A. | ※この記事は「[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について②:兵役の種類、社会服務要員の人数」の続きです。 ずいぶんと昔には、徴兵検査を受けているときに、実に面白い場面がよく見られていました。なぜか、女性用の下着を身に着けていて、恥をかいた人もいました。数百人が集まって検査を受けるため、本当にいろんな人がいます。 パンツだけをはいて検査を受けていたのですが、痔の検査の順番が来ると一列に並んで下着をおろしていました。今、思い出しても恥ずかしい記憶です。その後、兵務庁から半ズボンが支給されるようになり、2003年には人権委員会の勧告を受けて半袖のTシャツも配られるようになりました。 徴兵検査で1~4級を受ければ合格となりますが、最も評価が低い4級であれば、社会服務要員になります。 昔は1級のみが現役で、2~3級の中では高学歴者のみが現役で軍に行きました。1977~79年には、大学在学レベルの学力であれば4級であっても現役で入隊しました。1994年には高卒でも免除されずに、無条件に現役で行っていました。2000年以降には、4級判定を受けると、ほとんど補充役に分類されていましたが、2005年にはすこし曖昧になりました。その年の兵役需給に支障が生じることを懸念した兵役当局が、初めて身体検査を受ける大学生の場合は4級でも現役に分類したのです。ところが、予想以上に兵役需給が円滑になり、補充役に再び還元しました。しかし、すでに入隊して軍生活をしている人はどうしようもなく、現役で勤務することになりました。悔しいですが、仕方ありません。 2010年代以降は、上記の表のとおりです。身体検査で1~3級の判定を受けたからと、現役にならないこともあります。高校中退以下の学歴であれば現役で入隊することができません。 次は、身体検査の結果、1~3級の判定を受けても補充役に編入されたり、完全に身体検査をせずに第2国民役に編入されたり、兵役が免除される場合です。 ▶ 身体検査の結果、現役であっても、補充役になる人 - 父、母、配偶者または兄弟姉妹の中に戦没軍警や殉職軍人または傷痍の程度が6級以上の戦傷を負った直系の家族の男性(1人のみ) - 6カ月以上、1年6カ月未満の懲役又は禁固刑を宣告された人 - 1年以上の懲役又は禁錮に執行猶予を宣告された人 - 1974年12月31日以前の生まれで、父が死亡した独者。親が60歳以上の独者、あるいは2代以上の独者 ▶ 身体検査せずに第2国民役になる人 - 孤児 - 1年6カ月以上の懲役又は禁錮の実刑を宣告された人 - 1991年12月31日以前の生まれで外見上明白な混血 - 1992年12月31日以前の生まれで中学校を卒業していない人 - 性転換者 - 障害者(障害者等級が低い場合には、身体検査を受ける) ▶ 身体検査せずに免除 - 北朝鮮離脱住民 - 京畿道坡州市JSA(軍事境界線)近く、大成洞の住民 - 6年以上の懲役又は禁錮刑を宣告された人 - エイズ、白血病、桁右病、ハンセン病、肝臓移植をしてあげたり、受けて日常生活に障害のある患者 上記の事例をよく見れば分かると思いますが、悪いことをして刑務所に行った人は、兵役を免除されたり、補充役に編入されます。そのため、韓国では冗談で「軍隊に行きたくないなら刑務所に行きなさい」と言うこともありました。信じがたい話ですが、韓国戦争直後、戦争が再発して弾丸を受けるくらいなら、いっそ刑務所に行くという人がいたそうです。 今でもときおりそんな人がいます。しかし、兵務当局も簡単には騙されず、兵役逃れを理由に罪を犯した人は、犯罪事実を完全に無効にすることができるため、罪を犯して軍に行かないためには、そのための完全犯罪を犯す必要があるようです。 ▶ 公益シリーズの他の記事 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について①:韓国での公益への視線、イメージ [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について②:兵役の種類、社会服務要員の人数 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について③:補充役・公益・免除になる基準 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について④:常勤予備役と社会服務要員の違い [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑤:補充役にもいろいろ [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑥:現役を避けるためのさまざまな工夫 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑦:社会服務要員の配置先 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑧:社会服務要員と社会福祉施設 [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑨:公益出身の韓国芸能人-歌手編1- [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑩:公益出身の韓国芸能人-歌手編2- [韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑪:公益出身の韓国芸能人-俳優編- |