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[アプリでお金を稼ぐ時代 ①] 億台年俸羨ましくない

アプリ開発者のブルーオーシャン「グーグルプレイ」 

  • [アプリでお金を稼ぐ時代 ①] 億台年俸羨ましくない
去る2月末、国内モバイル・リズムアクションゲーム「ラジオハンマー」がグーグルプレイ50か国余りの推薦ゲームとして選定された。数多いゲームの中からごく少数のみがグーグルプレイの選択を受けるため、推薦ゲームになるということは成功を保証されるという意味だ。それも50か国余りに推薦されたのでラジオハンマーの前途は坦坦たる大路であるしかない。

ひと月が過ぎた後、成績表を取ってみた。3月末基準のダウンロード数は5万件を軽く越え、推薦を受ける前と比べると10倍程度増加した。ラジオハンマーは有料アプリなのでダウンロード件数はすぐに収入と直結する。ラジオハンマーアプリのダウンロード価格は2999ウォン。売上は一か月後に1億ウォンほど増えた。

ラジオハンマーを開発したViny Labのナ・ドンヒョン代表は、「国内市場だけをもって見ると規模が相対的に小さく、競争が激しいレッドオーシャンだ。しかし、海外市場へ目を向けると話が変わる。スマートフォンがいま盛んに普及している新興国では高い可能性を垣間見ることができる」と語った。  

アプリ開発者たちの成功ストーリーがあちこちから聞こえてくる。無料アプリに広告をつけて収益を出したり、有料アプリをもって海外に出て外貨を稼いで来たりもする。すぐに収益モデルはないが価値を認められて外部から投資を誘致した事例もある。ファンファーレを鳴らす所は大企業だけではない。1人開発者やスタートアップ(小規模ベンチャー会社)形態を帯びた小さな企業も目立つ。

ナ・ドンヒョン代表は、「アプリ開発はこれまでと異なり障壁が低くなった。良いアイディアとこれをアイテム化できる実行力さえあれば誰でも始められる」と語った。モバイルゲーム「バウンシボール」で有名なRAON GAMESのパク・ヨンオク代表は、「1人開発者が大企業より有利な時もある。個人は自分が開発者であると同時に使用者であるため、アプリに対する反応を即座に感じ、修正することが可能だ」と語った。

成功したアプリ開発者の中には企業でない一般人も多い。KAISTで原子力工学博士の学位を取ったSUDのアン・サンハ代表は、「駐車の達人」「走行の達人」などを開発し、ひと月に1億ウォンを越える収入を稼ぐ。数日前にはフィンランドNOKIAの職員が訪れ、NOKIAの新製品に「走行の達人」ゲームを入れようと提案したりもした。SMART TOOLSのユ・ミンギュ代表は建設現場での経験を生かし、羅針盤・定規・水平器など各種道具をスマートフォンのアプリに具現し、海外から熱いラブコールを受けた。昨年稼いだお金だけで5億ウォンに達する。小学校の教師出身でClasstingのチョ・ヒョング代表は、教育用ソーシャルネットワーク(SNS)「クラスティング」をつくり、全国の小・中学校へ配布した。全国の学校の80%以上で使用中だ。チョ代表は、このアプリで現在まで15億ウォンほどの投資を受けた。

成功したアプリ開発者たちの共通点は、カカオトーク・ラインなど国内プラットフォームに頼らずグーグルプレイ・アップルのアップストアに直接進出し、独自に勝負を賭けたという点だ。失敗の確率が高いが反対に成功する場合、その波及力はものすごい。グーグルプレイコリア・アンドロイド開発者支援担当のヤン・チャンソク氏は、「国内のアプリ開発者の競争力が高いため、グローバル市場を目標にする必要がある。グーグルプレイにゲームを登録する場合、全世界190か国余り、10億人に同時に披露する効果を享受するようになる」と説明した。
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創意的なアイディアと実行力が成功の秘訣…マーケティング力不足を克服するには面白さで勝負


収益配分の側面でもグーグルプレイ・アップルのアップストアに直接進出するのがいいかもしれない。直接進出すればグーグル・アップルがもっていく手数料以外に70%がすべて開発者の取り分になる。一方、「カカオゲーム」などに入店すると、グーグルとアップルに支払う30%の手数料を除外した70%を再び7対3に分け合わなければならない。結局、開発者が手に握る収益率は49%と低くなる。

