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「報復消費」…ホテルは週末ごとに満室、大型外食店は30分待機


  • 「報復消費」…ホテルは週末ごとに満室、大型外食店は30分待機

  • 26日午後、汝矣島のザ現代ソウル店が買い物客で賑わっている。コロナ19で抑圧された消費欲求が噴出する「報復消費」の影響で、3月の主なデパートの売り上げは昨年とくらべて2倍近くに増えた。 [イ・スンファン記者]


26日の早朝からロッテ百貨店本店ブランド館アベニュエル(AVENUEL)の前は長蛇の列となった。デパートがオープンするまで2時間も残っているが、あまりにもブランドショップに人が集中したことから、「少しでも遅れると人気製品を買えない」という思いから、最近ではほぼ毎日オープン前から人が集まる状況だ。

他の売り場の雰囲気も同じようなものだ。この日の午後、デパートの花ともいえる婦人服売り場では、春を迎えて新しい服を求める客でにぎやかだった。現場で会った従業員は「客よりも従業員が多かった昨年のこの時期と比較すると、完全に変わった」と口をそろえた。女性ファッションブランドの店舗の従業員は、「コロナ19以前と比較すると、今ではそれでも売り上げが50~60%水準まで回復したようだ」と語った。

コロナ19に抑えつけられた消費欲求が爆発する、典型的な「報復消費」の側面が現れている。パンデミックが長くなると消費者はコロナ19とともに日常に適応しながら、徐々にそれ以前の消費習慣に戻っていくことはもちろんであり、むしろ以前よりも支出を増やす雰囲気だ。

チョン・ヨンスン韓国流通学会(檀国大経営学部教授)は、「コロナ19が発生した後、終了に至るまでの時間があまりにも長くなって消費者が心理的にうんざりし、さらに暖かい春がきて野外活動が可能となったことが消費の増加につながっている」とし、「ワクチン接種が始まって、心理的な安心感が広がったことも原因だ」と分析した。

実際、3月に入って主要なデパートの売上高は、前年同期との比較で最高2倍近くに上がった。去る1~25日を基準にして、ロッテ百貨店の売上げは前年同期比で80.1%、現代デパートは98.5%も増えた。郊外型アウトレットも好況を迎え、現代アウトレットの売上げは同期間で76.8%、ロッテアウトレットは38%、それぞれ増加した。

昨年から人気の高かった名品熱気が続くなか、女性および男性ファッションブランドの春夏の新商品販売が増えたことがデパートの売り上げの上昇を導いた。現代デパートで同じ期間の海外ファッション(ブランド品)の売上げは96%増えたが、女性ファッション(161.4%)と男性ファッション(104.5%)の伸び率はこれを上回るほどだ。去る1~21日の売り上げが昨年よりも80.8%増えた新世界百貨店でも、女性ファッションが112.9%ものび、男性ファッション(83.7%)と新学期を迎えて学生顧客層の需要が増えたスポーツウェア(67.9%)が続いた。特に春を迎えて山を訪れる人が増え、アウトドアの売上げは同期間で70.9%増加した。

報復消費のおかげで今月のデパート3社の売上げは、すでにコロナ19前の2019年も跳躍した。百貨店業界では「2月中旬を基点に、確実に雰囲気が反転した」と分析した。 1~2月はロッテ百貨店の前年比売上増加は10%台に過ぎなかったが、2月11~13日と旧正月連休をはじめとして徐々に消費が増え、3月の売上げは昨年だけでなく、コロナ19以前の2019年のような月よりも4%増えるほど消費が回復した。同じ期間に新世界百貨店の売上高も33.7%、現代デパートは22.5%も増えた。

化粧品・ファッション業界も大笑いだ。アモーレパシフィックの「雪花秀」ブランドの代表主力製品チャウムセンエッセンスの売上げは、今月に入って昨年よりも50%以上増加した。アモーレパシフィックの高級ビューティーブランド「Hera(ヘラ)」の代表リップメイクアップライン「ROUGE HOLIC(ルージュホリック)」は今年に入って最近までに前年同期比で70%以上の販売が増えた。

新世界インターナショナルが運営するオンラインモール「エスアイビレッジ(S.I.VILLAGE)」は、去る1~25日のゴルフウェアブランド「J.LINDEBERG(ジェイリンドバーグ)」の売上げが前年同期比で245%も急騰した。ニッチフレグランスの代名詞であるフランスのブランド「Diptyque(ディプティック)」が589%、ラグジュアリーニッチフレグランスブランド「Byredo(バイレード)」も388%、低刺激高機能性化粧品の「YUNJAC(ヨンジャク)」は427%も売上げが増えるなど、高級ビューティーブランドの人気が熱かった。

国内観光が増え、一流ホテルも混み合っている。ロッテとグランド朝鮮など、釜山と済州島所在の特急ホテルは週末の客室占有率が80~90%に達する。特にロッテホテル済州は新婚夫婦を狙って出したハネムーンパッケージは4月の予約が昨年よりも2倍以上に増えた。このほかに一流ホテルが運営する主なビュッフェも週末には予約が難しいほどの人気だ。

週末には30分待ちの行列が並ぶ外食店も見られる。 SPCグループの外食ブランドド「LAGRILLIA(ラグリア)」は、去る1~25日の売り上げが昨年よりも60%以上増加した。 CJフードビルが運営する外食店(ビブス、ザプレイス、第一製麺所など)の最近の4週間の売上げも、前年の同じ期間の平均よりも35%以上増加し、少しずつ回復する雰囲気だ。淑明女子大のソ・ヨング経営教授は「コロナ19の亜種が韓国に上陸していない以上、当分のあいだは消費市場に温かさがもどると思われる」と展望した。
  • 毎日経済 | キム・テソン記者/イ・ヨンウク記者/カン・ミンホ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-03-27 10:45:23




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