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マルチビタミンの真実、効果はあるのか


  • マルチビタミンの真実、効果はあるのか
各家庭ごとにマルチビタミン剤が1種類ずつはあるだろう。不足しているビタミンを栄養剤を通じて補充できると考えているからだ。

ビタミンは、生動力を持ったアミン(amin)物質という意味で、身体の正常な機能と成長を維持するために摂取しなければならない必須的な有機物だ。体内の生化学と生理学的な作用に関与するため、身体が正常な機能をするには必ず必要だ。ビタミンD、ナイアシン(Niacin)などの極少数を除いた多数のビタミンは体内合成が不可能なため、食品を通じて補充しなければならない。 ビタミンが体に良いという言葉は間違ってはいない。

ただし、ビタミンも「過ぎたるは猶及ばざるが如し(過猶不及)」だ。体に良いと言われるからと、誰もが無条件にたくさん摂取するからと、役立つわけではない。

▶ WHO、ビタミンCを1日1000ミリグラム以上食べると副作用の懸念

最も普及しているビタミンといえるビタミンCの場合、マルチビタミン剤1粒に通常90ミリグラム程度が含まれている。ビタミンCのサプリメントは、約1000ミリグラムほどだ。1日にビタミンCを100~200ミリグラム程度だけを服用しても、出血や骨の変質など体内のビタミンC不足により起こる壊血病を防ぐことができる。世界保健機関(WHO)は、ビタミンCを1日1000ミリグラム以上服用する場合、副作用が生じると警告している。通常ビタミンCは、摂取量の半分程度が胃から吸収される。1日1000ミリグラムを摂取するには、その2倍の2000ミリグラム程度は摂取しなければならないということだ。

問題は、ビタミンCが全ての人にって良いものではないという点だ。慶北大医科大学のイ・ドクヒ研究チームによると、糖尿病患者の場合はビタミンCを1日300ミリグラム以上摂取すると、冠状動脈疾患の死亡率が2.1倍、脳卒中の死亡率は2.4倍に増加するという研究結果を発表した。

▶ 米国ハーバード大学の実験では、摂取と非摂取グループの記憶力に差がなかった

ビタミンCだけに副作用があるわけではない。米コロラド大学医学部の研究チームの研究では、β(ベータ)カロチン(ビタミンA)を1日の推奨摂取量以上に摂取した男性の喫煙者は、そうでない男性の喫煙者に比べて5~8年後の肺癌発症リスクが18%以上高くなったことが確認された。2002年、医学専門誌『JAMA』は看護師7万2000人を対象にした実験で、毎日3ミリグラムのビタミンA製品を食べた看護師の骨粗しょう症の発生率が急激に上昇したという研究結果が発表された。ビタミンが常識のようにすべての人にとって薬になるわけではないということが証明されたのだ。

様々なビタミン成分を1粒で摂れるように作ったマルチビタミンも本当に効能があるかのかについて疑問が提起されている。

米ハーバード大学の研究チームが満65歳以上の高齢者6000人を2集団に分け、12年間に渡って一方にはマルチビタミン、他の一方には偽の薬を与えられた後、記憶力の比較実験をしたところ、2つの集団間に何の違いも現れなかった。研究チームは、ビタミンの効能を盲信するよりは、新鮮な果物や野菜を着実に食べて運動することがマルチビタミンよりも健康に、より役立つと結論付けた。

体に必要な各種ビタミンはバランスの取れた食生活をする場合は、別途のサプリメントがなくても十分に摂取可能だ。もし必要によってビタミン剤を服用する場合、空腹よりは決められた時間に規則的で食べることが役に立つ。
  • 毎日経済_イ・ヨウンウク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-02 11:20:16




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