A. | この事件が起こる直前の2012年7月、T-ARAは人気絶頂のガールズグループでした。グループ名の通り王冠をかぶるだけのことはありました。しかし思わず(?)作成したツイッターがそのすべての栄光を一瞬で奪ってしまいました。 まず事件の経緯を見ましょう。 リュ・ファヨンは2012年7月23日の生放送で進行されるMBC『ショー!音楽中心』の公演を終えて、降りる際に足首を負傷しました。以後7月25~26日の2日間、日本で開かれたコンサートには松葉杖をついて舞台に立ったりもしました。そして7月27日のKBS『ミュージックバンク』の公演では、姿が見えませんでした。 人々は当然、足首の負傷のせいだと思いました。
時間の経過を見ると分かると思いますが、ツイッターは日本での活動期間中に何かが起こったことを知らせてくれます。 ヒョミンがツイートに投稿した「意志」とはいったい何でしょう? T-ARAが23日の夜、『音楽中心』蔚山特集を終え、ソウルに到着した時刻は24日午前3時。メンバーは、3時間程度の睡眠をとった後、日本行きの飛行機に乗りました。ファヨンは助けられながら空港に現れ、病院に行きました。病院に行ってきたファヨンはどうせ公演に出れないからホテルで休むと言って、ホテルに行きました。 ファヨンが抜けた席、7人のメンバーたちがステージでの動きを新たに練ろうと、日本公演のリハーサルは8時間に増えました。メンバーだけでなく、音響、照明など、すべてのスタッフが苦労したでしょう。公演に参加できなくても、苦労するメンバーとともに過ごし、自身の動線を話してあげて練習時間を短縮してほしいという惜しむ気持ちはあったでしょう。ヒョミンがツイートに投稿した「意志」云々が全く根拠のない話ではなかったでしょう。 しかし、詳細な経緯が省略されたままツイート内容が明らかになり、メンバー5人がファヨンを集団でいじめたのかという疑惑が提起されました。SNSにより急速に問題化されると、27日から主要メディアが不仲説を扱い始めました。当時ロンドンオリンピックが開幕しましたが、1日中、検索順位1位を死守したほどでしたね。 これはツイッターの事件が非常に時を誤り、重なってしまったからです。2011年12月大邱でいじめに耐えられず、7階のアパートのベランダから飛び降り自殺をする事件が起こり、いじめ問題が深刻な社会問題として台頭した状態でした。ファヨン以前にもT-ARA内部ではいじめ説が絶えず提起されていたので、ファンはファヨンがいじめの犠牲になったと断定しました。ガールズグループの主要消費層である10~20代などが背を向け、保護者たちも容認できないと拳をぎゅっと握りました。 所属事務所は事態を鎮火させるために必死になりましたが、むしろ大衆の反感をさらに買うことになりました。所属事務所はT-ARA内にいじめはないと断言しながらも、ファヨンとの契約を解消すると電撃発表をしました。ここでさらに、ファヨンがトップスターのように行動しようとしていたとか、放送現場で松葉杖を投げ捨て「舞台に上がりません」と声を上げるなど人性に問題があるかのように追い立てました。たとえいじめがあっったとしても、あくまでもファヨンが原因提供者であるという主張だったのです。 これに対する反対の証言が日本からT-ARAの活動に参加していたスタッフとファッションデザイナーコ・テヨンによって提起されました。松葉杖を投げたのは事実ですが、松葉杖を投げる前から控室の外で泣いているファヨンを見た放送関係者たちがいるという証言も出てきました。 理念性向に関係なく、左右の巨大コミュニティがひとつの心でファヨン側に立ちました。NaverのT-ARAファンカフェはファヨンの個人ファンカフェに変わり、「T-ARAに真実を要求します」カフェは開設2日で会員数が10万人を超えました。その年の8月には、学生の間で「T-ARA遊び」と呼ばれるいじめ遊びが流行するという記事まで出てきました。 こうして人気アイドルガールズグループが3日にして粉砕しました。メンバーたちも、所属事務所も、ファンも事態がこうなるとは思いもしなかったでしょう。メンバーたちがツイッターに投稿したものがファンに明らかになった後、大したことはないと考え、安逸に対処した所属会社が急いでファヨンを退出させてしまったことが、事態を収拾できなくしてしまったのです。 一歩遅れて明らかになった内容を総合してみると、ツイッターの事件は非常に簡単に解決することができたものでした。 スタッフたちの証言によると、ツイッターで攻防があった後、ファヨンとT-ARAメンバーたちの間で本気のやり取りが行き来し、事態が収拾できる段階にあったそうです。和解ムードが造成されていくという事実を知らないファヨンの姉ヒョヨンがアルムを脅迫するメッセージを送りました。ことが再び反れてしまったのです。 T-ARA内部で発生した、このような一連の事件を加減なしにファンに明らかにし、お互いに抱き締める姿を見せてくれていたら、T-ARAは健在だったかもしれません。 See Yaのナム・ギュリなどを脱退させた前歴がある所属会社キム・グァンス代表は、いじめ問題という本質を直視できず、単にチームワークを乱すメンバーだけを追い出せばいいという方法で対処してしまいました。 |