A. | 12部作で全体の上映時間は709分。ダウンロードしておいて、することのない週末にチキンとビールを食べながら観覧するのにちょうどいいです。 あらすじは簡単です。ゾンビウイルスが広がったある高校で孤立した人々と彼らを助けようとする人々が経験する極限状況を描いた物語です。 チュ・ドングン(朱東根)作家の同名ウェブ漫画を原作としています。 大学でアニメーションを専攻したチュ・ドングン作家はアシスタントなしで1日10時間ずつ1人で作業をしていますが、これまで宇宙人(『アドナイ』)、幽霊(『クィド』)、キョンシー(『キョンシー大騒動』)などホラーをテーマに活動してきました。 ウェブ漫画『今、私たちの学校は…』が実写化される場合は「レベルに関係なく残酷にしてほしい」と頼んだそうです。人が暮らす世の中がそれほど残忍だと感じるからでしょうか? ウェブ漫画が連載された時期は2009年5月から2011年11日までです。Naverウェブ漫画のサービスで2016年にタイ、インドネシア、中国で翻訳サービスを開始しました。 当時、実施されていれば今のように人気を謳歌できるかは未知数です。 ドラマ『今、私たちの学校は…』はヒットしたという話です。 公開初日、韓国、ドイツ、フランス、トルコ、ブラジル、タイなど25か国で1位を占め勢いは半月以上続きました。 最初の週の累積視聴時間は124,790,000時間で『イカゲーム』の6300万時間の2倍を超えます。 ドラマの興行に伴い、ウェブ漫画サービス地域も英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語を使う圏域に拡大しました。世界のほとんどの地域でウェブ漫画を楽しむことができるという意味です。 ゾンビウイルスは、原作ウェブ漫画とはドラマが全く違います。 原作では東海岸に沈んだ隕石に存在した宇宙生命体が、人を噛んで感染させウイルスが広がったと設定されています。ウイルスの名前は韓国で初めてウイルスが広がったヒョサン市のイニシャルをつけた「HSウイルス」です。 ドラマでは、イ・ビョンチャン先生が男性ホルモンのテストステロン(testosterone)を精製して作った物**として登場します。窮地に追い込まれたネズミが猫を噛むように校内暴力にあった息子が反撃できることを願う気持ちから作りました。彼はこのウイルスをドイツの生態主義哲学者、ハンス・ヨナス(Hans Jonas)から命名しました。 **テストステロンでウイルスを作るという設定は生化学的に話になりません。このホルモンはステロイド系の脂質ホルモンなので、これを精製したからといってタンパク質に包まれた核酸(RNA)を得ることは不可能です。 ヨナスウイルスの特徴はウェブ漫画のHSウイルスに似ています。 1. 感染者が被害者を噛み砕いたり感染者の血液が傷に触れると感染する。 2. 体温が下がり鼻血を流したり目が充血する症状が生じる。 3. 被害者が心停止になる。 4. 感染すると関節が折れる音がする。 5. ウィルスが宿主の脳を支配し目が赤くなる。 6. 恐怖が感染速度を決定する。 ウイルスを作った目的は校内暴力に対抗するためなので校内暴力と指導層の情けない振る舞い、未婚の母、NIMBY現象など社会的批判がにじみ出ています。キリスト教に対する風刺も欠かせません。 ここまで、これ以上話したらネタバレになってしまいます。 シーズン2が作られるでしょうか? 『イカゲーム』の記録を超える興行のおかげで、シーズン2の制作は既成事実と見る人が多いのは事実です。ドラマが終わるまで解けなかった疑問点、そして回収できなかった数々のヒントがあるのでシーズン2を作るのが難しくも見えません。 ドラマを演出したイ・ジェギュ監督はシーズン2の制作に希望を持っています。イ・ジェギュ監督は『ニュースN』とのインタビューで「ストーリー自体がシーズン2を念頭に置いて設定されているのでシーズン2が出ると、もう少し拡張された話になるのではないか?」と明らかにしました。 「シーズン1が人間の生存記だとしたら、シーズン2はゾンビの生存記者になりそうな気がする」という意見も伝えました。 常に悪の枢軸と認識されてきたゾンビの立場からドラマが作られるなんて、ずいぶん興味深い、そんな気がします。 |