A. | 韓国人が感じる情は一言で説明が不可能です。軽くもあり、重くもあります。一目ぼれするような情熱的な愛とは異なり、情は長年積もって消えないあとです。 柔らかく甘くありながらも汚くてみじめに変わるものが情です。何も言わずに去ってしまった彼(彼女)を憎みながらも、心の中に残っている恋しさ、消えきらない思い出の残りが情です。 韓国人の情をよく表しているエピソードのひとこまです。 70代の老夫婦がTVのクイズ番組に出演しました。おばあさんに夫を四文字で略して表現してみろと注文しました。放送製作陣は「天生缘分」という答えを期待しましたが、おばあさんのよどみない答えは「平生怨仇」でした。 日本人にとって情が重く強い印象を受けるのなら、韓国人が感じる情よりは愛に近いと感じます。 では、なぜお菓子の名前に情という言葉がついたのか気になるでしょう。簡単に言えば製菓メーカーのマーケティング戦略であるだけです。 オリオン(旧東洋製菓)がチョコパイを韓国で初めてお目見えした時は1974年。アメリカに出張に行ったお菓子開発のチーム長が食べて味に驚いたあまり、帰国してすぐに研究に没頭し、似たような味を再現して商品として発表した。 この会社は商標を「オリオンチョコパイ」という名前で登録しましたが、チョコパイが人気を呼ぶと、ロッテ製菓、ヘテ製菓、クラウンなどの製菓メーカーが先を争って似たような製品を市場に出したところ、先発走者の地位を存分に享受したいオリオンは、商標権を主張して訴訟を提起しましたが、思ったようにはなりませんでした。そもそもチョコパイという商標が登録されていないうえに、チョコパイが既に広く知られている普通名詞と違わないという理由で、裁判所から棄却されたのです。オリオンは、その後、 1989年に製品名を「チョコパイ情」に変更し商標登録をします。 Tip1 :チョコパイを最もおいしく食べる方法は?凍らせて食べる、電子レンジで暖めて食べる。表側から食べるなどの方法があるが、 1位は「軍隊で食べる」である。 お腹が空いた訓練兵がトイレに隠れてチョコパイを食べていた。古参先任兵が隠れてこれを見守り黙認して席を離れる。今は軍にも食べるものが溢れ昔のことになってしまったが、かつては軍隊に行ってきた青年たちの口からチョコパイに関連するエピソードが絶えなかった。一説には、訓練兵時代に「甘い味」に飢えたせいで、砂糖の禁断症状が起きてチョコパイが「天上の食べ物」のように感じられたという。 Tip2 : 2つの丸いビスケットをマシュマロで接着してチョコレートを塗った菓子であるチョコパイは1917年に米国チャタヌーガ・ベーカリーで初めて作っとされ、今もムーンパイと言う名前で売られている。日本では1958年に登場した。チョコパイとムーンパイはビスケットの柔らかさと湿度で違いが生じる。チョコレートを塗られた後、熟成期間(2~3日)をかけて保管、マシュマロの水分がビスケットに移り、パンのように変化する。この湿気の調節が製菓会社が秘密として扱うノウハウだ。 |