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【韓国コラム】結婚なんて必要ない


先日、ドキュメンタリー番組でオスのキリンが激しく争うのを見た。長い首を振り回しながらケンカをしているのを見ると、攻撃しているキリンも殴られているキリンも首が折れるのではないかとひやひやするほどだった。

ケンカは頭のオスが若いオスを追い出すことで終わった。

片方が退いたらケンカはすぐ終わってしまった。最後まで追いかけ二度と領土を狙わないように負傷を負わせる。殺したりする残忍な場面は見られなかった。若いオスは力をつけて、また挑戦するだろう。

自分の遺伝子を残すためだ。

野生の世界ではオスたちはメスを誘惑する競争に勝つために命を投げ出すほどだ。

華麗な羽毛が原因で捕まる脅威を顧みず、クジャクはメスの前で華麗な羽を広げる。

生物学者たちは、これを進化の産物と考える。派手な羽が抜けるとメスのクジャクは見向きもしない。遺伝情報を代々に伝えること、それが進化なら羽の抜けたクジャクは進化から取り残されたわけだ。

こんな観点から見ると最近の韓国の若い男女は進化を諦めている。

統計庁の資料を見ると昨年の結婚件数は過去最低の21万4000件と集計された。

前年に比べ2 万6000 件(10.6%) が減った。1997年以後、二桁の減少率を記録している。

もちろん婚姻件数が減るのは昨日今日のことではない。

1996年に43万件でピークに達した後、年々減少傾向にある。今年は史上初めて20万件を下回る可能性も高いという観測も出ている。

結婚適齢期の人口が減っていることから当然の現象になるかもしれないが、人口1000人当たりの婚姻件数である粗婚姻率を見るとそうでもない。

昨年の粗婚姻率は4.2件で前年比で0.5件減少したが、これも過去最低の数値だ。

一言で結婚する考えがないのだ。

2020年の統計庁社会調査報告書を見ると、結婚は必ずすべきだと答えた人は51.2%だったが、これは10年前の64.7%に比べ13.5%減少した数値だ。

世論調査専門企業であるトレンドモニターによるアンケート調査でも似たような認識が伺える。韓国全国の19~49歳の未婚男女1,050人に対して実施した調査で回答者の80.2%が「一人で暮らしても別に支障のない世の中」と回答している。職業があり能力さえあれば恋愛だけして一人暮らしをするのも良いと答えた人も72.8%に達している。

「寂しくない生活をするためには結婚した方がいい」や「結婚した人がしていない人より幸せだ」という回答はそれぞれ34.1%と21.7%で少数にとどまった。

  • 【韓国コラム】結婚なんて必要ない
  • 出典 トレンドモニター

結婚に対する多少否定的な態度に対して不快に思っていた親の価値観も変わりつつある。一人暮らしを理解する年寄りが増え、さらには子どもに「未婚ライフ」を勧める意向があるという人も半分に迫っている。

代を継ぐ行為が、もはや重要になっていないということだ。

派手な羽をアピールしてライオンに捕まるくらいなら、むしろ地味な羽で平和に生きる方が賢明だと思っているようだ。

韓国の若者たちは生物学的な観点での進化をあきらめるのだろうか。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-04-18 00:00:00




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