サムスン電子、チップ不足で生産に支障か…「半導体不確実性」大きく


  • サムスン電子は今年第1四半期の「ギャラクシーS21」スマートフォン早期発売効果を追い風に、暫定値で四半期の売上げ65兆ウォンと営業利益9兆3000億ウォンの実績サプライズを記録した。ソウル市瑞草洞のサムスン電子社屋地下のギャラクシーS21の広告。 [イ・チュンウ記者]


サムスン電子は今年第1四半期、暫定売上げ65兆ウォンと営業利益9兆3000億ウォンで、専門家らの予想を上回る実績サプライズを記録した。しかし世界的な半導体需給大乱が予想をはるかにこえて自動車や情報技術(IT)産業を覆ったことから、サムスン電子の将来にも「半導体不確実性」が影を落としたという分析だ。

DRAM・NAND型フラッシュメモリ、半導体受託生産(ファウンドリー)などの価格が本格的な上昇傾向を描く一方で、スマートフォン・生活家電・テレビなどの完成品はコストの上昇と生産支障が近づくだろうと予想される。

サムスン電子の第1四半期の業績は前年同期と比較して、売上げは17.48%と営業利益は44.19%も増えた。サムスン電子の業績を支えていた半導体が予想外に停滞して、スマートフォンと家電が利益につながったと専門家らは推定する。

このような形勢は第2四半期から逆転すると思われる。まずサムスン電子半導体事業の収益の大部分を占めるDRAMとNAND型フラッシュメモリの価格が、半導体需給大乱に乗って第2四半期から急激に上昇すると予想される。 PC用DRAMの現物価格は2019年4月以来初めて、今年の第1四半期に4ドル台で安着した。第2四半期からは現物と2~3ヶ月の時差がある固定取引価格が同時に跳ね上がるだろう。

市場調査機関のDRAMエクスチェンジとトレンドフォースは、モバイルとPC用DRAMのみならず、データセンターに使用されるサーバ用DRAM価格が今期のみで最大20%急騰し、これまで停滞したNAND型フラッシュメモリの価格も最大で8%上がることがありうると予想した。最近、データセンター用のNAND型フラッシュメモリの注文も増加傾向を示したことが分かった。NH投資証券のト・ヒョヌ研究委員は、「非対面需要の増加で1人1PCのトレンドが拡散し、今年のPC販売量は前年比で10%以上増加すると予想される」とし、「次世代サーバ・プラットフォームの出荷が今期に始まり、データセンターへの投資も増えるだろう」と説明した。


サムスン電子のファウンドリ工場も、数ヶ月待って生産契約を結ぶほど活況だ。現在、台湾TSMCとDBハイテクをはじめとする国内外のファウンドリは注文が耐えられないほど押し寄せており、新規契約ごとに取引価格を20~30%ずつ上げる都合だ。このような状況はサムスン電子も同様で、今年は同社のファウンドリの売上げは過去最高だった昨年の記録(約17兆ウォン)を更新し、20兆ウォンをはるかに超えるものと期待される。またサムスン電子は収益性の高い先進的な5ナノメートル以下のプロセスの収率(品質製品の生産比率)を年初来徐々に向上させたことで知られ、営業利益もいっそう改善されると思われる。

ただしIT製品と半導体事業を同時に行うサムスン電子にとって、半導体供給大乱は「両刃の剣」でもある。サムスン電子はまもなく今回の四半期から、半導体とプリント回路基板(PCB)のような核心部品不足で、スマートフォンをはじめとするIT機器の生産に支障が出始めると予想される。ユジン投資証券の調査結果、実際にサムスン電子のスマートフォンの予定生産量が最近減り始めた。

特にサムスン電子の米国テキサス州オースティンの工場が2月16日から先月下旬まで一時稼働中断(シャットダウン)して発生した生産支障の被害は、第2四半期からサムスン電子IT・モバイル(IM)部門に悪影響を与えるものと思われる。オースティン工場は第5世代(5G)移動通信用の無線周波数集積回路(RFIC)と有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ駆動集積回路(DDI)を主にする。今回のシャットダウンは、サムスン電子だけでなく、アップルをはじめとする全世界のスマートフォン業界に生産支障をもたらす見込みだ。トレンドフォースは全世界の5Gスマートフォンの出荷台数は前年同期比で30%減るかもしれないと予想した。

さらにサムスン電子は半導体供給大乱のために、スマートフォンの頭脳であるモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)も予定された物量を生産していない状況だ。生活家電とテレビを担当するサムスン電子消費者家電(CE)部門も、半導体大乱の衝撃をそのまま受けて、コストの上昇と生産支障の懸念に苦しむと思われる。ユジン投資証券のイ・スンウ研究委員は、「第2四半期のサムスン電子はIMとCEの実績が鈍化して、半導体はオースティン工場のシャットダウン事態の解消とファウンドリの歩留まりの改善効果に支えられ、業績が大幅にのびる兆候」だと語った。

こうしたなか、尖端半導体工場の誘致をめぐって綱引きする米国と中国の覇権競争もサムスン電子を圧迫する変数だ。「米国半導体崛起」を明らかにしたジョー・バイデン米政府は12日(現地時間)、サムスン電子をはじめとするグローバルIT・自動車企業の経営陣を呼んで半導体需給状況を点検する予定だ。この時、サムスン電子は米国内の生産拠点の増設決定と追加投資、中国の工場の尖端化制限措置を要求される可能性がある。中国もサムスン電子の西安NAND型工場の追加投資を要請したことが分かった。半導体業界の関係者は、「バイデン政府が中国の半導体育成を阻止しようと、近いうちに強化された制裁をうち出すだろう」とし、「サムスン電子の内部はこのような制裁の火の粉が飛び出し実績に負担を与える恐れて心配中」と伝えた。

サムスン電子を脅かすもう一つの外部変数は、米マイクロンとSKハイニックスとのメモリ技術競争だ。マイクロンとSKハイニックスが10ナノメートル台前半の尖端DRAMと第7世代176段積層(V)NAND型フラッシュメモリの開発・生産を先に発表して危機感は高い。
  • 毎日経済 | イ・ジョンヒョク記者/パク・チェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-04-07 23:53:47