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「VWショック」LG化学株、15%急落…今年最低を記録


「フォルクスワーゲンパワーデー(Power Day)」の後遺症は激しかった。 100万ウォンを超えていたLG化学の株価は一週間のあいだに80万ウォン台にまで落ちた。世界的な自動車企業の独フォルクスワーゲン社がバッテリーの内在化を宣言し、統合セル(角型2次電池)を適用すると発表して以来、手のつけようのないほどに落ちている。 LG化学の主力であるポーチ型バッテリーが排除されるという不安心理が投資家を押さえつけたわけだ。特にLG化学におけるフォルクスワーゲンの売上げ比率は20%前後で、今回の問題により敏感に反応しているようだ。証券業界では国内の二次電池業界に対する連鎖打撃につながることが懸念されている。

19日の韓国取引所によると、LG化学は前日比で3.60%(3万1000ウォン)落ちた83万ウォンで取引きを終えた。終値を基準すると、今年の最低点だ。最近は上昇に乗りながら、今週初めには97万5000ウォンまで上がった株価は15%近く下落した。 UBSやメリルリンチなどを中心に、外資系の窓口を通じた売りがLG化学株を下げている。実際に外国人投資家はフォルクスワーゲンデー以降、5869億ウォンぶんを売り越した。同じ期間の個人投資家が8512億ウォンを買い越したことと異なる動きだ。

先だってフォルクスワーゲンのヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は、15日(現地時間)に開かれた「パワーデー」で2023年から「統合セル」バッテリーを使用して、2030年までに80%に比率を高めると述べた。同時に、株式を持っているノースボルト(Northvolt AB)を通じて内在化を推進し、欧州電気自動車バリューチェーンの統合戦略に速度を出すと宣言した。

韓国投資証券のキム・ジョンファン研究員は「フォルクスワーゲンが2023年から角形電池を導入すると明らかにしたことによって、フォルクスワーゲンの向けのポーチ型二次電池の主要サプライヤであるLGエネルギーソリューションとSKイノベーションは否定的なニュース」だとし、「計画によると2025年から韓国の二次電池バッテリーメーカーのフォルクスワーゲン内におけるシェアは下落すると予想される」と述べた。

NH投資証券のコ・ジョンウ研究員は「現在、フォルクスワーゲンのMEB用二次電池のサプライヤーは、LGエネルギーソリューションとSKイノベーション、そして中CATLなどで把握されており、このうち国内メーカーが供給している二次電池の形態はポーチ型」だとし、「今後はフォルクスワーゲンにおける韓国メーカーの影響力が大幅に強化されることは難しいだろう」と説明した。

希望があるとすれば、新たな市場の可能性だ。欧州市場での市場シェアは縮小するかもしれないが、むしろ米国と中国などの他の市場に目を向ける機会になりうる。 LGエネルギーソリューションは米国に5兆ウォン以上を投資して、円筒形電池工場を建設することにした。上半期までに少なくとも2ヶ所以上の候補地を選定した後に、円筒形電池の拡張に速度を出すという戦略だ。円筒形電池は米国電気自動車メーカーのテスラに主に使用される。けっきょくテスラのバッテリー受注を念頭に置いて生産設備を増やしているという分析だ。

現代証券のカン・ドンジン研究員は「米国内での大型投資計画を発表したのは、この時点で重要な意味を持つ」とし、「米国のスタートアップであるルシッドモーターズ(Lucid Motors)、ファラデーフューチャー(Faraday Future)、ローズタウンモーターズ(Lordstown Motors)などがLG化学の円筒型電池を使用しており、 テスラだけでなくさまざまな顧客を確保できるだけに高成長はまだ可能だろう」と見通した。

実際にフォルクスワーゲンが角形電池を独自に需給するまでは少なくない時間が必要であり、CATL(寧徳時代新能源科技)などの競合他社は品質の面でも抜け穴が多く、韓国メーカーに対する再照明が可能だだろうという意見も出ている。

未来アセット大宇のパク・ヨンジュ研究員は「短期的にはポーチ型バッテリー企業の株価下落が予想されるが、バッテリーの核心はケースではなく中の化学物質」だとし、「電気自動車市場が拡大しつつバッテリー需要は予想よりも急速に拡大している状況の中で、国内バッテリーメーカーの取り分は充分にある」と予想した。また欧ノースボルトの競争力が高くない状況でポーチ型電池のコスト削減が加速化すれば、フォルクスワーゲンとしては価格競争力が弱まる可能性もあると付け加えた。

ハイ投資証券のチョン・ウォンソク研究員も「ノースボルトとフォルクスワーゲンの自社バッテリー生産工場における量産歩留まりが、予定されている期間内に安定化段階に入るかどうかについては見守らなければならない」とし、「むしろフォルクスワーゲンが欧州内での自社バッテリーの生産設備を本格的に拡大する計画であることから、欧州現地に生産設備を構築している国内素材メーカーやノースボルト向けの素材・部品サプライヤーにとっての機会要因になることがある」と見通した。
  • 毎日経済 | キム・ギュリ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-03-21 16:27:24




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