Q.[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑧:社会服務要員と社会福祉施設

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A. ※この記事は「[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑦:社会服務要員の配置先」の続きです。

社会服務要員(旧・公益要員)は、現在は国や自治体の一般行政業務をすることが最も多いですが、近いうちに社会福祉施設に派遣される人員が半分を越える見通しです。

政府の支援を望む福祉施設は増えるばかりですが、予算は限られているので、人でもただで使えというわけです。福祉施設は国や公共団体が運営するところもありますが、企業や個人が設立したところもあります。営利を目的として設立された福祉財団はありませんが、福祉施設も収支の打算をしますので、お金の管理をしないわけにはいきません。

社会福祉施設という分野で総括されていますが、細密に見るとかなり多様です。高齢者福祉施設、児童福祉施設、障害者福祉施設、青少年福祉施設、永久賃貸マンションの管理事務所がまず含まれます。このほか、障害者がリハビリ目的のためにものを作る作業場やフードバンク(フードマーケット)、報勲病院、赤十字社(血液院)もこの分野に含まれます。

赤十字社の運営する救護消印希望分かち合いサービスセンターと基礎生活受給者が仕事を見つけるために立ち寄る自活センターなども社会福祉施設のカテゴリに入れることができます。

上記の福祉施設の中で最も勤務が大変なところはどこでしょうか。韓国人もあまり知りませんが、正解は報勲病院です。患者が多いからでしょうか。それもありますが、病院だからとすべての場所が大変なわけではありません。

だいぶ昔の話ですが、江原道にある病院に配置された社会服務要員は、1時間に2~3人の外来患者のみを案内してあげて、一日中ネットサーフィンをして過ごしたそうです。さらに、勤務する要員が3人にもなるため、検索が忙しいとき(?)には同僚にお願いすることもできたという、本当に夢のような補職を引き受けていました。

報勲病院に配置されて「地獄に来た」と考えることになる理由は、この病院に入院している患者のほとんどが傷痍軍警や特殊任務従事者だからです。そのため、軍に行かない社会服務要員を患者が無視して人間扱いをしてくれないのです。暴言は日常茶飯事で、叩かれる場合もあるそうです。病院で患者に叩かれるだなんて。

さらに、報勲病院は慢性的な人材不足でストライキもよく起きるため、人手が足りないときにはその穴を当然、2年間移動せずに勤務しなければならない社会服務要員が埋めます。病院は24時間常時勤務をするため、社会服務要員は3交代で勤務を引き受けます。しかし、病院のスタッフが割り当てをするため、他人がしたくないような仕事が全て社会服務要員に割り当てられるそうです。

身体障がい者がいる病棟で入浴をさせたり、車椅子に乗せる大変な仕事も社会服務要員の役目です。ここまでは肉体労働でも我慢することができますが、夜中に騒動が起きたりすると本当に手に負えないそうです。緊急治療室での夜間勤務を引き受けることになる場合には、酒を飲んで暴れて怪我をした患者もいるそうですが、治療が少しでも遅れると大騷ぎし始めるそうです。医療スタッフにまで殴りかかろうとするそうですが、社会服務要員がなぜ緊急治療室に配置されたのでしょうか、そんなときに体を張って医療スタッフを保護しろという意味です。

報勲病院を除けば、残りの福祉施設の勤務条件はほぼ同じです。もちろん障がい者ワークショップ、フードバンク、永久賃貸マンション管理事務所、障害者福祉施設、老人福祉施設だからと、楽ではありません。しかしながら、奉仕する心で働くなら、少なくとも人としての待遇を受けることができますので、報勲病院に比べるなら、はるかに簡単です。

福祉施設、特に障がい者福祉施設に勤務する要員は、精神的な疲労感を訴えることがよくあります。福祉施設が宗教団体の支援を受ける場合が多いため、施設と関係のある宗教が自分と合わない場合には大変です。絶えず押し寄せる伝導の勧誘をいちいち拒絶することも大変です。特に福祉施設を運営する総務や財団理事長が直接勧誘してくる場合には困ったことになります。

それでも宗教を信じろという程度は我慢できるでしょう。最初から家の使用人のように働かせる人もいるそうですから問題です。これは、福祉施設だけでなく、政府機関でも同様に起こっていることですが、社会服務のために派遣された要員を個人的にこき使うのです。洗車をさせたり、たばこを買いに行かせたり、勤務評価をする人であるため無視することも難しいわけです。

ひどい場合には、兵役法違反で兵務庁に申告して所属機関を変えてもらうよう要求することもできますが、福祉施設の場合はほとんど不可能です。なぜかというと、社会服務要員をこき使うところであるほど、機関長が父、総務は息子、財団監査は叔父といった形で家族で運営しているところが多いので、正当な理由を突きつけても無視されてしまう場合が多いのです。機関の職員が口を合わせるため、兵務庁で調査すると言っても(あまり調査しませんが)、摘発することが困難です。

これだから一部では公益のために働く社会服務要員が個人が運営する福祉施設で勤務すべきなのかという疑問を提起します。これは、企業に勤務する産業技能要員も同様です。事実上、社会服務要員が望ましくない仕事に従事していること自体がILO(国際労働機関)が見るには強制労働に該当します。 ILOが強制労働を禁止しているので条約違反でもあります。

この問題を細かく取り上げるのはあまりにも頭の痛いことなので、今日はこの辺でたたんで、社会服務要員の最後の話として、公益出身の芸能人を次回に紹介します。

※この記事は「[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑨:公益出身の韓国芸能人-歌手編1-」へ続きます。

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  • Lim, Chul
  • 入力 2016-05-11 00:00:00

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