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副業で稼ぐ「Kバイオ」


  • 副業で稼ぐ「Kバイオ」

「コロナ19事態」の長期化で多くのバイオ企業が新薬開発・臨床・品目の許可申請などで困難を経験しているが、本業とはべつに副業が予想外の好調を見せ、反騰の支えとなっている。

幹細胞治療剤専門メーカーであるファーミセル(PHARMICELL)社は、本業である幹細胞治療剤の開発では期待したほどの成果を出せずにいる。去る3月、食品医薬品安全処に勃起不全幹細胞治療剤「セルグラム-ED(Cellgram-ED)」と前立腺がん・卵巣がん対象の抗がん免疫幹細胞治療剤「セルグラム-DC(Cellgram-DC)」の臨床第2相と第1相の申請書を提出したが、コロナ19事態で承認決定が遅れている。ファーミセルは肝硬変の治療に使われる「セルグラム-LC(Cellgram-LC)」も、当初の計画よりも遅れて今月末に第3相を申請する予定だが、確定したわけではない。

しかしこの会社が生産する原料医薬品「ヌクレオシド(Nucleoside)」は、コロナ19事態でむしろ売上げが急増した。ヌクレオシドはコロナ診断キット・診断試薬および遺伝子治療剤などの主原料として使われるためだ。ファーミセルが生産するヌクレオシドは全世界の「診断用および医薬用ヌクレオシド」市場の80%以上を占めている。ファーミセル製ヌクレオシドの第1四半期の売上高は、前年同期比で28%増の32億ウォンを記録した。受注量だけでも78億ウォン台に達し、すでに昨年のヌクレオシド総売上げ(70億ウォン)を超えた。

ヌクレオシドを含むポリエステル繊維用難燃剤、電子材料中間体などを生産するファーミセルのケミカル事業部の第1四半期の売上げは、前年同期よりも25%増の88億ウォンに増加した。ファーミセルの関係者は、「コロナ19診断キットの生産が増えたことで、ヌクレオシドの注文が急増している」とし、「ヌクレオシドを3月から本格的に出荷したため、第2四半期の売上げはさらに増加するだろう」と明らかにした。

国内最大のボツリヌストキシン製剤(ボトックス)企業のヒュージェル(HUGEL)社は、コロナ19で病院を訪れる患者が大幅に減ったことでボツリヌストキシンの需要も急減し、困難を経験している。これまで急速な成長を見せたボツリヌストキシン製品「ボツルレックス」の今年第1四半期の売上げは180億ウォンで、前年同期(203億ウォン)よりも減少するなど、長年続けてきた成長の勢いが急に鈍化した状態だ。

しかし医療機器を販売するメディテク事業部の業績はかなり良い。病院を相手に販売する脳動脈瘤の医療機器の販売増のおかげだ。脳動脈瘤とは頭蓋骨内の血管壁の一部が弱くなり、異常に膨らむ疾患だ。ヒュージェルは日マイクロベンション(MicroVention)社が開発した脳血管医療機器を国内で独占販売している。ヒュージェルの関係者は、「米国と欧州で好評を受けている血流遮断機の新製品もまもなく出荷する予定」だとし、「メディテク部門が今年初めて200億ウォン台を超える売り上げを記録するだろう」と期待した。

抗がん剤・ワクチン開発企業であるジェムバックス・アンド・カエル(GemVax & KAEL)社は、バイオとは無関係な情報技術(IT)フィルターで利益を出している。臨床試験中の認知症新薬候補物質「GV1001」などバイオ分野は売上げがほとんどなく、フィルター事業部が上げる利益で企業を運営している。 2008年にノルウェーの抗がんワクチン企業であるジェムバックスを買収して新薬開発事業に参入したジェムバックス・アンド・カエルは、もともとは半導体・ディスプレイ用のフィルターを製造する会社だったからだ。フィルター事業部の主な製品は、半導体やディスプレイ分野での汚染制御CAフィルター、特殊ガス除去装置、大気汚染防止設備などだ。昨年のフィルター事業部の売上げは第1四半期88億ウォンで、今年は同じ期間に64%急増した144億ウォンを上げた。

LG化学は糖尿病新薬の「ジェミグロ((Zemiglo)」や美容フィラー「イヴォワール(YVOIRE)」と成長ホルモン「ユートロピン(Eutropin)」などの主力製品のほかにバイオシミラー(バイオ医薬品ジェネリック)も生産している。セルトリオン(Celltrion)とサムスンバイオロジクスに両分された国内のバイオシミラー市場で生き残るために、LG化学は日本市場だけに集中する戦略を選んだ。

LG化学のバイオシミラーはリウマチなどの自己免疫疾患のオリジナル治療剤である「エンブレル(Enbrel)」を複製して作った「ユーセプト(Eucept)」だ。日本のエンブレル市場は4000億ウォン規模で、単一国では米国に続いて2番目に大きい。 2012年に日本の持田製薬とともに韓・日共同で臨床第1相を開始した後、2018年の5月と6月にそれぞれ日本と韓国で出荷した。 LG化学の関係者は「米国と欧州の代わりに成長している日本のバイオシミラー市場を攻略する隙間戦略を選択した」とし、「日本はバイオシミラー競争が比較的大きくなく、当局のバイオシミラー拡大政策のおかげでユーセプトのシェアが高まっている」と説明した。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-05-17 18:16:57




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