A. | 1990年代の末、韓国の歌謡界に突風を巻き起こしたボーイズグループは当然のことながらH.O.Tでした。H.O.Tはアイドル神話を生み出し、アイドルグループが爆発的に増加する触媒剤の役割を果たしました。 このようなH.O.Tに唯一対抗したグループが6人組ボーイズグループのSechsKies(ジャックスキス / ジェクスキス)でした。ジェクスキスのファン達はH.O.Tとジェクスキスが当時の歌謡界をリードしていた2大グループだと評価しますが、実際には唯一「俺たちだっていたんだぞ」と言えるグループぐらい(?)のものでした。それでもデビュー翌年の1998年にソウル歌謡大賞を受賞したのですから、ライバルだと称してもいいことでしょう。godや神話よりも人気が高かったのは事実です。
ウン・ジウォンとカン・ソンフンが練習生生活を始めたころ、H.O.Tが大ヒットを飛ばし、イ・ホヨンが急きょデュエットから6人組ボーイズグループへと路線を変更しました。急いで追加メンバーを募集して、学校でオルチャン(顔が非常に整っている人)として有名だったコ・ジヨン、釜山でダンスで有名だったイ・ジェジンとキム・ジェドク、友達についてきてオーディションを受けたチャン・スウォンが合流してチームが構成されました。 1997年4月15日、KMTV『ショー・ミュージックバンク』で1集アルバム収録曲の『学院別曲』で公式デビューし、SBSで地上波デビュー舞台を持ちました。『学院別曲』が成績至上主義の教育問題を批判する歌詞で構成されているうえに、キム・ジェドクの釜山の方言と華麗なダンスが人気を呼びました。 グループの名前であるジェクスキスはドイツ語で「6個のクリスタル(Sechs Kies)」という意味です。ところが、今でもはっきりとは明らかになっていない理由でたった3年で解散してしまいました。人気が落ちていたわけでもなく、全盛期を謳歌していたときに解散が発表がされたため、ファン達も驚きを隠せませんでした。 ジェクスキスが解散した年の2000年、その年の1月12日にデビュー1000日記念パーティーも開き、2月の末にジェクスキス2000コンサートも開きましたが、たった3カ月後の5月に解体するという記者会見を開きました。デビューしてから満3年にもならない、ファンクラブの創設式が行われてからたったの1年しかたっていないグループがなくなったのです。 リーダーであるウン・ジウォン(殷志源)の説明では「1999年のカムバックアルバムの販売量が伸びず、滅びた(失敗した)と言われたため、勢いで解体した」と言っていますが、これを信じる人はあまりいません。カムバックアルバムの販売量が50万枚と、5枚のアルバムの公式販売量である190万枚に比べて少ない方ではないためです。 また、他のメンバーであるイ・ジェジンが別の事実を明らかにしました。本来はその年の4月に解体しようとしていたが、チームがなくなるのが嫌で、自分が逃げ回ったせいで1カ月後に延期されたと言う話を2016年4月、あるテレビ番組で告白しました。彼は、ジェクスキスの解体についてメンバーたちがずいぶんと前から所属事務所との決別を望んでいたものの、所属事務所が一方的に解体した後、誹謗を繰り返したため放送出演も思う存分できずに活動を中断せざるを得なかったと明らかにしました。 とにかく、人気絶頂にあったグループがなくなったのですから、噂が後を絶ちませんでした。「音楽放送のリハーサルのときに、突発的な行動をとったためだ」、「マイクを落としたことが解体の理由だ」。しかし、所属事務所の社長が事実を明らかにしていないので、あくまで推測のみ無数に存在するだけです。 ジェクスキスが解体した後、驚くべき事実が明らかになりました。3年余りの活動期間中、ライブ舞台に立ち、バラエティ番組に出演して、全国ツアーまで行ったメンバーたちの稼いだお金が、たったの2億ウォンだったというのです。最初から企画会社とメンバーたちが契約書すら交わしていなかったため、ただただ企画会社から渡されるものを受け取っていただけだったのです。 