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ピケティー理論に対する韓国経済学者の討論白熱 経済成長に繋げ


  • ピケティー理論に対する韓国経済学者の討論白熱 経済成長に繋げ
  • < 国内経済学者たちの主な発言 >

「ピケティ教授の政策的提言は韓国でも意味がある。良質の教育に対するアクセス性を拡大してこそ不平等を解消できる」(ユ・ヂョンイルKDI教授)。

「最上位階層に対する富裕税導入は、韓国では不平等の解決策になりえない。労働市場改編・中産階級の拡大がさらに重要だ」(シン・グァンホ高麗大教授)。

19日、毎日経済討論会ではトマ・ピケティ教授が提示した理論に対する韓国経済学者らの熾烈な討論が続いた。何よりもピケティ教授の分析が韓国経済の状況にも適用されうるかどうか、教授の解決策は韓国経済にも役立つのかに対する議論が行われた。

前青瓦台経済首席のチョ・ウォンドン中央大学碩座教授は、資本収益率が経済成長率よりも高いというピケティの仮定は韓国では適用されえないと主張した。チョ教授は、「2000年代まで、韓国では資本収益率は経済成長率よりも概して低く現れた。最近になって資本収益率が高い傾向を示しているが、これもまた確定的傾向として見ることはできない」と明らかにした。チョ教授は所得に高い税金を課すべきというピケティ教授の主張に真っ向から反駁した。チョ教授は、「韓国ではすでに不動産に高い税金を課しており、他の資本にまで高い税金を課すことに対しては否定的に考えている」とし、「累進的な富裕税を導入することは、企業活動を抑制する副作用を生むだろうと思う」と明らかにした。富裕税は不動産以外の資本蓄積に否定的な影響を与えうるという主張だ。これに対してピケティ教授は、累進税の導入は「富の移動性」増加に影響を与えるもので、経済成長に悪影響を及ぼさないと反駁した。ピケティ教授は、「累進的な資本税は資本蓄積自体に不利益を与えることではなく、富の移動性を引き起こすためのもの」だと明らかにした。

シン・グァンホ教授もまた、ピケティ理論を韓国にそのまま適用するには多少無理があると診断した。ピケティ教授は1930年から1970年代までの所得不平等は大きく緩和されたと説明した。これは世界大戦と大恐慌によって富の大量破壊が起こり、資本課税が続けられて現れた異例の現象だと説明した。資本収益率が低下しつつ、所得不平等が緩和されたという説明だ。

シン・グァンホ教授は、「韓国では1990年代後半にIMF事態が起こり、財閥企業は破産し不動産価格は暴落した」とし、「このため資本収益率は大幅に低下したが、韓国では所得不平等はIMF以後、さらに大きな幅で現れた」と説明した。ピケティの仮定とは反対の現象が現れているという指摘だ。シン教授は、「もちろん長期的に見るとピケティ教授の理論があたっていると思うが、今の韓国では長期的な解決策よりも短期的な解決策が必要な時期」とし、「短期的問題を解決するために、不平等がなぜ深まったかを明確にすることが重要だが、韓国では中産階級の減少と、正規職と非正規職労働市場の構造の弊害が不平等の原因と見ることができる」と明らかにした。ピケティ教授はシン教授の意見に同調し、「労働市場の状況もまた所得不平等をもたらす重要な原因となるうる」と付け加えた。

柳鍾一(ユ・ヂョンイル)韓国開発研究院(KDI)国際政策大学院教授は、「韓国は経済協力開発機構(OECD)諸国の中で、米国・イスラエルに次いで所得不平等の水準が最も高い」とし、「そのうえ韓国の富裕層の富は、米国とは異なり世襲で行われたケースが多い」と明らかにした。このようにして所得不平等が拡大したことから、社会的葛藤が深刻化していると指摘した。ユ・ヂョンイル教授は、「以前は個人の勤勉さが重要だとされたが、最近では成功のためには家庭事情や学歴が重要だと考える人が増えてきた」と語った。

司会として登壇したソウル大学経済学科のイ・ヂスン教授は、「最上位層にのみ富が集中し、‘富益富貧益貧’現象が深刻化しているというピケティ教授の診断は明らかに意味のある指摘だと思う」とし、「ピケティ教授の指摘を土台に、韓国経済の成長をのための発展的な解決策が出てくるだろうと期待される」と明らかにした。
  • 毎日経済_企画取材チーム=ノ・ヨンウ次長/チョ・シヨン記者/キム・ドンウン記者/アン・ヂョンフン記者/カン・ボンヂン記者/イ・ヒョンヂョン記者/キム・ガンレ記者/キム・テヂュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-19 15:33:37




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