[定年 60歳 時代 ①] 昇進遅かった55歳部長の逆転

最近の会社生活は、「細くて長く」が大勢 

1985年、「公採でS電子に入社したチョン部長(仮名、55才)は今年の年末に定年を控えている。彼の入社同期は既に全員が会社を離れた。彼は同期たちのあいだで「ゴキブリ」と呼ばれている。S社の社員の平均勤続年数が10年くらいにしかならない中で、彼は最後まで生き残って定年を迎えたためにつけられたニックネームだ。一番最後まで会社に残っていた同僚が去って3年が過ぎた。チョン部長が長く勤務できたのは、他の同期に比べて昇進が遅かったからだ。同期たちが本社で順調に昇進していく中、彼は主に地方の生産工場に勤めた。実績の良い半導体や携帯電話などではなく、白物家電で仕事してきたので定期昇進したことはない。同期の中から最初の役員が出た2000年に、彼は万年次長だった。

その後も同期達が常務・専務を経て副社長に昇進するまで、彼は部長から上れなかった。チョン部長は「昇進が遅くて恥ずかしかった記憶が多いが、このころ同期の集まりに行くと、みんなが私を羨ましがる」と語る。

  • < 一山キンテックスで開かれた「中高年採用ハンマダン」で参加者が深刻な表情で就職情報を確認している >

彼は「大変だったが、最後までがまんしてよかったと思う」とし、「今年のはじめ、二番目の娘も結婚したので会社を辞めても大きな問題はないだろう」と笑った。

2016年から段階的に定年60歳制度が法令化され、雰囲気が変わっている。職場内の同期の早い昇進をうらやましがり、後輩が先に昇進して上司になるとすすんで(?)会社を辞めたりもしたが、いまや変わった。チョン部長のように昇進が遅れ、自然に定年まで会社にいることが、むしろうらやましがられるほどだ。

▶ 最近の会社生活「細く長く」が大勢

「太く短く」よりは「細く長く」職場生活を送ろうとする雰囲気が強くなっているわけだ。その理由ははっきりしている。すでに40代後半~50代前半に希望退職して去った先輩たちの姿をみたからだ。まだ20代の子供たちが職場でまともな地位につけず、結婚もせず、金がかかることが多いのに再就職に失敗して困難を経験したり、焼き鳥屋など創業を試みたが金だけが出ていく事例が多かったためだ。

どうにかしても今いる会社に残ることを希望することになり、定年60歳法令化は一種のつっかえ棒になっているわけだ。むしろ役員に昇進して定年を迎えられず、数年早く退職することになったことを悔やんでいる者も出てきている。

ソウルのある市中銀行で常務として働くキム常務(仮名、53才)は、「来年末には会社との契約期間が終わるが、もし再契約がだめかもしれないという思いが浮かぶたびに、昨年の役員昇進の提案を受け入れたことを後悔したりする」と打ち明けた。

キム常務は役員になる当時に定年問題をふと悩んだりもしたが、年俸も上がり業務の自律性も高くなる点を勘案して昇進を選択した。ところが、いまや再契約がだめなら定年60歳まで勤める部長クラスの同期に比べ6年ほど仕事ができないかもしれなくなったわけだ。キム常務は、「まだ部長クラスに残っている同期がむしろ羨ましい」とし、「まんいち契約更新がだめならこれから子供たちの大学授業料、結婚費用などの負担で目の前が真っ暗だ」と語った。

▶ 銀行・公共機関ですばやく拡散

公共機関に勤務しているチョン理事(仮名、58才)は役員に昇進すると公共機関の唯一のメリットである定年までの勤務を実現することができず、1年以上早く会社を退職することになったケースだ。この公共機関は職級別定年があり、1級の室長・局長に昇進すると60歳まで勤務できる。しかしチョン理事は2011年6月人事で理事に昇進したところ、定年まで勤務することができなくなった。1983年に公採第1期として入社して同期中で最初に役員になったが、1955年生まれが2015年末ま勤務するよりも1年以上短く勤務することになった。

チョン理事は「公採出身として初の役員になり、誇らしくもあった」と話しながらも、「昨年7月、再評価を受けた際に会社を出なければならないかもという思いから受けた心理的な圧迫感と、1年以上早くなった定年を実利的にせんじつめれば、役員に昇進したのは損害と感じられる」と語った。

▶ 95%が「年下の上司も迎えられる」

このような流れを反映するように、定年が延長されると10人中の9人の勤労者が自分より若い上司や後輩の下で働くことができると調査の結果に出た。

韓国経営者総会は去る7月、勤労者485名を対象にした勤労者意識調査によると、年齢あるいは勤続年数が低い上司と一緒に勤務できるかという問いに、60.1%が年齢・勤続年数に関係なく勤務可能であると答えた。一定の範囲内で受け入れるという回答は34.3 %に達し、94.4%が年齢や勤続年数が低い上司と一緒に働けると応答したわけだ。

一定の範囲内で受け入れると答えた回答者は平均6.0歳、勤続4.8年の差まで受け入れることができると答えた。
  • 毎日経済_ソ・ドンチョル記者/チャン・ジェジュン記者/キム・ヒョソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2013-11-03 17:33:46