もちろん、アプリ開発に飛び込むからといって誰でも成功するものではない。初期開発費用が少なくかかるとしても、使用者に知らせてダウンロードに繋げるにはマーケティング能力が後押しされなければならない。モバイルゲーム業者がカカオの高い手数料政策にもかかわらず、躍起になってカカオゲームに入店しようとするのも、独自のマーケティング能力に限界を感じるからだ。とくに、個人がつくった1人開発者アプリはさらにそうだ。モバイル・レーシングゲーム「リボルト2」を開発したWe go interactiveのパク・ノイル代表は、「マーケティングや広報をしなければ1人開発者がつくったアプリはうまく露出されない。使用者が接する機会がないため、数多くのアプリが知られもする前にそのまま死蔵する」と語った。

だからといって放棄することではない。足りないマーケティング力を面白さで埋めることができる。パク・ヨンオク代表は、「広報も重要だが、まず面白くさえあればまたたく間に知らされ、自然と広がる。個人はマーケティングをするには手におえないため、まず面白さに焦点を合わせてみる戦略も有用だ」と語る。

アプリ開発者が注意しなければならない点は? グーグルの推薦を受けるにはガイドライン遵守から


グーグルプレイに登録されたアプリが100万個を越えた。差別化されたアイディアと熱情だけでは成功を保証されない。戦略的な接近が必要な時点だ。成功したアプリ開発者にアプリ開発時に注意しなければならない部分を尋ねた。

まず、最初から上手くいくことはできない。アプリをぽつりと一つ出しておいて大ヒットを打つまぐれは望むなという話だ。パク・ヨンオク代表は、「開発者がアプリを披露して反応が良くなければ放棄する場合が多い。しかし、成功した開発者は最初から大ヒットを狙わない。5~10個程度のアプリを着実に出してこそ、そのうち一つでも命拾いするかもしれない。アプリが日の目を見るまでかかる時間はそれぞれ異なるが、早ければ5~6か月で、長ければ1年もかかる」と語った。

2番目、自分がよく知っている分野で挑戦するのが重要だ。ゲームが売れるからといってゲームアプリを作っては困るという意味だ。パク・ノイル代表は、「自分が好きでよく知っている分野で挑戦しなければならない。例えばカメラをよく知っているならこれと関連したアプリを開発した時、自らマーケティングしやすく、成功の可能性も大きくなる」と主張した。

3番目、グーグルのガイドラインを遵守する必要がある。開発者中心のアプリを出して使用者から大きな反応は得られない。グーグルガイドラインを守れない場合、グーグルプレイ推薦対象にあがれないのはもちろんだ。2012年、グーグル開発者大会で公開されたガイドラインには、数種類の原則がある。必ず高解像度を支援しなければならず、主要言語を現地語に翻訳しなければならない。グーグルでない他の決済手段を要求したり、ゲーム内の保証金を餌に使用者が星を5個つけるよう誘導するのは無条件に「だめなこと」だ。

4番目、有料アプリの場合、現地市場に合わせて価格設定をしなければならない。韓国で5000ウォンだからといって米国で4.65ドルを受けるといえば失敗の確率が高い。パク・ノイル代表は、「米国現地では4.99ドルをアプリの価格として多く使うため、その決済単位に合わせて価格を策定しなければならない。現地人はアプリを購入する時、そのような単位を見て買う価値のあるアプリなのかそうでないのかを決定する」と語った。

むやみに価格を高く策定するのも禁物。海外の場合、有料コンテンツも自分が必要なら積極的に購入するが、類似したアプリが登場した時、価格競争力を失いやすいため、適正ラインに合わせる努力が必要だ。ユ・ミンギュ代表は、「ツールボックスアプリのパッケージアプリを出した時、コンサルティング業者は4.99ドルが適正だといったが、2.5ドルを越えないようにした。その価格政策のおかげでステディセラーアプリとして定着することができた」と耳打ちした。
  • 毎経エコノミー_キム・ホンジュ記者、ソ・ウネ記者/イラスト_チョン・ユンジョン
  • 入力 2014-04-14 09:12:23




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