Q.韓国の「チムジルバン」は昔からあるものですか?

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A. 韓国でかなり有名な野球選手の呉昇桓(オ・スンファン)選手が阪神タイガースに入団したのはご存じですね?阪神タイガースはオ・スンファン選手のために沖縄のスプリングキャンプに韓国式サウナ「チムジルバン」をつくったといいます。もちろんここにはオ・スンファン選手だけでなく、阪神タイガースの選手たちもひっきりなしに出入りしていることは間違いありません。それにしても、韓国のチムジルバンがただしく世界に知れわたっているようで悪い気はしません。

韓国でのチムジルバンの歴史は本当に長くなりました。かなり昔にも、チムジルバンという名前のかわりに「プルガマ(火の釜)」という名前で、全国いたる所で営業していました。ほら、陶磁器や炭を燃やす窯があるじゃないですか。そういう窯から陶磁器や炭を取り出したら、人々がプルカマとして活用したと言われていますが、あまりにも熱いので布なんかを身にまとって入ったといいます。

歴史をさかのぼってみると、500年前にも今日と同じような形態の「汗蒸所(ハンジュンソ)」があったと言われており、かなり長い歴史をもっているといえます。最近のような形態のチムジルバンが生まれたのはおそらく1990年代頃と思いますが、2000年代に入ってから本格的に増え始めました。

チムジルバンの社会的役割は、まあたいしたものです。韓国からチムジルバンが無くなるからと寂しがる人がいないわけではないでしょうが、それでも社会が麻痺したりするようなことはないでしょう。「チムジルバン営業しろ」というプラカードを掲げて道端で訴える人もいないはずです。もちろんまったく機能がないということではありません。

2010年に北韓軍が延坪島(ヨンピョンド)に砲撃を加えた事実をご存じの日本人は多くないでしょうが、その当時こんなことがありました。砲弾が落ち始めるやいなやヨンピョン島の住民たちは仁川へ避難しましたが、まともに寝泊まりできるところを探せず、臨時でチムジルバンに居所を設けた者もいたとか。そういわれると、地方から上京してきた学生や懐具合のわびしい人が何日か泊まる所として、チムジルバンを選ぶ場合もまれにあります。夜遅くまで残業した会社員も、寝処を探してチムジルバンに行く場合も見ました。真夜中をはるかに過ぎると旅館に空き部屋がなかったり、まったく客を受付ない旅館もありますが、チムジルバンは来る客を拒むケースというのがありません。人が多くても横に慣れるスペースはいくらでも確保できますから。

こうしてみると、チムジルバンの社会的機能はまったくないとは言い切れませんね。ことのついでにもう一言いわせていただくと、週末に行くところがなく家族でチムジルバン詣でに出かけるケースもあります。そして、最近ではあまり見かけなくなりましたが、一時は友達同士でチムジルバンに行き花札を楽しむ姿をよく見かけました。チムジルバンの役割について「家族と友達の親交を深めるための集いの場所」という機能を加えることができますね。

Tip 1:今日のチムジルバンのような「汗蒸所」があったのは朝鮮時代の世宗(セジョン)の時です。当時の歴史記録を見ると、医療機関から医員を選抜して汗蒸所に派遣したという事実が記述されています。医師を汗蒸所に送ったという点で、汗蒸所が民間医療施設として利用されていたことが分かるでしょう。歴史的に見ると、温泉の多い日本でチムジルバンがとくに必要ないということを推測することもできますね。

Tip 2:チムジルバンに入ると、店から出される服装に着替えなければなりません。他の服を着ると、従業員から間違われるかもしれません。大概はTシャツと半ズボンですが、男女で色が異なるだけでデザインはほぼ同じとみれば良いです。成人と子どもの料金が異なりますが、親切な店では老人に割引を適用したりもします。

Tip 3:最近ではチムジルバンがとても多様になり、汗蒸幕(ハンジュンマク)だけでなく、PCコーナー・睡眠室・食堂・売店・ヘルスクラブどころか、カラオケとゴルフ練習場まで備えた所もできています。そのような店舗を構えているオーナーは、自分のチムジルバンのことを「複合文化空間」という表現を使ったりします。
  • Lim, Chul
  • 入力 2014-04-24 12:00:00

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