに味わうことのできる食べ物がある。それがまさに、クァメギだ。

▶ クァメギの由来

慶尚北道浦項の冬の珍味のうちの一つであるクァメギは、ニシンやサンマが凍ったり溶けたりを繰り返しながら海風によって乾燥したものだ。1960年代以降、ニシンの生産量が減り、最近のクァメギには主にサンマを使用する。クァメギという言葉は「貫目青魚」から出てきた。串をニシンの目に差して乾燥させたという意味だ。

クァメギを食べるようになった理由はいくつかの説がある。漁村の特性上、倭賊の侵入が頻繁に発生していたが、漁船を倭賊に奪われニシンを屋根に投げたのだが、それが凍ったり溶けたりを繰り返しながらニシンが発酵して自然にクァメギになったのだ。

もう一つの説は、漁村に住んでいたある学者が漢陽(現ソウル)に向かう途中に浜辺でニシンを乾すのを見て、あまりにもお腹がすいていて、それを食べたのだが味がとてもよかった。そこで、その学者は毎年冬になると、ニシンを乾かして食べたことからクァメギが始まったという話もある。

由来はどうであっても、クァメギは今、冬の国民食として愛されている料理のうちの一つだ。クァメギは主に海岸沿いの近くの村でトクジャン(乾燥室)を建てて、凍らせたり溶かしたりを繰り返しながら作られる。しかし、単に凍らせて溶かすのではない。昼と夜の温度差を利用して凍らせて溶かすことを繰り返しながら、半月以上熟成させたものだ。海風が作り出した作品といえる。

▶ 国民魚、サンマ

クァメギの主材料であるサンマは寒流性魚類で、韓国の近くでは5~8月頃に産卵する。主に暖流と寒流が交差する地域に広く分布し、サンマの最適水温は17.5度だ。サンマは総脂肪の82%が不飽和脂肪だ。また、サンマ100グラムあたりのカロリーは262キロカロリーでカロリーが低い方なため、ダイエットや血管の健康に良く、成人病を予防するのに有用だ。サンマは柚子やレモンよりもビタミンCが3倍高いと知られている。

サンマはくちばしの周りが少し黄色を帯びているものがおいしい。あまりにも大きいものよりは、小さくてぽっちゃりしたものがおいしいのがサンマだ。サンマはクァメギだけでなく、さまざまな方法で食べることが可能だが、簡単に食べられるのはサンマの塩焼きだ。キムチと一緒に煮込んだサンマのキムチチゲ、各種野菜を入れて煮たサンマの煮物など、さまざまな方法で食べることができる。サンマはビタミンが豊富な酸性食品なので、エゴマの葉のようなアルカリ性の野菜と一緒に食べると相性が良い。

▶ 噛めば噛むほど香ばしいクァメギ

再びクァメギに戻ってみよう。サンマは脂肪成分とタンパク質が豊富だ。普通、脂肪やタンパク質は空気に触れると腐敗する。しかし、サンマの皮は肉を保護膜のように囲んでいるため、腐敗させずに熟成させることができる。

原材料のサンマも肌に良いDHAとオメガ3脂肪酸がたくさん含まれているが、クァメギとして作ると、その量はさらに増加することが分かった。また、クァメギを作りながら核酸が生成される。核酸は肌の老化を防止し、体力や脳機能の低下を防いでくれる効果がある。酒のつまみにクァメギをたくさん食べるが、クァメギにアスパラギン酸という成分が含まれており、二日酔いを解消してくれることで知られている。

クァメギを初めて食べる人の中には、魚の生臭いにおいがするという偏見により、簡単に食べられない人がいる。しかし、よく熟成されたクァメギはサンマの澄んだ油のにおいがして、噛めば噛むほど香ばしい肉の味を感じることができる。

2000年代前までクァメギは産地の人々だけが食べる食べ物だったが、最近は望めばソウルでも食べることができる食べ物になった。クァメギを求める人が多くなり、熟成方法にも多くの変化が生じた。半月ほど海風に熟成させる「定石乾燥」から、一日だけ乾燥機で乾かしたクァメギも登場した。

▶ ぴりっとしたニンニクと一緒にクァメギを

クァメギの産地に行くと、ワカメや海苔と一緒にではなく、そのまま「チョジャン(唐辛子酢味噌)」をたっぷりつけて食べる。初めて食べる人は、生臭いにおいがするため、そのように食べることは難しい。生ワカメと海苔、エゴマの葉、ハクサイなどの野菜と一緒に食べると生臭いにおいと、クァメギの油の脂っこさを抑えることができる。この時、ニンニクを一緒に食べることが重要だ。クァメギには多くのビタミンが含まれているが、ビタミンB1を破壊する成分がある。ニンニクはこれを補ってくれるためクァメギと一緒に食べるといい。

クァメギは空気と触れないように新聞に巻いて冷蔵保管するとよく、できれば購入した後、20日以内に食べることが望ましい。

冬はまだ終わっていない。今年の冬が終わる前に、いつのまにか国民食として浮上したクァメギを食べて暖かい春を迎えてみよう。
  • 毎日経済_(文)ユ・ジン フードコラムニスト、コラム提供=韓国科学技術情報研究院(KISTI) | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-26 09:10:22




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