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「いびき女性」、骨折のリスク高まる


  • 「いびき女性」、骨折のリスク高まる
慢性的な疲労や睡眠障害をもたらす「いびき」が骨の健康にも悪影響を与えることが分かった。

延世大医学部のキム・ドクウォン教授チーム(医学工学)は、韓国の中年以上の女性にもたらすことがある様々な骨折リスクの要素のうち、いびきが深い関連性があることを疫学調査を通じて究明したと29日明らかにした。

キム・ドクウォン教授チームは「韓国人の遺伝体疫学調査」(KHGS)で韓国人遺伝体疫学調査の10年間(2001~11年)の資料を分析した。調査対象群は、40歳以上の6189人(男性2969人、女性3220人)だった。

キム・ドクウォン教授は「骨折は日常生活はもちろん生活の質を長短期的に低下させることがある疾患で、国内人口の高齢化傾向によってさらに増加すると予想されるだけに、これを予防するための努力の一環として研究を始めることになった」と明かした。

研究チームは、骨折を引き起こす様々なリスクとして年齢、身長、腰周り、喫煙、飲酒歴、肥満指数(BMI)、高血圧、糖尿病、リウマチ関節炎、骨粗しょう症の治療経験などのほか、生活習慣の1つとして「ひどい(重症)いびき」の要素を追加して骨折との関係性を調べた。このとき激しいいびきの基準として「隣の部屋から聞こえるほどの大きな音のいびき、または週に6~7回以上のいびき経験」とした。また骨折は強い外部衝撃(交通事故・暴行)や自分の背の高さ以上の場所から落ちたときの骨折を除き、「歩いたり日常生活を営む範囲内で滑ったり転倒した場合」に限定した。

分析結果、調査期間中に男性129人、女性273人が骨折を負った。 40歳以上の女性の場合のリスク要素別骨折リスクとの関係率は「骨粗しょう症の薬物治療経験」がある場合は1.86倍高くなり、本人が骨粗しょう症を患っている、あるいは骨粗しょう症により骨折をした家族がいる場合は1.66倍、そしてリウマチ関節炎を患っている場合は1.55倍高くなることが分かった。また高齢や大きなヒップ、小さな身長のリスク要素が骨折を負うリスクを高めることが明らかになった。

特にひどいいびきとの関連性において、40歳以上の女性は通常の人口集団に比べて1.68倍も日常生活の中で骨折を負うリスクが高まることが分かった。ただし男性の調査群の場合、重度のいびきと骨折との関連性において有意な結果の数値が得ることはできなかった。

キム・ドクウォン教授は「いびきが伴う『閉塞性睡眠時無呼吸症候群』が骨折のリスクを高めると思われる」とし「閉塞性睡眠時無呼吸症候群が続く場合は、十分な酸素を吸入できずに血液中の正常酸度(ph7.35~7.45)が低くなる酸性化、つまり「酸性血症」で骨密度の低下を招く」と説明する。実際に血液が酸性化を示せば、私たちの体は通常水準のイオン濃度を合わせるためにアルカリ成分を血液中に送り込んで中和させる。

このときの中和剤として使われる体内物質が私たちの骨の中にある「カルシウム」だ。カルシウム損失が継続的に行われると、骨減少を招くことが知られている。

セブランス病院内分泌内科のイ・ユミ教授も「閉経後の女性のうち自身がひどいいびきがある場合は、睡眠無呼吸と同伴された骨代謝における否定的な影響と日中の集中力などの低下により骨折リスクが高まる可能性があり、骨の健康にいっそう気を使う必要がある」と強調する。

今回の研究結果は、国際医学誌のひとつである「BioMed Central(BMC)Musculoskeletal Disorders」誌の最新号に掲載された。
  • 毎日経済 イ・ビョンムン 医療専門記者 / 写真=photopark.com | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-07-02 08:07:32




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