当時の物価水準を勘案すれば、年俸7000万ウォンはサラリーマンが夢にも見ることのできない金額ではありますが、人気絶頂のトップスターだった上に、コンサートと映画出演、アルバム販売量、放送出演料を合わせてもたったの2億ウォンだなんて、搾取されたという言葉がささやかれるだけのことはあります。 ファン達は解体しないでほしいと、企画会社の前でデモも行いましたが、解体の決定を覆すには無力でした。最後の舞台に立ったジェクスキスをファン達は泣きながら見送りましたが、彼らを取材していたリポーターのチョ・ヨングの車をファン達がイ・ホヨン社長の車だと誤解して、ぼこぼこにした事件も起きました。ファンクラブが公式に謝罪し、弁償するための募金活動を行い、チョ・ヨングも許しながら、大きな摩擦は起きなかったことが、幸いでした。 チームが解体した後、ウン・ジウォンとカン・ソンフン、イ・ジェジンはソロで、キム・ジェドクとチャン・スウォンはグループJ-Walkとして活動しましたが、ウン・ジウォンを除いては大きく注目を集めることはできませんでした。コ・ジヨンは演技者に転向するためにに準備をしていましたが、2001年にKBSドラマ『COOL』へのキャスティングが取り消された後からは、事実上芸能界との縁を切りました。 韓国の歌謡界に昔を懐かしむレトロブームが巻き起こりながら、ジェクスキスの再結合についての関心も高まりました。問題は芸能界から去ったコ・ジヨンでした。メンバーたちがどのように説得したのかは分かりませんが、ジェクスキスは16年ぶりに再結合に成功しました。6月にはコ・ジヨンを除くメンバー5人が単独コンサートを開催する予定とのことなので、ファンクラブのDSFが振る黄色い風船を見ることができるかもしれませんね。 ▶ その後のジェクスキスの活躍は記事でチェック! ・16年ぶりカムバックのジェクスキス、上岩ワールドカップ競技場で熱い涙 ・再結成のジェクスキス(Sechs Kies)16年ぶりに新事務所…YGエンタへ ・カン・ソンフン「16年ぶりにジェクスキスの再結成、感激そのもの」 ・再結成したジェクスキス(Sechs Kies)の単独コンサートは下半期に延期へ ・ジェクスキスのウン・ジウォン、YGエンタとの奴隷契約について釈明 ・ジェクスキス(Sechs Kies)の単独コンサートは9月に決定…16年ぶりの公演 ・ジェクスキスのイ・ジェジン-カン・ソンフンがYGエンタと専属契約 ・16年ぶりカムバックのジェクスキス、TABLOの曲ですでに録音終えた ・ジェクスキス(Sechs Kies)、新コンサートポスターを公開「期待感UP」 ・ジェクスキスの過去・現在・未来を召還した単独コンサート「イエロー・ノート」 ・ジェクスキス、16年ぶりの新曲「3つの言葉」…TABLOがプロデュースで参加 ・帰ってきたジェクスキス、新曲「3つの言葉」が音源チャートオールキル ・ジェクスキス、ガオンチャート「10月デジタル部門」で総合1位に! ・ジェクスキス「『無限に挑戦』バブルだと評価されるのではと心配した」 ・ジェクスキス(Sechs Kies)、16年ぶりにリメイクアルバムを発売 ・ジェクスキス(Sechs Kies)、16年ぶりにリメイクアルバムを発売 ・ジェクスキス出身のコ・ジヨン、「スーパーマンが帰ってきた」に特別出演 ・ジェクスキス、「『スーパーマン』合流、コ・ジヨンの考えを尊重」 ・ジェクスキス「冷凍人間と言われてプレッシャー、ケアをしている」 ・ジェクスキス「軍に入隊するBIGBANGの替わり? 売り上げが…」 ・ジェクスキス、「45歳まではアイドルでいたいと思う」 ・ジェクスキス、「解体、当時には正しい決定だと考えた」 ・ジェクスキス、ヒット曲と「3つの単語」収録した「2016 Re-ALBUM」発売 ・ジェクスキス、来年1月にソウルアンコールコンサートを開催 ・「スーパーマンが帰ってきた」でジェクスキスのコ・ジヨンが4歳のスンジェと挨拶 |