A. | 若い人はほとんど使いませんが、年を取った人は時々こういう言葉を使います。 「いや、この人はカラスの肉を食べたのだろうか、どうしてこんなに物忘れがひどいのか」 非常に無知な人や非識字者を「カマクヌン」と呼び、用事や約束などを忘れた時に「カモッタ」という言葉を使いますね。まったく思いつかないときに「真っ黒に(カマッケ)忘れていた」と言うこともあります。頭の中が漆黒の闇に包まれて何も見分けることができない状態が真っ黒に(カマッケ)忘れることです。 カラス(韓国語の発音:カマギ)の羽が黒色で言葉も「カモッタ」と似ているため、物忘れと非識字者の象徴となってしまったわけです。鳥の中では狡賢いと言われるほど知能が高いカラスとしては悔しい役回りです。 カラスがたとえ群れのリーダーがおらず、自分よりも小柄なカササギとの縄張り争いで押され、烏合の衆といわれていても、韓国人たちも昔からカラスの知能が高いことは知っていました。 しかしなぜお粗末な記憶力の象徴となったのかは古い講談を聞いてこそ、その糸口が解けることでしょう。 時をわきまえず襲いかかる夫のせいで苦労していた妻がいました。彼女はカラスの肉が記憶力を減退させるという話を聞いて、夫が最初からそのことを考えつかないようにカラスの肉を与えました。しかし、問題はさらに深刻になりました。早朝から襲いかかってきた夫が10回目の作業を終えた後、くたくたになった夫人が言いました。 「うんざりされないのですか。どうしたら一日に10回ずつも…」 すると、夫がこのように答えました。 「いや、私がいつしたというのか」 朝鮮時代から伝わる18禁の話であるため、カラスの愛好家は記憶力減退イコール精力増強という等式を作ってしまいました。さらには、このような言葉も伝わっています。 地には人参(高麗人参)、海には海参(ナマコ)があるならば、空に天参がある。天参はもちろんカラスを意味します。男性の力を沸立ててくれる飛ぶ生き物として鶏、クイナ、スズメ、ウズラ、カラスの5つを上げるのですがカラスのランキングは最も上です。 実際に、韓医学ではカラスを血圧低下に効果があるとしています。バイアグラはそもそも血圧の薬として開発されたという事実を鑑みると一脈相通じる点がありはします。韓薬剤になるカラスは烏鴉といいます。 民間の処方ではカラスを捕まえ羽も抜かずに3羽だけじっくり煮て食べると、どんな慢性的な高血圧でも修正することができるといわれています。 Tip:カラスの調理法 カラスは酸っぱくて臭みがひどく、食べにくい。薬として使うにはカラスを塩水で練った泥で包んで焼いた後、クルミと混ぜて粉にし、朝と夕の食事前にお酒と一緒に服用する。 ヨーロッパ北東部のバルト海沿岸のリトアニアでは、カラスの料理が伝統的な食べ物の一つだということも参考に。 |