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韓国バイオ企業「膵臓癌治療の新薬」開発

KAELGemVax「GV1001」英国で臨床第3相効果立証...年末に許可見込み 

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国内バイオテクノロジー企業KAELGemVaxの膵臓がん治療薬「GV1001」の治療効果が立証された。

英国リバプール大病院がんセンター長ジョン・ネオプトレモス教授と研究陣は15日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)「イオタクシン」と呼ばれる物質の数値が高い膵臓がん患者の場合、GV1001が生存率を増加させたと明らかにした。

臨床試験の結果、血中イオタクシンの数値が高い患者間の比較では、GV1001を投与しなかった患者の生存期間は平均299日だったが、投与を受けた患者は平均451日を生存したことが分かった。生存率の上位5%のグループは623日も生存しており、これは対照群に比べ265日ほどより長かった。

キム・サンヂェKAELGemVax代表は、「血中イオタクシン数値が患者の生存率を向上させることができる“バイオマーカー(体の中の変化を把握できる指標)”であることを確認した」とし、「毒性や副作用のない、世界初の膵臓がん治療ワクチンの商用化を目前になった」と説明した。

GV1001はがん細胞についている「テロメラーゼ」を、免疫細胞が認識できるように助ける役割を行う。テロメラーゼは染色体の端に付いている酵素で、細胞の老化を抑制する機能を持っている。がん細胞はテロメラーゼが過剰に発現し、正常な細胞に比べて成長が早い。GV1001は、免疫細胞がテロメラーゼの過多発現したがん細胞を認識して破壊し、患者の生存率を高めることが分かった。GV1001は、1989年にノルウェーのバイオ企業GemVaxが開発した抗がんワクチンで、膵臓がんの第3相まで進められてきた。しかし、2008年のリーマンショックに端を発する欧州の通貨危機で、臨床第3相での進行が難しくなるやいなや、同年10月には国内のバイオ企業KAELが1000万ドルで買収し、臨床を進めてきた。

1100人あまりを対象にした世界最大規模の膵臓がんの臨床試験として注目された今回の研究では、昨年6月、GV1001を投与した患者と対照群の間で、統計的に有意な結果が検出されなかったと発表したことがある。キム代表は「意味のある結果を出すための残存率に、惜しくも至らなかった」とし、「さらに分析し、イオタクシンによって生存率に差異が現れることを調べた」と説明した。続いて「米アムゼンの大腸がん治療薬“ベクティビックス”も、2006年の臨床時に生存率の効果が見られなかったが、バイオマーカーを発見し効果があることが明らかになった」と語った。

KAELGemVaxはGV1001の商用化のために昨年、食品医薬品安全処に品目許可申請を終えた状態だ。ヨーロッパや米国でも品目許可申請を推進する計画だ。キム代表は「第3相の過程でGV1001は、痛みを軽減する抗がん消炎効果も発見された」とし、「がん闘病の過程で苦痛を軽減するという意味」と述べた。

キム代表は「今後は膵臓がんだけでなく、他のがんも苦痛なく治療できるように研究開発をしていく計画だ」と付け加えた。

■ 用語の説明
イオタクシン:体内から発見された遺伝物質。膵臓がん患者の48%はイオタクシン濃度が非常に高い。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-05-15 17:42:54




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