Q.韓国では、すべての賭博が違法なんですか？合法の賭博もありますか？
| A. | 賭博をしたからといって、みんなが捕まるわけではありません。見つからなければ警察署に呼び出されることはありません。 ところが、ちょっと面白いのは、どんなに注意をしても賭博をした事実が知られてしまうということです。 なぜだかわかりますか。 賭博はひとりではできないからです。 キリスト教の聖書では善行を施すときに「左手がした事を右手が知らないようにしろ」と教えますが、ギャンブルでは左手がした事を右手が記憶しているのです。 相手がいるゲームなので、どこからか漏れ出すのです。勝った人は自慢げに冒険談を語って賭博の事実が知られ、負けた人はお金を借りながらばれることになります。以前、プロ野球選手のひとりが不法賭博で大金を手に入れたことからばれたことがあります。 韓国で賭博をしたからといって、すべてが法律に違反するのではありません。国が認定した賭博もあります。 韓国人が堂々と手を付けることのできる賭博は、宝くじ、スポーツトト、競馬、競輪、競艇、江原ランド（カジノ）、清道郡の闘牛の7つです。 牛があまりにもおとなしい動物なので、闘牛はほとんど角を突き合わせて力で押し出す方式で行われますが、戦いに負けた牛の負傷も軽い擦り傷程度にとどまる場合がほとんどです。そのため、闘牛を見物する外国人も動物虐待だと非難したりはしません。 動物たちの戦いにお金をかけるのは牛だけです。鶏や犬、馬、猫、猿、コオロギ、コガネムシなど、他の動物は違法賭博よりも先に、動物保護法に引っかかります。 国が認めた賭博でない場合は、すべて違法です。 個人や企業が宝くじを発行したり、許可されていないカジノを開いた場合は賭場開設容疑でつかまります。外国人だけが入場を許可されているカジノでギャンブルをして検挙されることもあります。 友人同士で軽い気持ちで遊ぶ花札も賭博に当てはまるのではないかという疑問がわくかもしれません。もちろん軽い気持ちで初めて、だんだんと金額が大きい賭博に変わる場合もあります。その場合には、違法賭博として検挙対象になります。 韓国で違法になるのかどうかは、通常、賭け金の総額により決定されます。ところが、賭け金の基準が少し曖昧です。10万ウォンの賭けを10回行ったら100万ウォンです。1万ウォンの賭けを1万回行ったら億台に増えます。賭けに参加した人が実際に持っているお金よりも賭け金が大きくなることがあるという話です。どうしたらそのような賭けが可能になるのでしょうか。 財布にないお金は借金になるからです。韓国人が最も楽しむ花札のゲームのうち、「ゴーストップ」という遊びがありますが、1点ごとに300ウォンを賭けた遊びで起訴された事例もあります。 もちろん額が大きいからと、全員が捕まるわけではありません。家族同士が集まって数十万ウォンが行き来する花札をして、花札が終わった後に返したりプレゼントを買ってあげるのであれば賭博とは関係ありません。友人同士が集まって、少し額が大きい賭けをしても、そのお金で会食をしたり、年末の集まりの資金として使う場合は賭博という罪名で警察署に行くことはありません。 だからこそ警察も賭け金の額と一緒にその賭けの意図を多く参酌します。これを悪用する賭け師もいます。農村のビニールハウスに賭博場を作って、近所の人と外部の人を混ぜて賭博をした後、警察に見つかった場合は近所の親睦のための集まりだとごまかすのです。通常は、詐欺師が作った賭博場なので、ビニールハウスを貸してあげて、いくらかを受け取った後に大変な苦労をする場合がしばしばあります。 詐欺賭博は賭博をしたからと捕まるのではなく、代わりに、さらに厳しい罪である詐欺罪でつかまります。 今回、林昌勇選手が問題になった海外遠征賭博の場合、例えばラスベガスや東京のカジノに行ったという理由で捕まることはありません。海外でギャンブルをしたからと問題になるケースは通常、外国為替取引法に違反することになるからです。韓国人が外国に行く場合、お金の種類とは関係なく、所持することができる現金に限度があり、数千万ウォンの賭けをした場合は、外国為替取引法に違反したことになります。 手元にお金がない場合は、何らかの方法でお金を借りることになりますが、お金を借りてから逃げてしまうことを防ぐためにパスポートを担保にとる場合があります。パスポートを預けてお金を借りた場合、旅券法違反になります。このように、違法なことを敢行して、ギャンブルをするほどになると、常習的に賭博をする病みつきのギャンブラーとして烙印を押されることになります。 余談ですが、賭博する人は「なぜ銀行の派生商品に対する取り締まりはせずに、私たちだだけを取り締まるのか」と抗弁したりします。確かに、銀行の派生商品にはギャンブルと似ている部分が多くはあります。派生商品とオプションが重なると、損益の下げ幅が広がります。韓国の最高記録では、49800％の収益率を記録したこともあります。 一攫千金した人は気分がいいでしょうが、派生商品は世界的な経済危機をもたらしてきた主犯でもあるため、このような賭博は、誰が防ぐべきなのか、わかりませんね。 |
- Lim, Chul
- 入力 2015-12-01 00:00:00
Copyright O2CNI All rights reserved.
