A. | 全羅南道(チョルラナムド)の東南に位置する順天市(スンチョンシ)は人口の増加に伴い光州(クァンジュ)広域市を除けば全羅南道地域最大の都市となりました。そう言っても首都圏の都市とは比較にならないほど人口28万人を少し上回る水準です。 全羅南道庁東部地域本部、光州地方裁判所順天支部、鉄道公社光州全南(チョンナム)本部などの行政機関が入っている上、各学校が設けられた教育の中心地*です。近隣の麗水市(ヨスシ)の高い住宅価格も順天の人口増加に役立ちました。 地域の教育の中心地であるためか、8か所の公共図書館の他にも60か所以上の大小の図書館があります。それに人口数に比べて映画館も多い方です。CCTV順天店、CGV順天新台(シンデ)店、MEGABOX順天店など映画館3か所のスクリーンを合わせると24か所もあります。 そろそろ元のテーマである観光に話を移さなければなりません。 順天のドラマのロケ地は2008年に設けられました。SBSが『愛と野望』を制作し軍部隊がいた場所にロケ地を作りました。このドラマの撮影が終わった後も撤去せずドラマ、映画、ミュージックビデオのロケ地として使われました。 ここで撮影されたドラマを紹介しますと『エデンの東』(MBC、2008)、『製パン王キム・タック』(KBS、2010)、『ジャイアント』(SBS、2010)、『光と影』(MBC、2011)、『ラブレイン』(KBS、2012)、『感激時代~闘神の誕生』(KBS、2014)などがあります。 そして映画『夏物語』(2006)、『あなたは遠いところに』(2008)、『私のオオカミ少年』(2012)、『アトリエの春』(2014)、『情愛中毒』(2014)、『江南ブルース』(2014)、『いつか家族に』(2014)、『マルモイ ことばあつめ』(2019)などの舞台になりました。 韓国の舞踊科で伽椰琴(カヤグム)を専攻した女優のハン・スアと今は解散した6人組ガールズグループAPRILのミュージックビデオの背景にもなりました。MBC『!感嘆符』、MBC『遊ぶなら何する?』、KBS『1泊2日』などバラエティ番組にも登場しました。 ドラマと映画のタイトルを見れば分かると思いますが、1960~1980年代の時代劇を撮るのに最適です。実際のドラマ観光地は時代別に「60年代の順天邑内通り」、「70年代のソウル奉天洞(ポンチョンドン)タルドンネ」、「90年代のソウル下町通り」で造成されています。 ドラマのロケ地以外にも順天には見どころがかなり多いです。ちなみに観光客が一番集まるのはロケ地より湿地と鳥類保護区域に指定された順天湾**です。順天湾一帯にあるアシの林はカメラマンがシャッターを切り続けることができます。アシが茂る前は、2013年の国際庭園博覧会のために造られた「順天湾庭園」だけ見てもいいでしょう。 2000年代以前、順天の住民の間では順天湾を埋め立てて公団を作ろうという埋立派と湿地を保存すべきだという反対派が対立し激しい戦いを繰り広げました。意見の相違を縮めることができず埋め立て計画が放置されていましたが、2010年以後、全国の観光客を誘致する「金づる」になりました。
ドラマのロケ地と順天湾を見物するにはソウル以外に順天湾にあるトロリーバス(Trolley Bus, 無軌道電車)に乗るのがお勧めです。
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